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とろけるCheese  作者: KoKoRo
86/156

Cheese86〜君を愛してた〜

補習一日目を終えた放課後、わたしは図書室で淳くんを待った。




華(早く会いたいなぁ……)



圭「さーてと!お邪魔しちゃ悪いから帰ろっかな〜?」



田奈「誰と誰の邪魔ですか?」



圭「薄井さんと山田さんの☆」



華「へ?」



田奈「えぇえーーーー!!??」



薄井「堤之原っパラッパー!妙な言い方をするんじゃないっ!?」



圭「なにそのあだ名!?すげぇ感動した!!」



山田「感動ポイントが違うだろ?つーか、金髪くんだけはお断り。」



薄井「僕はホモじゃないっ!ホモサピエンスだーーー!!(?)」



圭「はいはい!じゃあ、皆さん。帰りましょ〜!」



(華以外の人を図書室から追い出す圭)



圭「じゃあね。たっちゃん!」



華(もしかして…気を使ってくれた?)



華「ありがとう!堤之原くん!!」



圭「圭でいーってば!それじゃあ、また明日〜♪」



華「うん!また…明……日?」



華(そうだ!?明日も補習なんだーー!?)







それからしばらく図書室にいると、遠くの方で誰かが走ってくる足音が聞こえた。





……ガラガラガラッ




淳「ごめん!!遅くなって!!」



華「……!」



淳「待たせてごめんね。……華ちゃん?」



華「……あ。ごめんっ!本当に来てくれたんだなぁって思って…」



淳「華ちゃんの為なら何処へだって飛んでいくよ?」



華「淳くん…。ありがとう」



淳「帰ろっか」



華「うんっ!」





図書室から出て、淳くんと二人、誰もいない校舎の中を歩いた。本当は手を繋ぎたかったけれど、そんな勇気はまだなくて………



今は話しているだけで十分、幸せだった。







――その頃、薄井は…



薄井「あ〜、もしもし?メダカー!!応答せよ〜」


(野高に電話する薄井)



野高『なんだよ…?薄井……。俺に何か用?』



薄井「今から学校に来なさい!僕を一人で帰らせるつもりか!?」



野高『知らないよ!?なんで俺が薄井を迎えに行かなきゃならないんだよ!?』



薄井「ホモサピエンス同士、仲良くしようではないか!」



野高『………は?』








―――その頃、華と淳は自転車に二人で乗り、帰り道を駆け抜けていた。




淳「華ちゃーーん!坂道だからスピード出るけどいいー―?」



華「う、うん!」




……………ガシッ


(淳の服の端を掴む華)



淳「じゃあ、行くよーー!」




(坂道を駆け降りる自転車)



華「ひゃっ!!」



………ギュ


(思わず淳に抱きつく華)



淳「!」



華「ごめんなさいっっ!!」



淳「……しっかりつかまってていいよ」



華「………」



…………ギュッ


(淳につかまる華)



………






―――こんなに幸せでいいのかな?



好きな人と一緒に帰って、同じ自転車に乗って、あったかい背中に触れて……






ずっと……




夢みてたことが、今叶ってる。




生きていてよかった。




淳くんに会えて…よかった。









―――その頃、野高は学校に到着していた。



薄井「おぉ〜!ホモサピエンス!こっちだ!こっち〜!」



野高「よりによって何で夏休みに呼び出すんだよ!?しかも学校!!」



薄井「報告がある。」



野高「何?」



薄井「花子がジュンジュンと付き合いだした。」



野高「………え?」




薄井「それだけだ」



野高「ちょっと待てよ!?それだけ言うために俺を呼んだのか!?」



薄井「そうだよ?」



野高「そんなのってあるかよっ……!?」



薄井「知らないままの方がもっと辛いだろ?」



野高「!!」



薄井「トロトロしてるからこんなことになるんだよ」



野高「……知ってたのか?」



薄井「優をみてればわかるよ。隠したってすぐわかる。」



野高「……立川さんが池本くんを好きなら、俺は何もできない。」



薄井「奪えばいいじゃないか?僕から春を奪ったみたく――…」



野高「――っ!!」





…………ガッッ


(薄井を殴る野高)





野高「春さんは………俺と会う以前にお前のことが好きだったじゃないか!?」



薄井「………」



野高「ずっと黙ってたけど……お前と春さんがキスしてたのをみたんだよっ……!」



薄井「!?」



野高「なんで……なんでお前はいつも自分のこと隠すんだよ?お前だって春さんのこと、好きだったんだろ!?」



薄井「……ああ。好きだったよ。血のつながりなんて信じたくないぐらい愛してたよ!!それを優が……お前が奪ったんだろ…?」



野高「今頃になって言うな……。なんでもっと早く言わないんだよ……」



薄井「僕じゃないから…。春は優を選んだんだ。」



野高「………」






薄井の口元から血が流れていた。




――――殴ったことを後悔している自分の半端な優しさに腹が立った……









〜君を愛してた〜

完。



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