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とろけるCheese  作者: KoKoRo
95/156

Cheese95〜心、乱れて〜

突然の告白。

突然の涙。

わたしの頭は自分でもわからないくらい、ぐちゃぐちゃだった。



―――そして、なぜだか、淳くんに会いたくなった。



華「うぅ…」



雅「何で泣いてんの?説明してくれなきゃわかんない」



華「説明したく…ない」



雅「まさか補習が辛いから泣いてるんじゃ…」



華「そうじゃないよ…」



雅「じゃあ、何で?」



華「淳くんに…会いたい」



雅「はい?」



華「迷惑だってわかってる。だけど、会いたい…。うえぇー…」


(さらに泣き出す華)



雅「電話すれば?我慢なんかする必要ないんだよ。華のためならアイツ、どっからでも来るんじゃない?」



華「ふぇ…」



雅「ほら、早く掛けなさい」



華「……」



(携帯を取り出し、淳に電話を掛ける華)




淳『もしもし。華ちゃん?』



華「あっ、淳…くん?」



雅「……」ニヤッ



淳『うん。どうしたの?』



華「あのね、実は…」


……ガシッ


(華の携帯を奪う雅)



華「――えっ!?」



雅「もしもーし?池本くん?佐藤ですけどぉ〜」



淳『佐藤さん?』



雅「至急、華ちゃんを迎えに学校に来て下さ〜い!そうじゃなきゃ……襲っちゃうよ?」



……カブッ


(華の手を口にくわえる雅)



華「ふぎゃあぁっ!!??」



……ピッ


(華の叫び声と共に、携帯を切る雅)




ツーッ…ツーッ…


淳「華…ちゃん?なんだかよくわかんないけど、嫌な予感が…」



(急いで学校に向かう準備をする淳)




――――――――――

その頃、華は…



華「ふぎぃーー!!」


(ハンカチで何度も手を拭く華)



雅「失礼しちゃう。ちゃんと歯は磨いてるっつーの!」



華「そうゆう問題じゃないっ!」



雅「涙も枯れるほど衝撃的だった?」



華「あ…」



雅「…ったく。泣き虫だなぁ。お前」



華「うっ…、油断しただけだもん!」



雅「…プッ。何にだよ?」



華「……」



雅「なに?急に黙って」



華「…うん、雅ちゃんは何でまだ女の子のフリ、してるのかなって」



雅「……」



華「玲を騙すためにそんな格好、してたんだよね?ならもう…」



雅「何で誰も気付かねーのかな。俺が男だってこと」



華「え?」



雅「クラスの奴とか全然疑わねーし、バレたらバレたでいーと思ってた。なのに…」



華「正直に話してみるのはどうかな?誰も雅ちゃんが男の子だって気付かないのは、綺麗だからだよ」



雅「…は?」



華「雅ちゃんが男の子だってわかったら、皆驚くだろうけど、納得すると思うな。クラスの子達、全員が雅ちゃんのファンになったりして!」



雅「…やっぱ俺は女がいい」



華「どうして?」



雅「女でさえいれば、華とイチャイチャしてても、池本くんに怒られないもんね?」



……ぎゅっ


(華に抱き着く雅)



華「ふぎ!?」



……ドカッ


(雅を押し倒す華)



雅「…バカ力」



華「ごめんなさい…」



――――――――――

その頃、屋上にいた圭と田奈は…



圭「そろそろ帰ろっかなー」



田奈「あ、生徒会室…」



圭「へ?」



田奈「生徒会室に書類を届ける途中でした。ついうっかりしてました」



圭「はい、貸して」


(田奈から書類を取り上げる圭)



田奈「あ」



圭「俺がいっちょ届けてくるから、田奈さんは帰っててい〜よ〜」



……バタバタッ


(屋上から出て階段を駆け降りる圭)



田奈「そんなっ!?わたしが行きまっ――」



……コケッ


(延長コードに足を引っ掛け、階段から落ちそうになる田奈)



田奈(し…死ぬ!?)



圭「――っ!!」




………ドタッ



田奈「……」



圭「……」



田奈(あ…あれ?死んでない?)



圭「重…」



田奈「なっ、なぜ堤之原さんが私の下敷きに!?」



圭「大丈夫だった?もう延長コードに足、引っ掛けちゃダメだよ?」



田奈「……」ドキッ



圭「あ〜書類、ぐっちゃぐちゃ!すげぇことになってるよ〜」



田奈「……ドキ?」



圭「え?土器?」



田奈「…ハッ!しょしょ書類は私が自分でとっ…届けまして(?)さよならっ!!」


(書類だけ奪って逃走する田奈)



圭「…変なの」




田奈(そんな馬鹿なそんな馬鹿なそんな馬鹿がっ…!?)



……ピタ


(急に立ち止まる田奈)



田奈(私が…堤之原さんを好き――…!?)




…その頃、淳は学校に到着し、華を探し回っていた。



淳(教室にいない…。とりあえず携帯に電話を…)



華「淳くん」



淳「華ちゃん!よかった…。突然、叫び声が聞こえたから何かあったんじゃないかって心配した」



華「どうして来てくれたの?」



淳「え?」



華「夏休みなのに、わざわざ学校まで呼んだりして…迷惑だよね?ごめんね、わがまま言ってごめんね…」



淳「そうゆうこと、言うなよ」



華「え…」



淳「華ちゃんに会いたいから来たんだよ。迷惑とか…全然思ったことなんかない」



華「本当に…?」



淳「本当に本当」



華「っ…」


(泣き出す華)



淳「華ちゃん?どうして泣いて…」



華「淳くん、ありがとう。嬉しいんだ…。わたし」



淳「じゃあ、泣かないで」


(華の涙を拭う淳)



淳くんの優しさに、わたしは涙が溢れて仕方がなかった。






〜心、乱れて〜 完。



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