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忘れ去られた存在の幻想入り
一つ、妖怪が異変を起こし易くする。
一つ、人間が異変を解決し易くする。
一つ、完全な実力主義を否定する。
一つ、美しさと思念に優る物は無し。
八雲紫が発案し、博麗の巫女が施行した『スペルカード・ルール』は結局のところ、このたった四つの理念に集約される。
これらの理念に反することなく細かな規制や勝敗の基準を決め、実働に耐え得るものとした決闘方法が『弾幕ごっこ』なのだ。
表向きは博麗の巫女が博麗霊夢が制定し、紅霧異変で急速に普及し数々の妖怪側も人間側にも双方にメリットがあるものになった。
これは外の世界で妖怪が大量に絶滅し始めたからだ。特に強力な妖怪吸血鬼が攻めてきたときは危なかった。
スペルカードという決闘という形で、妖怪が人間を襲い専門家が退治する。そういうごっこ遊びだがそれで幻想郷が比較的妖怪や人間どちらも活気が戻ってきた。
しかし、外では八雲紫も忘れた存在が牙を向こうとしていた。
そのことも忘れ、月に亡霊の姫とともに呑気に向かって身内争いをしていた頃の話である。
チートは主人公ではなくラスボスにするべし