Cheese54〜デビルキス〜
鈴木くんに池本くんとの仲を誤解されてしまった。
わたしはそれだけで、なぜだか心がズキズキと傷んだ。
華「………」
龍「なんだよ?立川、怒ってんのか?」
華「怒ってないよ…」
悲しいんだよ……。
龍「ならいーけど」
華「………。」
―その日の放課後…
玲「よっしゃ!部活部活〜!!」
華「はー…」
雅「またタメ息?」
玲「なんだか今日は一日中、元気ないみたいだけど…どうしたの?」
華「そんなことないよ?大丈夫!元気だよ」
玲「……そう?」
華「うんっ!」
雅「………」
―――その後―――
華(…さてと。玲も部活に行ったし、わたしも同好会に行こうかな…)
雅「華ちゃん」
華「ふえ?」
雅「今、時間ある?ちょっと音楽室来ない?」
華「………」
わたしは雅ちゃんに連れられて、音楽室にやって来た。
――――♪
(音楽室にあるピアノを鳴らす雅)
華「雅ちゃんって……確かピアノが上手だったよね」
雅「そんなにうまくねーよ。俺が子供の頃、よく弾いてただけで人よりか少しできるだけ」
華「俺…」
雅「なに?」
華「今の雅ちゃんは男の子なんだね」
雅「毎回、女やってられっかよ」
華「息抜き?」
雅「そーだよ。悪いかよ」
華「ううん。なんか変な感じがしただけ」
雅「そーか…。」
華「?」
雅「お前は俺が男だって自覚、ねぇーんだ?」
………トンッ
(壁際に華を追いやる雅)
華「………」
雅「なんで黙るの?『やめて』とか言わねぇんだ?」
華「………」
雅「じゃあするよ?」
(華に顔を近づける雅)
華「!!やめてっ……」
……バシーーンッ
(平手で思い切り叩く)
雅「いってぇ〜。叩くか?普通……」
華「ごめんなさい。顔が近くにあったもんで、つい…」
雅「ホント痛い。ヒリヒリするし」
華「本当にごめんね?大丈夫…?」
(雅の顔をのぞき込む華)
雅「……スキあり」
………ちぅ〜〜
(華の首元に口をつける)
華「いいいっ!?今っ吸った!?吸ったよね!?」
雅「吸ったなんて人聞き悪いなぁ〜…。ま、そのうち赤くなるんじゃない?」
華「……うぅ…。………悪魔」
雅「今頃気付いたの〜?デビル雅って呼んで♪」
華「そう呼ぶ!!」
雅「やめろよ。バカ。冗談だよ」
華「嫌だ!絶対そう呼ぶ!!」
雅「じゃあついでに俺のこと、もう「ちゃん」つけて呼ばなくていーよ。雅でよろしく」
華「うん。そーする。デビル雅」
雅「かわいくねぇ〜!……つーわけで。俺、帰るわ。じゃ〜な〜!華」
………ガラガラ
(音楽室を出る雅)
華(完全に馬鹿にされてる……)
この時、ふと、薄井先輩の顔が浮かんだ。
華(なんで薄井先輩の顔が浮かんだんだろう?消毒……してほしいからかな?…バンソーコー貼っておこう…)
その後、バンソーコーを貼り終えたわたしは、写真部室に向かった。
………ガラガラ
(写真部室の扉を開ける)
華「遅くなりましたー!すみません」
薄井「遅すぎだぞ!?花子!…ん?どうしたんだ?その首」
華「え!?えっと…ヤブ蚊に刺されました」
野高「ヤブ蚊…?」
薄井「ドジ子だな♪」
華
??「大変だぁああぁぁあ!!??」
突然、廊下で叫ぶ声が聞こえた…。
薄井「なんだ?僕より騒々しい奴はアレを食べさせるぞ!?」
華
野高
??「へへへ……蛇が出たあぁぁぁ!?」
華「えぇ!!??」
野高「校内に蛇…?」
薄井「頭おかしいのかね?君は」
??「本当なんですよ!?ほら!あそこに!!」
…………うにうにっ
(不気味に動く蛇)
華「びょーー!?」
薄井「おい!メダカくん!!」
野高「なに!?」
薄井「殺虫剤をよこしたまえ!!」
野高「殺虫剤で駆除できるかぁーーーっ!?」
??「早くなんとかして下さい!?」
薄井「君がなんとかしたまえ!?」
田奈「どいて下さい!?」
薄井「ゴキブリ女!?」
………ガシッ
(素手で蛇を掴み取る田奈)
華「ぶわあぁ!?」
田奈「危険物は風紀委員の方で処理します。これでもう安心ですよ!?ではわたしはこれで!」
(蛇と共に去る田奈)
薄井「嵐のような女だ…」
??「あぁ…。怖かった…」
薄井「どうでもいいが君は今回だけの登場なんだからもう帰っていいよ」
??「そんなあ!?せめて名前だけでも…」
薄井「帰りたまえ!」
??「一年の上田……もごっ!?」
(薄井に口を押さえられ、通行人??退場)
その頃、風紀委員会は……
田奈「この蛇、どうしましょう?委員長」
山田「連れてこなくていいから!」
田奈「……」
(山田に近づく田奈)
山田「蛇持ったまま俺に近づくな!?」
なぜ校内に蛇が出たのかは原因不明のままだった………。
〜デビルキス〜 完。