昨日のことは過ぎたことである。
ここは病室
「久しぶりだな」聞きすぎた低い声が良く聞こえた
「だいぶ悪いって聞いたんだが」と僕は言った
「病人を見舞うときはお元気そうで何よりとかいっておくもんだ」
「だいぶ元気そうじゃないか」
親父はくるりともせずに「おまえはどうだ?」と聞いてきた
「まあ何とか」 「大学は?」
「歴史が長いだけの二流大学だがな」
「手術はどうなったんだ」
「医者は切りたそうだが体力を落とすだけ、無駄だ」
無駄なことはしない。そういう人間だった
「金は足りてんのか?」
「足りんって言ったらくれんの?」
「やるって言ったら受けとんのか?」
「大丈夫だよ。バイトしてるし」
「そうかい」
「なあ」
「なんだ?親父?」
「実はな、実は頼みがあるんだ」
「頼みか…」 親父が人を頼るなんて思ってみなかった
「やっぱ、死期だな・・・」
「人を探してほしいいんだ」
「俺の昔の恋人だ・・・」
「母さんとは別のか?」
「そうだ」
「てがかりとかは?」
「ほとんどない。だが名前とその知り合いだけはわかっている」
「真野美香、知り合いの名前が山田瞳子さんだ」
「探してくれるか?」
「さぁぁがすわけねえお!」
「なん・・・だと・・・」
親父はその夜眠りについたらしい・・・
すいませんでした><