Cheese72〜水泳教室?〜
ムシムシとした体育館の扉前までやって来た。
玲「このくそ暑い体育館の中でバスケ!?…信じられない」
雅「さてと」
(体育館の扉に近づく雅)
華「雅ちゃん!まだ授業、終わってないよ?」
雅「すぅ〜〜はぁ〜〜…、男子のみなさーーん!頑張ってくださーーい♪」
玲「このバカ…」
男子A「おぉ〜!佐藤さんが俺に向かってエールを送ってるよ…。マジ、かわいーー!!」
男子B「馬鹿。お前じゃねぇよ!俺だよ!今、目が合ったし」
龍(この馬鹿軍団が…)
池本「鈴木〜!よそ見してっと、取っちゃうよ?」
………ダンッ
(鈴木からボールを奪う池本)
龍「…チッ、うぜぇぞ!?池本!!」
玲「お〜お〜、龍もイヤホン外して頑張ってるわね〜」
華(池本くんが眼鏡を外してる…。なんかイメージ違うなぁ…)
龍「池本、待てコラ!?」
池本「いやだね!このままシュートッ…」
………ガツンッ
(入らない)
池本「……あら?」
キーンコーンカーンコーン……
龍「…ぷっ」
池本「笑うな!?」
こうして1年C組男子の暑苦しい体育の授業は終わった…。
――そして4時間目。2年A組男子のプールの授業が始まった。
鎌倉先生「え〜、今日は全員の泳ぎをみるぞ〜!…ん?人数が足りないような…」
坪井「先生〜!あそこに二人ほど、水着のまま体育座りしてる人がいま〜す!」
薄井「余計なことを言うんじゃないっ!?ツボーキサイト!!」
野高「なんで薄井もここにいるんだよ…?」
薄井「なんでって…あはは〜?失敬だな!?誰がカナヅチだ!?」
野高「そんなこと言ってないだろ!?」
先生「お前らーー!!泳ぐ気あるのかー!?」
薄井「あるよ〜ん♪でも今日は泳ぐ気がしないのだ〜♪」
坪井「あはは!まさか二人揃って『カナヅチ』なわけないっすよね〜?」
薄井「……」
野高「……」
男子C「ほら!薄井立てよ〜?いつもの元気はどーしたよ?」
(薄井を引っ張る)
男子D「野高も立てよな〜!」
(野高を引っ張る)
男子C&D「……そのままプールに落ちやがれ!」
………ドンッ
(薄井と野高に体当たり)
薄井「ばっ…!?」
野高「なっ…!?」
………バシャーーンッ
(プールに落ちる二人)
野高「ゴボゴボゴボゴボ………」
薄井「助けてくれぇ〜〜!?死ぬぅうう!?」
坪井「図星かーーーー!?」
その後、プールに打ち上げられた二人は、先生とマンツーマンで顔を水につけることから始まった…。
薄井「大仏よ…、人間は水中の生き物じゃないんだから、プールに入る必要がないんじゃないのかね…?」
大仏「知るかーー!?」
進歩のないまま、授業が終わった。
―――そして放課後。
薄井「花子ーー!?」
……ガラガラッ
(華がいる教室の扉を思い切り開ける)
華「なんで来るんですかーー!?」
薄井「今日はCheese同好会、課外授業だ!!市民プールへ、レッツレッスンワンダフル☆」
龍「市民プール?」
華「嫌です!絶対行きません!!」
薄井「なぜだっ!?僕とメダカくんをカナヅチのままにさせる気かっ!?」
華「先輩……泳げないんですか?」
野高「バラしてどうする!?」
龍「はーん?そーゆーことか」
薄井「何がそーゆーことなんだ?」
龍「いいぜぇ?俺が泳ぎ方、教えてやるよ」
薄井「おお!!頼もしい味方発見☆」
龍「池本!お前も来い」
池本「………え?」
こうして、異様な顔ぶれとなるメンバーが市民プールに行くこととなった。
……市民プールにて。
薄井「おぉ!こんなところにレンタル浮輪があるぞ♪」
龍「浮輪なんてどーでもいいんだよ…。さっさと準備体操してプールに入りやがれ」
薄井「……」
野高「…というか、二人(鈴木と池本)の水着の柄がすごい派手っていうか…ハワイアン…?」
池本「言っときますけど、この水着は鈴木から借りたもので決して俺の趣味じゃありません!」
龍「んなことどーでもいーから練習やるぞ」
体操を終え、薄井と野高はそろそろとプールに足をつけて入ろうとしていた。
野高「ここのプールって足つくよね…?」
薄井「サメが来たーー!?」(サメ型の浮輪)
龍「つべこべ言ってねぇでさっさと入れ」
………ドカッ
(二人を蹴飛ばす龍)
………バシャーーンッ
薄井「ぶわっ!?殺す気か!?」
野高「足がついてよかった…」
龍「…お前ら、そこらのガキよりひどくね?」
薄井「……」じぃぃ〜
(龍の顔を見つめる薄井)
薄井「不良少年…、よく見たら速水もこみちに少し似ているね♪」
龍「……嬉しくねぇ」
池本「あ〜!確かに…」
龍「あいつが俺に似てんだろーが」
薄井「今、世の女性を敵に回したね…」
龍「いいからさっさと顔ぐらいつけろ」
………ガバッ
(薄井の頭を押す龍)
薄井「ごぼずぎが〜〜!?」
(水中から顔を出す薄井)
薄井「はぁ〜、はぁ〜…あ……?」
野高「どうしたんだよ?薄井」
薄井「コ……コンタクトが水中分離したーー!?」
野高「コンタクトなんか付けてたのか!?」
池本「なんでコンタクトしながらプールに入るんすか…?」
龍「マジかよ…」
その後、薄井のコンタクトを泳げる池本と鈴木が探すはめとなったが、みつかることはなかった…。
〜水泳教室?〜 完。