Cheese8〜のんびり屋 優〜
Cheese同好会…それはわたしが通っている高校の先輩が勝手につくった同好会。
そんな謎の同好会には絶っっっ対に入らないと心に決めていたのに………
薄井「…さてと、Cheese同好会の初日はこのカフェでコーヒーでもすすりながら始めるとしよう!」
華「先輩っ!!それどころじゃありません!野高先輩が倒れたままです!?」
薄井「おぉ!そうだった!優?平気か〜?」
野高「大丈夫じゃないよ…。俺がチーズ嫌いだって知ってるよね!?」
華「チーズが嫌い!?あんなに美味しいのになぁ…」
薄井「コイツは味覚オンチだ。気にするな」
野高「悪かったな。チーズが食えなくて」
山田「ところで野高く〜ん?今日こそバイト、出てくれるんだろうねぇ?」
野高「……はい。今日は出ます……」
華「ここでバイトしてるんですか!?野高先輩」
野高「うん…。でもどうしても部活に出たくてサボってたんだけどね…」
薄井「写真撮るだけなのに部活と気取るお前が憎いっっ!!」
野高「なんで…?写真撮るだけで俺を憎む意味がわからない…」
玲「あーのー!!しつもーんっ」
薄井「誰だ?君は!?」
玲「こっちとしてはあなた達が誰と聞きたいんですけど?」
華「あっ、あのね!?こっちにいるのが美化委員会の委員長さんで濃…薄井先輩。」
薄井「香水先輩とは誰のことだい?花子」
華「それからー……、あっちにいるのが同じく美化委員会の野高先輩。」
薄井「無視をするな!無視を!!」
玲「委員会の先輩…か。美化委員会って変わった人が多いの?」
野高「変わってるのはそこの人だけだよ」
薄井「こらぁぁ!!メダカのくせに僕をけなすとは何事だっ!?」
野高「さてと…。制服じゃバイト出来ないから着替えてこようかな。えぇーっと、立川さんとー…」
玲「…伊藤です」
野高「伊藤さん。うん、覚えた。二人ともゆっくりしていってね」
玲「……なんかあの人、モテそうね」
華「え!?」
薄井「あんな奴より僕のほうがモテるに決まっている!!常識だ」
山田「なんでそこで妙な意地を張るかねぇ?モテないだろ?金髪くん」
薄井「おっさんに言われる筋合いはない!」
玲「ぷっ…おっさん?」
山田「オッサン!?俺はまだ大学生だっ」
野高「自称大学生…ですよね?」
山田「……何か文句でもおありで?」
野高「いいえ」
薄井「優!喉が渇いた!コーヒーを頼むぞ」
野高「はいはい」
華(わたしも野高先輩にコーヒーを入れてもらいたいなぁ…)
山田「立川さん、カプチーノでも飲む?」
華「あっ…、はい」
玲「華にだけ入れるんですか〜?山さん?」
山田「あれれ?玲ちゃんヤキモチ?」
玲「…ありえません」
山田「………」
野高「はい。コーヒー」
薄井「ああ、悪いね」
…ドボドボドボッ……薄井 翔は砂糖、そしてシロップを大量にコーヒーに流し入れていた…………。
山田「ねぇ…それ、甘くしすぎじゃない?」
野高「みてるだけでお腹痛いよ……」
薄井「……苦いのは嫌いなんだよ。」
山田「ま、いいや。はいよ〜カプチーノできあがり」
華「ありがとうございます!!」
玲「ども!山さん」
野高「……あ」
…………ガタッ………急に店の外に出る野高。
山田「…って、おい!野高!仕事中だぞ?」
薄井「気にするな。いつものことだ」
玲「う〜ん!やっぱここのコーヒーは最高♪ねっ?華!」
華「………。」
玲「華……?」
外に出た野高は……
………………カシャッ
ポケットからカメラを出し、夕日を撮影していた。
野高「今日も綺麗な夕焼けだな…」
薄井「……時々ああやってぼ〜っと夕焼けの空を撮ってるんだ。まったく、メダカの行動は理解不能だね」
華「………。」
山田「立川さん、カプチーノどう?」
華「はい…。おいしいです」
山田「そう?よかった」
華「……。」
夕焼けをみつめる野高先輩の後ろ姿が……なんだかとてもかっこよくみえて……
心が暖かくなりました。
〜のんびり屋 優〜
完。
最後まで読んで下さりありがとうございます。
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