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とろけるCheese  作者: KoKoRo
83/156

Cheese83〜届ける気持ち〜

海岸を走り回って彼女を探した。

だけど見つからない。見つけることができない。だがその時、目の前に一人の海水浴客が立っていた。



客「ああ、やっぱりそうだ。君だ。君だ。赤いボンボンの子、探してたよね?」



池本「そうですけど…、よくわかりましたね。俺があなたに聞いたのはもうずいぶん前なのに…」



客「ギターだよ」



池本「え?」



客「海に来てギター担いで走り回ってるのは君ぐらいだよ?」



池本「あ…」



客「それより、赤いボンボンの子を見掛けたよ。」



池本「本当ですか!?」



客「ああ。この先を真っ直ぐ。真っ直ぐ走れば彼女に会えるよ。」



池本「ありがとうございます!」





俺は真っ直ぐに海岸沿いを走った。









―――その頃、華は…



華(みんな、何処にいるの??このまま合流できなかったらどうしようっ……)




………ウロウロ


(海岸を見渡しながら歩き回る華)



華(やっぱりいない……。ど、どうしよう……!!)






―――――同じ頃、学校では心配になった龍、玲、雅、圭が集まっていた。




圭「淳ちゃんの携帯、繋がらないんですけど?絶っ対、電池切らしてるよー!!」



雅「ってゆーか、あの二人は会えたわけ?出来れば行き違えててほしいわ〜♪なんて」



龍「立川に電話すりゃあいいだけの話しだろーが?おい、伊藤。お前、ちょっとアイツの携帯に電話しろよ」



玲「………知らないのよ……。華の番号…。」



龍「はぁ?お前、それでダチやってたのかよ!?」



玲「一回聞いたんだけど、タイミング合わなかったのよ!あんたのせいよ!!龍!」



龍「俺は関係ねぇだろが」



雅「華ちゃんの家の番号なら知ってるけど?ほら。連絡網!」



圭「家に掛けても意味なくない?」



龍「いや、待て!弟…アイツの弟に聞き出しゃいい!」








―――華の自宅にて。



〜〜ピルルルル♪


(電話が鳴る)




母「葵ー!今ちょっと手が離せないから電話に出てくれるー?」



葵「あーいよっと!」



…………ガチャッ


(電話に出る葵)



葵「もしもしー?立川でーす」



龍『よっしゃ!グッドタイミングじゃねーか!お前、立川の弟だよな?』



葵「そうですけど…、どちら様?」



龍『お前の姉ちゃんと同じクラスの鈴木だよ。前に一回、商店街で会っただろ?』



葵「あぁ〜!香水の兄ちゃんか!姉ちゃん、今居ませんけど?」



龍『お前に用事があるんだよ。姉ちゃんの携帯番号、教えてくれねーか?』



葵「携帯番号…?」









――――その後、葵から華の携帯番号を聞き出し、龍が電話を掛けた。








ヴゥーッ…ヴゥーッ…


(華の携帯が鳴る)



華(知らない番号…。誰からだろう…?)




華「はい。もしもー…」



龍『たちかわぁぁ!!』



華「ひぃぃ!?」



龍『お前、今何処にいる!?』



華「海…。長浜海岸にちゃんといるよ!皆、何処にいるの!?」



玲『…ちょっと貸しなさいよ!華!!一人なの!?誰か傍にいない!?』



華「玲ー!!誰もいないよっ…!雅ちゃんはそっちにいるの?」



雅『ハロ〜☆華ちゃん!寂しさのあまり、泣いてな〜い?』



華「もっ…もしかして私だけ皆と合流できてない!?」



龍『…電話貸せ!俺の携帯だ!おい、立川!お前、ぜってぇそこにいろよ!?わかったな!!』



華「はいっ!」



圭『…俺もたっちゃんと話したい!代わって代わって!もっしもーし。たっちゃん?』



華「その声は……堤之原くん!?」



圭『ピンポーン!大正解!ちなみにたっちゃんは今、海岸のどの辺に……』




圭「!」



龍「…おい、どうした?」



圭「……電話切れた」



玲「なんですってーー!?」



圭「淳ちゃんなら大丈夫だよ。絶対にたっちゃん、みつけるよ」



雅「そんなのわかんないじゃない」



圭「わかるよ。だって今、電話から淳ちゃんの声が聞こえたもん」



龍「!」



玲「それって、つまり…」



圭「たぶん、びっくりして携帯落としちゃったんだと思うよ。たっちゃん」










――――――――――




池本「立川さん!!」




華「池…本……くん?」





――――カチャンッ


(携帯を落とす華)




華「どうしてここに……?」



池本「会いにきた。俺が立川さんに会いたくてここにきた。」



華「!!」




―――これは夢だよ…。



―――大好きな池本くんが私の目の前にいるなんて、そんな都合のいいことあるわけないよ……。




池本「今からギター弾いて歌うから聞いてくれる?」



華「………え?」



池本「立川さんにだけ聞いてほしい。」




華「……」コクッ



私は大きく頷いた。




池本「…ありがとう」




俺はギターを持って、大きく深呼吸をした。


池本「俺の気持ち、隠さず君に伝えます」




―――君が例え、他の誰かを想っていても…




俺はもう、迷わない。







〜届ける気持ち〜

完。



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