Cheese77〜気づく男達〜
期末テスト二日目。わたしはこの日のテストもボロボロだった…。
なぜだか頭がぼーっとして、勉強がはかどらなかった。
昨日の……
池本くんから逃げて、教室を出た時から……
雅「華ちゃん!!!」
華「……ふぇ?」
雅「何回呼び掛けても返事が返ってこないから、あたしのこと嫌いになったんじゃないかって……うぅっ……心配したのよ……?」
龍「キモいんだよ。オカマ」
雅「あらいやだぁ?鈴木くんこそ、そのどす黒いくまがキモいのなんのって!昨日、相当必死に勉強してらしたのねぇ?」
龍「………」
雅「………」
が、、、次の瞬間、
ブォーーー
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ン : :
龍&雅「うっせぇ!!!」
圭「…すんません。」
華(気のせいだろうか……)
池本「お前、もうちょっと音の出し方考えろよ」
圭「え〜?やっぱさぁ、淳ちゃんのギターと合わせないと無理じゃん?ベースって」
池本「淳ちゃんって何だよ…」
華(堤之原くんの音が少しだけ……良くなった…?)
池本「お前、本当うざい」
圭「ひっでぇ!うざいって何だよー!?」
華(池本くんのおかげなのかな…?)
雅「華ちゃ〜ん?お〜い?」
華「……」ぼへぇ〜
雅「やっぱり…あたしの事、嫌いになったんじゃ!?」
龍「………」
…………つねっ
(華のほっぺをつねる龍)
華「い゛っ!?いだぃっっ…」
龍「お前……」
華「?」
…………ドドドドッ
(玲が前方から突進)
玲「りゅぅぅぅううーーーーーー!!??その手を離しなさいよぉぉおおっっ!?」
………ドゴォッッ
(龍に向かって回転跳び膝蹴り炸裂)
龍「ゲホッ!?」
(直撃)
玲「華!!大丈夫!?痛くない!?」
華「い…痛いけど…、鈴木くんの方が痛そうだよ…?」
玲「いいのよ!コイツはほっといて!それより華は大丈夫なの!?」
華「うん…。平気だよ」
玲「よかった…」
龍「……よくねぇ」
玲「あんたねぇ?なんで急に華のほっぺ、つねるのよ!?」
龍「……別に?コイツが佐藤の話聞かずにぼーとしてたからだよ」
華「ごっ、ごめん…。雅ちゃん…」
雅「いいわん♪そんな小さなこと許したげる…っていいたいけどぉ、私と一緒に海に行かないと許さない!」
龍「は?意味わかんね」
玲「いいわねぇ!海!皆で一緒に行かない?テストが終わったら暇になるし!」
雅「え?私は華ちゃんと一緒に……」
龍「いいんじゃね?俺は賛成」
華「うん!皆で行こう?」
雅「……はは。皆でね…」
――――翌日、期末試験最終日となるこの日も手応えのないまま、わたしはテストを終えた。
華&池本「……はぁ」
池本「……え?」
華「……あ」
池本「はは、立川さんもテストできなかったとか?」
華「うん、全然…」
池本「そっか。じゃあ、俺と一緒だ」
華「……池本くんはギターの練習、いっぱいしてたからだよ」
池本「ごもっとも。ギターのことしか考えてないから駄目なんだよなぁ」
華「………」
………ドタドタッ
(前方から圭が走りながらやってくる)
圭「淳ちゃーーん!!テスト全部終わったから、ベース俺に教えて〜?」
池本「俺、ベース専門外だから自力でやれよ。めんどくさい」
圭「つーかさ、淳ちゃん、ドラム探さないの?」
池本「ドラムかー。そうなんだよな。ドラムがいたらなんとかバンドが組めるんだけどな」
華「………」
『いつかバンド組んでデビューしたい』
その時なぜか、七夕の夜に聞いた池本くんの言葉が脳裏に浮かんだ。
池本くんは今、夢に向かって一生懸命に頑張っている。
でも……
わたしは………?
圭「えぇ〜と、そこの……立川さんだっけ?たっちゃんでいいや。たっちゃんに俺達の音聴いてもらおーよ!」
池本「勝手にあだ名を付けるなよ!?ごめんね、立川さん。コイツ、馬鹿で…」
華「………」
池本「…立川さん?」
華「ごめんなさい。わたし、用事がっ…」
…………ガタッ
(席を立ち、教室を出る華)
池本「――――」
圭「……淳ちゃん?」
龍
―――なぁ、立川
ぐだぐだ悩む前に、もっとシンプルでもいいんじゃね?
〜気づく男達〜 完。