↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オチなし奇妙な物語  作者: 活動寫眞
PR
2/12

謎のおじさん

今の僕は、日々バイトに追われている。

平日の昼間は工事現場で作業にあたり、夜はスナックのウェイター

週末は知り合いから頼まれ屋台でたこ焼きを焼いている。


将来の夢はパン屋さん。そう思っていた子供の時が懐かしい。

現実はあまくない。夢らしい夢もなく、とりあえずお金を貯める日々。


それはトラウマかも知れない。


小さい頃は何不自由のない生活を送っていた。

しかし、父親が事業を失敗して巨額な不良債権を抱え失踪。

お陰で家は差し押さえ、何もかも失った。

唯一残ったものと言えば、母と妹の3人の家族と借金。


日々の生活と借金取りの恐怖に怯えながらも

母は女手ひとつで僕と妹を育ててくれた。

しかし、僕が中学生、妹が小学生の時に母は倒れ帰らぬ人となった。

金の切れ目が縁の切れ目、親戚は居らず頼る先もない。

そんな時、助けてくれたのが近所の人だった。


今では無いに等しい近所の優しい手によって救われた。

その中でも一番の恩人は、通称“おじさん”である。

父とも親しかったようで、昔に父に助けられたとか。

それで僕らを引き取ってくれたらしい。

おじさんの家は相撲部屋である。


でもおじさんは親方ではない。


当時は謎だらけのおじさんで、何をしている人が全くの不明。

それであとを着いて歩いた事がある。


ある日は、近所の八百屋で働いたり、軽トラで焼き芋売ったり

またある日は、博物館で館長と親しげに話し込んだり、

水族館でイルカショーしたり、またまたある日は、裁判所や刑務所へ行ったり、

近所の自治会長として祭りを企画したり

他にもたくさんあるが今回は止めて置こう・・・。


勇気を出して聞いた事がある。

するとおじさんの答えは「社会見学になったろう?」

やはり謎だ。それ以来、後をつけるのは怖くて止めた。


一度、海外から要人と呼ばれる人が家に来た際には

その要人はおじさんに頭を下げっぱなしだった。

おじさんはとても困った顔をしていたのを覚えている。

あの要人は誰だったんだろう?


今、おじさんは相撲部屋で仕事をしているらしい。

それも本当かどうか定かではない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。