表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とろけるCheese  作者: KoKoRo
57/156

Cheese57〜COUNTDOWN〜

気がつくと日曜日が明後日に迫っていた。



朝、学校に着いて教室に入ると、鈴木くんが席に座っていた。


…挨拶はしない。



わたしが告白する前までは普通に挨拶をしてくれたのに……




華(こんなことなら…告白なんてするんじゃなかったな………)




龍「日曜、10時だかんな。忘れんなよ」



華「……うん」




でも、



全然話してくれないわけじゃない……。




それだけで充分嬉しかった。









――放課後、教室にて



池本「おーい!鈴木〜!ちょっと今日、残れるか?ギターの練習とかやんない?」



龍「あー…。暇だからやってもいい」



池本「よっしゃ!じゃあ、ちょい待ってて」


(龍の席から離れる池本)



華「…………バ」



龍「……」



華「……バイバイ。鈴木くん」



龍「…おう。じゃーな」



華(………やっぱり優しいな…。鈴木くん…)



その後、わたしは教室を出て、写真部室に向かった。







…………ドドドッ



(龍の席へと戻ってきた池本)



池本「準備万端!早速で悪いけど弾かないか!?」



龍「………池本」



池本「なに?」



龍「お前、誰かに告られたことあるか?」



池本「………え?」









――その頃、写真部室では………



華「今日は薄井先輩だけなんですか…?」



薄井「僕だけいちゃ悪いかね?メダカなら保健室でぐったりしているよ」



華「そうですか……」



薄井「今日もノリが悪いね?花子。何かあったのか?」



華「………」



薄井「僕には話せない……か」



華「……たんです」



薄井「何か言ったかい?」



華「振られたんです。わたし」



薄井「………振られた……?」



華「はい。スッパリ振られました!日曜日、最後のデートなんです!悩んでるんです。わたし。その一回きりのデートで本当に………その人を忘れられるんだろうかって……。ずっと………悩んでて………」



薄井「おい、花子……」



華「………うっ………うっ………ひっ…」



薄井「………頼むから泣かんでくれ。ほら、ハンカチ」



華「ずみまぜんっ………ズズ〜〜ッ」



薄井「鼻をかむために貸したんじゃないぞ!?涙を拭きたまえっ!」



華「ずみ……まぜ……ん……ひっく…」



薄井「……今まで相当辛かったんだろう?ここで全部出してスッキリしなさい」



華「…いい……んですかっ……?ひっく…」



薄井「いいよ」



華「うぅっ………ひえぇぇぇんっっ!!」



薄井(……おもしろいなぁ。花子は。こんなおもしろい子を振るとはなんて男だ)



華「うぇぇえぇっんぐっひっく……ひっく」



薄井(おもしろくて………可愛い子だ…)








――1年C組教室にて



池本「急だな…。告白されたことなんかないよ。……なんでそんなこと聞くんだよ?」



龍「……好きじゃない奴に告られた時、お前ならどーする?」



池本「それって……、立川さんのこと?」



龍「何で知ってんだよ?」



池本「やっぱそうか…。なんとなく感ずいてはいたけどね」



龍「…今度の日曜、あいつと動物園に行くんだよ。けど……」



池本「けど……?」



龍「俺は行かない」



池本「は?何でだよ?約束したんだろ!?立川さんと……」



龍「俺が行かなけりゃ、あいつだって諦めつくだろーが?」



池本「……なんで立川さんじゃ駄目なんだ?」



龍「前から好きな奴いるからだよ」



池本「!………なんか……かっこいいな、お前。」



龍「はぁ?」



池本「……うん、かっこいいよ。鈴木は」



龍「なんだよそれ…」



池本「いや、なんとなくだけどね」



龍「……なんかうぜぇぞ。池本」



池本「……ハハハ」









―――写真部室にて



………ガラガラッ



(保健室から帰ってきた野高が、写真部室の中へ入った)



野高「うぁ―…。痛い……」



薄井「お〜、おかえり。メダカくん」



野高「……あれ?立川さん、まだ来てないんだ?」



薄井「さっき来たよ。もう帰った」



野高「え?何で…?」



薄井「失恋したそうだよ。日曜日にその相手と動物園に行くんだそうだ。全く女って奴はわからんね。振った男とデートしに行くとは。ん?待てよ?確かその動物園で山田がパンダの着ぐるみきてバイトするんじゃなかったかな?覚えてるかい?メダ………」



…………ドタッ



(野高、転倒)



薄井「うぉっ!?どうしたぁぁ!?メダカーーーーッ!!」




野高「………なんか…………」



薄井「ん?」



野高「なんか……………………へこむなぁ…………」



薄井「まさかっ…君……」



野高「………」



薄井「そんなに日曜日にデートする花子が羨ましいのかね?」



野高「………その極端な発想が出来る、お前が羨ましいよ……」



薄井「?????」









こうして、運命の日曜日は訪れた…………。








〜COUNTDOWN〜 完。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ