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とろけるCheese  作者: KoKoRo
81/156

Cheese81〜淡いヤキモチ〜

高橋先生から、夏休みの補習日程表を貰った。

補習を受ける生徒は全学年合わせて5人しかいないらしい…。




華(わたしって、相当なバカ…?)




高橋先生「うちのクラスから二人も補習者が出るとはな…。これは先生の責任だ!!許してくれっ…!」



(涙ぐむ高橋)




華「あの…、わたし以外にも補習を受ける人がいるんですか?」



高橋先生「ああ…。堤之原も補習組だ。言ってなかったか?」



華「えぇ!?聞いてませんっ!!」



高橋先生「まぁ、堤之原は転校してきたばかりだから仕方ないが…、次のテストは頑張るんだぞ!?立川!!」



華「はいっ!!」









―――その後、休み時間となった。




玲「ねぇ!海に行くのはいつにする?」



雅「華ちゃんの補習がない日にしないとねぇ」



龍「つーか、明日終業式だろ?明日行かね?終わったら直行。」



玲「龍にしてはなかなかいい案ね!夏休みに入ったら人多いだろうし、明日にしよっか!」



雅「さんせ〜!華ちゃんは大丈夫?」



華「うん!平気だよ!」



玲「じゃあ、決まりね♪」



華(そっか…。明日になったらもう、夏休みかぁ…)





―――池本くんに、しばらく会えなくなるんだ……。








池本「は?お前、補習だったの?」



圭「うん。ごめんね?黙ってて」



池本「…なんで黙ってたんだよ?」



圭「だぁーって、言ったら淳ちゃん怒るじゃん」



池本「なんで…?」



圭「べっつに〜?」



池本「………」









―――その日の放課後、わたしはCheese同好会に参加すべく、写真部室に向かおうとしていた。




華「じゃあ、皆バイバイ!」



玲&雅&龍「ばいびー」




玲「さぁーってと!私も部活に行こっかな」



龍「待て。お前らに話しがある」



雅「聞きたくなーい」



玲「同感。」



龍「海には立川だけ行かせる」



玲「はぁ!?何いってんのよ?あんた、馬鹿?」



雅「皆と行くって約束したじゃん。今さら何を…」



玲「……まさか、池本?」



雅「へ?」



龍「ビンゴ。俺だけ気付いてたわけじゃなかったな。さすが友達?」



玲「華ってわかりやすいのよ…。今日だってずっと池本のこと見てた」



雅「!」



龍「俺達の代わりに池本が海に行きゃあいい。つーか俺の勘だけど、池本も立川のこと…」



雅「なんか聞きたくないんですけど!?」



玲「佐藤さん?」



雅「華ちゃんと池本くんが何だって言うわけ?海に行くことと関係ないじゃん!」



玲「それは……」



龍「佐藤。お前、立川のこと好きだろ?」



雅「普通に好きだよ。……でも、どう好きかわからない」



龍「池本と立川がくっつくのが嫌だ…ってか?」



雅「池本くんが華ちゃんを好きかどうかなんてわかんねーだろ!?お前が振った時みたく、傷ついてほしくねぇんだよ!」



龍「!」



玲「………」



雅「泣き顔なんてもう見たくねぇんだよ……」



龍「あいつは…」



雅「………」



龍「池本は立川を泣かせるような奴じゃねぇ。俺が最低だっただけだ」



玲「龍……」



雅「ちょっと考えさせて」




そう言い残して、雅は教室を出た。




龍「……んだよ。あいつは…」



玲「シンプルでいいんじゃない?ただの嫉妬でしょ?」



龍「のん気な奴…」



玲「華が羨ましいわ〜。こーんないい友達をもって!」



龍「自分で言うなよ…。ばーか」



玲「あらー?そう思わない?」



龍「……ま。思うけどな」




龍は席から離れ、窓の方へ行き、グラウンドを見つめた。



玲「ねぇ、あんたもう…サッカーやらないの?」



龍「……やんねぇよ。たりぃしな」



玲「…そう…」








――――そして翌日。



高橋先生「え〜、最後なので長く話しをするつもりはないが、明日から知っての通り夏休みだ!長い休みだからと言って、遅くまで遊んだり、夜更かししたり、朝寝坊したり、怪我をしたり、溺れたり、事件に巻き込まれたり、深い男女交際をしたりしないように!」



龍(深い男女交際って何だよ…)



圭「先生〜!4番目にしちゃいけないことってなんでしたっけ?」



高橋先生「え?だからー…『溺れたりしないように』だ!」



圭「ブーッ!『怪我をしないように』でした〜♪」



高橋先生「わかってるなら聞くなーー!!」



池本(自分で言ったことくらい覚えろーー!?)




華「……」じっ



(池本を見つめる華)


華(今日で最後だからたくさん見ておかなくちゃ。でも……寂しくなるな…)



龍(…わかりやすい女)



池本「………」



(ふと振り返り、華の方を見る池本)



華「!!」



池本「!」




…………バチッ


(目が合う二人)



華(わわっ!!)



(池本から目を反らす華)



龍「どーした?立川。顔が真っ赤だぞ?」



華「へっ!?そんなことないよ!普通…だよ」



龍「あっそ」



華(池本くんに告白できたらいいのにな…。でも、きっと振られる…。もうあんな思いをするのは嫌だよ…)





わたしはこの時、まだ何も知らなかった。




みんなが考えていることも、これから起こる出来事も………









〜淡いヤキモチ〜 完。



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