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とろけるCheese  作者: KoKoRo
51/156

Cheese51〜見破る子〜

高橋先生と梓さんの結婚式に山さんが突然現れた。



山さんは梓さんの手を取り、今にも教会を飛び出しそうだった。





梓「離して!?何するのっ!?」



山田「………嫌だ」



梓「どうしてこんなっ……邪魔をするの!?」



高橋「…っ!!」




高橋先生が梓さんの元へ走り出した。

それに気付いた山さんは、強引に梓さんの手を引き走り去ろうとしていた。






―――その時





薄井「山田ーー!!」




薄井が席を立ち、大声で叫んだ。






その声に反応し、高橋と山田は歩を止めた。




薄井「そんなによくあるドラマと同じことをしたいのか?」



山田「………」



薄井「好きな女の幸せを奪ってまで自分の気持ちを押し付けるつもりか!?」




山田「金髪に俺の何がわかるってんだよ…」




薄井「わからないよ。でも、お前はそれで報われるのか?」



山田「!!」




華(山さんは梓さんのことが…好きだったんだ……)




すると、高橋が山田に向かって走り出した。




高橋「……!!」




………グッ



(山田の胸倉を掴み、今にも殴りかかろうとする高橋)



山田「………」




華「先生ーー!!」



高橋「!?」



(華の声に高橋は腕を降ろした)




………ガタッ



……すると、華の隣に座っていた雅が立ち上がり、山田に向かって歩き出した。



華「雅ちゃん…?」




雅「諦めのわりぃ男だなぁ…」



梓「雅!?」



………ボカッ



(山田を蹴り倒す雅)


山田「……ゲホッ」



雅「付いてるもん付いてんだろーが?男ならとっとと諦めろ」



山田「……そんなにわりぃことかよ…」



野高「………」



山田「こんな野郎に取られて黙ってられるか!?」



華(山さん……)



梓「!!」



………バシッ



(梓は山田の頬を思い切り叩いた)



梓「こんな野郎だなんて言わないでよ……。わたしが好きになった人を悪く言わないでよっ!!」



梓の父「もうやめなさい。梓」



梓「お父さん……」



梓の父「もうわかっただろう?梓は武くんを選んだんだ。」



山田「……」



梓の父「諦めてくれるね?……山田くん」



山田「………はい……」



高橋「……さっきは殴ろうとして悪かった。梓さんは僕が守る。だからもう……こんな事しないでくれ。頼む…」




山田「………」



山田は頷くことなく、教会を出て行った。




梓の母「ほら、梓。そんな顔しないで。結婚式の続きをやりましょう?」



梓「……お母さん…」








―――その後、教会での結婚式は無事に行われた。



高橋先生と梓さんの誓いのキスを見たわたしは、感動して涙がこぼれそうになった。






―――二人の幸せを心から願いたい。―――



―――その後



薄井「結局、山田は最後の最後まで来ないか…。」



華「薄井先輩、名演説でしたよ?」



薄井「何がだい?」



華「山さんをくい止めようと、必死に叫んでいたじゃないですか!周りの人みんな、びっくりしてましたよ」



薄井「叫んだんじゃない。訴えたんだ」



華(どう違うんだろう……?)



薄井「まぁ、僕は頭がいいから薄々感づいてはいたけどね」



華「えぇ!?どの辺でですか!?」



薄井「山田が今まで大学生だと嘘を言っていた理由を考えればわかることじゃないか」



華「?それはバイトを遅くまでやって稼げるからじゃ……?」



薄井「馬鹿だね?花子。少しでも長くマスターと一緒に居られる時間を作りたかったんだよ。山田は」



華「そこまでマスターさんのことを…?」



薄井「…だろうね」



野高「おーーい!薄井ー!お前にお客さんが来てるぞーー!」



薄井「僕に会いにわざわざ教会まで来る客?一体誰……だ…」




おじさん「………」



薄井「………」



おじさん「………」



薄井「………帰る」




華「……へ?」



薄井「さらばっ!!」



??「かけ兄〜〜〜〜!!」



薄井「ひぃっ!?」



華(かっ!?かわいい!!)




薄井に向かって駆け寄る小さい女の子。



??「遊ぼ〜!かけ兄〜!」



薄井「…なんで桃を連れて来た……?おじさん…」



おじさん「旅行に行くんだ。預かってくれ。」



薄井「………」



おじさん「………」



薄井「………」



おじさん「………」



薄井「………帰る」




桃「桃も帰る〜!お父さん、きら〜い!」



おじさん「娘に嫌われた。だからしばらく預かってくれ。」



薄井「………無理。」



雅「華ちゃ〜ん!もう帰るの?今からみんなで写真撮るんだけど、一緒に写らない?」



華「雅……ちゃん」



雅「なに?どうしたの?」




桃「……この人、なんで男の子なのに女の子のかっこしてるの〜?」



雅「なっ…!?」



華「!!??」



薄井「は?」



野高「おっ…男?」



雅「あ…あはっ?いやですわ〜?わたしが男だなんて…。失礼します」




(走り去る雅)



薄井「…そんなことよりおじさん!僕は桃を預から……な!?」



野高「ああ…、さっきの人なら走って何処かに行ったよ?」



薄井「くっ…くそじじいぃぃぃぃーーー!?」




薄井 翔。

おじさんの子供、桃を一週間お預かり決定。



華(ところであの人は誰だったんだろう…?)






〜見破る子〜 完。



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