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とろけるCheese  作者: KoKoRo
94/156

Cheese94〜音色に誘われて〜

三回目の補習が終わった直後、わたしは急に、頭がボーっとなってしまった。



………ぼへぇ〜



田奈「立川さん…?」



華「……はい?」



田奈「なんだか具合、悪そうです…。早めに帰って休んだ方がいいですよ?」



華「うん、そうだね…。じゃあ、そろそろ帰ろうかな…」



田奈「気をつけて帰って下さいね」



華「うん。ありがとう」



………ヨロヨロ


(ちどり足で図書室を出る華)



田奈(大丈夫かな…)



――図書室を出た華は…



華(あれれ〜?世界が回ってる〜?おかしいな…)




………ヨレヨレ


(壁にぶつかりそうになる華)



華(……おっとっと。危ない危ない。…あれ…れ?頭が…重い…)



…………フラッ


(倒れそうになる華)




…………ガシッ


(倒れかけた華を誰かが捕まえる)



華「――――」



??「立川さん…?しっかり!立川さん!!」



華(あ…れ…?この声、聞いたことある…。優しい声……)







――――――――――



………ガラガラッ


(保健室の扉を開ける)



華「―――」



………トサッ


(ゆっくりと華をベットに降ろす)



野高「………」



華「―――」



野高「立川さん、寝てるよね」



華「―――」



野高「………」



(野高はゆっくりと華の手を握った)



野高「こうゆうの……チャンスって言うのかな…」



華「―――」



野高「本当は怖かったんだ。自分の気持ちを伝えるのが…」



華(…………誰?)



野高「このまま伝えないでおこうって考えた」



華(野高…先輩の…声……?)



野高「でも俺は……」



(華の手を強く握る)



華(!)



野高「俺はずっと、君が好きだった……」



華(―――え?)




………ガタッ



野高「!」



田中先生「ごめんなさい…。聞くつもりはなくて……」



野高「失礼します」




(保健室から出る野高)



田中先生「待って!野高くん!?」




華「………」



田中先生「立川さん…あなた、起きてたの?」



華「………」



田中先生「…ごめんなさいね。こんなこと、本当に聞くつもりなかったのよ…」



華「わたしも……」



田中先生「?」



華「わたしも聞くつもりなんて全然なかった。野高先輩の気持ち、ぜんぜんっ……知らなかった……」



田中先生「立川さん…」



華「ごめんなさい。わたし、帰ります」




…………ダッ


(走って保健室を出る華)



田中先生「……どうしてかしら…。胸がズキズキ痛むのは……」







――――――――――

その頃、図書室では…



田奈(よし!風紀委員会活動報告書、見事に完成!!早速、生徒会室に……)




―――♪♪♪………



(図書室の窓から音が流れ込む)



田奈「……なんだろう?この音…」



…………ガタッ


(田奈は席を立ち、図書室を出た)



田奈(こっちから聞こえる…)



(音のする方へ歩き出す田奈)




…………♪………♪♪



田奈(上……から?)



(音色を辿り、屋上の扉の前で立ち止まる田奈)



田奈ここからだ…



…………ガチャ


(扉を開ける)



田奈「!」



圭「………」



(ベースを弾く圭)



田奈「堤之原…さん?」



圭「――うわっ!?びっくりした!田奈さんじゃん」



田奈「すごいです!!今の、堤之原さんが弾いてたんですよね?深みがあっていい音…。感動しました!!」



圭「言い過ぎ!誉め慣れてないから照れちゃうよ」



田奈「それ、ギターですよね?もっとうるさい楽器かと思ってたんですけど、違うんですね」



圭「あ〜、これベースね。ギターはもっと高い音出すけど、ベースは低い音担当」



田奈「ベース…?」



圭「なんなら近くで見る?」



田奈「はいっ!是非……ひぎゃっ!?」



(突然コケる田奈)



圭「え?今、なんでコケたの?」



田奈「あ…足にコードがっ……」



圭「あ、ごめん。延長コードっすね…。それ」



田奈「イタタタ……」



圭「大丈夫?手、貸そっか?」



田奈「!?なんですか!?このでっかいマメは……」



(圭の手を掴む田奈)



圭「!?」



…………バッ


(手を振りほどく圭)



圭「ごめん…。俺、女慣れもしてない…」


(顔が真っ赤になる)



田奈「……」



(つられて赤くなる田奈)




――――――――――


その頃、華は…



華「………」


(あてもなく校内を歩く華)



――――♪



華(音…?)



―――♪―♪♪―♪



華(ピアノの音…。音楽室から…?)



(音楽室に向かう華)



―――音楽室にて



華「………」


(扉を開ける)



雅「………」


(ピアノを弾く雅)



華「雅ちゃん!」



雅「あら、華ちゃん。久しぶり」



華「どうして学校に…?」



雅「ピアノ弾きに来た。家にないからね」



華「そっか…」



雅「もしかして補習?おつか……れ…?」



華「……っ」


(泣き出す華)



雅「ちょっ…、なんで泣くわけ?」



華「うっ……ぅ…」




訳もわからず、わたしはその場で泣き崩れてしまった。







〜音色に誘われて〜

完。



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