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とろけるCheese  作者: KoKoRo
50/156

Cheese50〜序曲〜

池本くんから借りたCDを家で聴いてみることにした。



華(ゴロゴロしながら聴こうかな〜…)



………パタッ



(CDをかけ、自分のベッドで横になる華)



「〜〜〜〜♪♪♪」




華「!」



「〜〜〜〜♪♪」




華「……。」カサッ



(CDの中にある歌詞カードを取出して見る)



華「………」





――――数分後……

弟の葵が一階から大きな声を出して話しかけてきた。


葵「姉ちゃーーん!母さんがご飯できたから降りてこいってさーー!」



華「もうちょっとだけ……聴いてたい」



葵「はーー?なんか言ったーー??」



華「もぉ〜〜!!すぐ行くってば!!」



「〜♪〜♪〜〜♪♪」



華(この曲の歌詞……なんだかすごく切ないな……)








―――翌日―――



バタバタバタッ



華は教室に着くやいなや、池本の席へと急いだ。



華「いいい゛っ!?池本くん!!」



池本「うわっ!びっくりした〜…。どうしたの?」



華「エルレさんの曲、聴いたよ!!ヴォーカルの人の声がすごくよかった!!それに曲もすごくよかったよ!!」



池本「…………」



華「……あれ?わたし、何か変なこと言った??」



池本「いや、そこまで良く思ってくれるとは意外だった」



華「良いものは良いよっ!!」



池本「…そっかそっか!それだけ喜んでくれたらこっちまで嬉しくなるよ。」



華「嬉しいのはわたしだよ!こんないい曲を聴いたの初めてだもん。貸してくれてありがとう。」



池本「…うん」



華「じゃあ、わたし席に戻るね」



池本「あ、うん。…わざわざどうも」



華「いえいえ!こちらこそどうも」



(池本の席から自分の席へと戻る華)




池本(やっぱり俺……立川さんのこと……)








――好きなのか……?







―――数日後―――



今日の日付は6月10日の日曜日。

高橋先生と雅ちゃんのお姉さん、梓さんの結婚式が行われる日だ。



そんな日にわたし、立川 華はというと……



華(うぅ〜〜!先生とマスターさんの結婚式……気になる〜〜!!)



……家の中でソワソワしていた。




葵「姉ちゃ〜〜ん!佐藤さんって人から電話〜〜〜!」



華「えぇ!?佐藤さんって……雅ちゃん!?」



わたしは慌てて電話に出た。



華「もしもしっ!雅ちゃん!?」



雅『どうも〜。華ちゃん、元気?今何してる〜?』



華「今、家の中でソワソワしてたよ!!だって今日はっ……」



雅『結婚式なんだけど華ちゃんも来ない?カフェ近くの教会にいるんだけど』



華「ううう嘘っ!?あのお洒落な教会で!?待ってて!!すぐ行くーー!!!」



…………ガチャンッ


(一方的に電話を切る華)



……ツー…ツー…



雅「……おかしな子」







――教会にて――



雅「遅いな…。華ちゃん……」



薄井「はな?まさか立川華のことか!?」



雅「そうですけど、どちら様ですか?」



薄井「メダカの付き人だ♪」



雅「……は?」



野高「薄井!!頼むから静かにしてくれよ!もうすぐ始まるみたいだから…」



薄井「どうせなら披露宴の方に参加したかったよ」



野高「文句いうなって…」



薄井「ところで山田はどうした?奴も誘われたんだろう?」



野高「うん。連絡したんだけど、繋がらない…」



薄井「そうか……」





その時、教会の扉が開いた。




華「し…失礼します………」(小声)



雅「華ちゃん!?こっち!こっち!」



華「雅ちゃん!!ごめんね!?着る服がなかなか決まらなくて……」



野高(!!……かわいい……)




野高「ずいぶんとめかし込んだじゃないか?花子」



華「なんでいるんですか!?それに野高先輩も……」



野高「マスターに誘われたんだ。カフェの近くだから是非って」



華「…?山さん先輩は来てないんですね」



薄井「………」





――数分後、高橋先生が現れ、牧師の前に立った。




そしてお馴染みの音楽と共に、マスターさんとマスターさんのお父さんが一緒に現れた。




雅(姉さん…。悔しいけど……綺麗だ…)



華(わたしもいつか…あの道を歩くのかなぁ……。鈴木くんと結婚……って何を考えてるんだろう!?)



野高「………」



薄井「……うるんでないかい?メダカくん」



野高「!?別にうるんでなんかないよ!」



薄井(嘘が下手な男だ……)




その後、梓さんが高橋先生と腕を組み、牧師の元までゆっくりと歩を進めた。





―――その時だった。






………ガチャン



(教会の扉が開く)



薄井「!!」



華(……え…?)




教会の扉が開き、現れたのは山田だった。




華「――――!?」




一瞬の出来事だった。



でもわたしにはスローモーションに時が流れていくような感覚に陥っていた。




山さんが前に向かって走ってゆく。





―――そして





梓さんの手を取り、逃げるように走り去ろうとしていた………。









〜序曲〜 完。



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