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赤城修一郎「日記」

 赤城修一郎 ダイアリー


 一日目

 一日、何もやることはない。メシを出されたらそれを食うだけ、腹が痛くなりゃ糞をするだけ、なんの意味もない一日のサイクルだ。

 あまりにやることが無いので日記をつけることにした。まったく俺がどうして……。


 二日目

 俺は確か、誰かを殺したんだ。だが思い出せない。誰かに偽の記憶でも埋め込まれたんじゃないか。

 二日目にして、オリの向こうから語りかけてくる人間がいた。いや、それは本当に人間だったのか。白い粒をいくつも種のように渡してきたそれは、どうにも神々しく見えた。あれは神のたぐいだったのだろう。


 三日目

 今日も神は俺なんかのオリの前にいた。その言葉の多くは俺には理解できないような深遠なものであったが、どうやらこの種を俺に食うよう勧めているようだ。

 過去にもずっとこの種を食う事を誰かが勧めていたが食った試しはなかった。こんなものを食ったら体の中につるを伸ばされて内臓に絡んで、大変なことになるに決まっている。


 四日目

 神は一旦俺の日記を取り上げて何処かへ行った。天国に持ち帰ったのか。しばらくの後、再び彼女は帰ってきた。日記は何事もなく。また、俺の日記の過去の部分を読むことを勧められた。だが、俺が一日目と書いた後ろはよれた白紙が続いていた。

 頑張って読むのだ、と。頑張ってそこにある文字を読み取るのだと。俺はそうすれば許されるのだろうか。

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