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とろけるCheese  作者: KoKoRo
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99/156

Cheese99〜狼とブルーチーズ〜

花火の光が目に差し込んだ。



幸せな時間が、とめどなく流れる。



淳「………」


華「………」


(お互いの顔を離す二人)




淳「の…喉渇かない!?何か買ってくるよ!何がいい!?」



華「じゃっ、じゃあ、レモンティーがいいなっ…!」



淳「了解」


(その場から走り去る淳)



華(キスを…してしまった…。これは夢??)


(口元に手をあてる華)



華(…ううん、夢じゃないんだ……)




――――ズキッ



華(痛っ!!)


(足元を見る華)



華(足の指から血が…。さっき、走ったせいかな?淳くんに気づかれないようにしなきゃ……!)




―――数分後、淳は二人分の飲み物を持ち、帰って来た。



淳「おまたせ。はい、レモンティー」



華「ありが……ほわっ!?これ、CCレモンだよ??」



淳「え?黄色いからてっきりレモンティーかと……」



華「あ…。淳くん、メガネを掛け忘れて行ったもんね」



淳「ごめん…、買い直してくる」



華「大丈夫だよ。CCレモン好きだもん!そうだ、はい!メガネ」



淳「ありがとう。…って、なんだこりゃあ!?」



華「ほわ〜……」



淳くんの手に握られていたのは「純和風梅」と書かれた微妙な飲み物だった……。



淳「赤いからコーラかと思った…」



華「交換する?」



淳「いいよいいよ!なんとか飲むから」



華「淳くんって、ドジだねぇ」



淳「それ、華ちゃんには言われたくないなぁ」



華「む…」



淳「ごめん!冗談」




――ドドドーーンッ…


(花火が連続して上がる)



華「綺麗だねぇ…」



淳「うん…」






……それから打ち終わる時間まで、ずっと淳くんの傍で花火を見つめた。



最後の花火は、綺麗な円を描きながら、夜空に吸い込まれてゆくかのように消えた。



名残惜しい気持ちでいっぱいになった……。




淳「さてと。もう9時か…。そろそろ帰ろう。華ちゃん」


(立ち上がる淳)



華「うん……。」



華(うまく立てるといいな…)



――――ズキッ



華(痛っ……)


(その場にしゃがみ込む華)



淳「華ちゃん…?」



華「えへへ…。失敗失敗!足が痺れちゃって…」



淳「その手、離してごらん」



華「え……」



淳「足に置いてる手だよ。ほら、早く!」



華「―――…」


(手をどける華)



淳「怪我してるじゃないか……。俺が無理に走らせたから…。なんで言わなかったんだよ…」



華「だって……余計な心配掛けたくなかったんだもん!!」



淳「立てないぐらい痛いくせに、強がるなよ」


(その場にしゃがみ込み、華に背を向ける淳)



華「淳くん……?」



淳「おぶって行くから乗って」



華「大丈夫だよ!歩けるもん!!ほらっ…」


(立ち上がろうとする華)



…………グラッ



華「ふぎゃっ…!」


(淳の背中にぶつかる華)



淳「もういい加減、観念して下さい。華ちゃん」



華「はい…」





わたしは淳くんの温かい背中に乗って、恥ずかしい気持ちでいっぱいになった。

お祭り帰りのたくさんの人の視線を感じて、顔が上げられなかった。



でもそんなわたしよりきっと、淳くんの方が恥ずかしい思いをしているんじゃないかと思うと、胸が苦しかった……。





――――――――――



華「――…」すぴー



淳「着いたよ」



華「〜〜〜……」




その時、わたしは淳くんの呼び掛けを余所に、夢をみていた……。



薄井『うはは〜♪』


(なぜか狼の姿で出てくる薄井)



華『ヒィィィ!?』



薄井『なぜ逃げる?自家製ブルーチーズを食いたまえぇぇい♪』



華『わっ…わたしを殺して食べるつもりなんですね!?わたしを食べてもおいしくないですよ!?ぜーーーったいに辞めた方がいいと思います!!!』



薄井『食べる?僕が赤ずきん花子を?』



華『赤ずきん…?』


(自分の格好を見る華)



華『ぎゃーー!?なにこの格好!?』



薄井『むしろ食べるのは君だろう?赤ずきん花子。』



華『わたしは狼なんて食べたいと思ったこと、一度もないですよ!』



薄井『食べるのは……このブルーチーズだよ〜〜〜ん♪』


(ブルーチーズを華の口に近づける薄井)



華『やめてぇ〜〜』



薄井『ほら、ほら、ほら!』



華『◎☆#■*△○$●&◇』





――――――――――



華「……死ぬっ!?」


…………ガバッ


(起き上がる華)



淳「あ。目、覚めた?待ってて。今、コーヒー入れてるから」



華「……?ここは……?」



淳「ああ、俺の家。華ちゃん、あのまんま寝ちゃって起きなかったから、布団に寝かせといたんだ」



華「じゅ……淳くんの家!!??ごめんなさい!ご両親様にご迷惑だよね!?」



淳「両親はいない。俺、一人暮しだから」



華「え……」



淳「はい、コーヒー。インスタントだけどいい?」



華「ありがとう…って、そうじゃなくて!淳くん、一人暮らしをしてたの……?」



淳「うん。両親は埼玉に住んでる。どうしても東京に行きたかったから、一人で来たんだ」



華「どうして東京に行きたいって思ったの?」



淳「夢、叶えるためかな。全然進展しないけどね」



そう言って淳くんは、部屋にあるたくさんのギターを見つめ、笑っていた。








〜狼とブルーチーズ〜 完。



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