Cheese47〜殺人チーズ〜
我が学校の風紀委員会は、只今風紀取締強化週間を実施。最終下校時刻である6時を厳守させる活動を日々行っている。
例えば、その時刻になっても活動を続けている部活があればペナルティー(お笑い芸人ではない)1として加算される。
ペナルティーが3つ貯まった部活はしばらく活動を停止させるという厳しいルールの下、風紀委員会は活動している。
田奈「…以上で活動報告を終わります」
風紀委員長「へーえ。演劇部、今日でペナルティー2か。危ないねぇ」
田奈「ちなみにサッカー部とバスケ部は顧問の先生から了解を貰っていますからまだ残って活動中です」
風紀委員長「ご苦労さん。報告書もうかいたから帰っていーよ」
田奈「…それじゃあ、私はこれで失礼します」
この人は毎日風紀の活動に来ない。
今日だってたまたま来てるだけで、いつもはバイトだか何だかをやってサボっている。
滅多に来ないくせに来たときだけこうやって威張る。
だから私はこの人が苦手なんだ。
―――翌日―――
朝のHR前の1年C組、教室にて。
華(鈴木くん、まだ来てないや……)
学校に着いたばかりのわたし 立川 華は、朝、教室で鈴木くんが出席しているかどうかを確認することが習慣となってしまった。
華(これじゃあ、鈴木くん専門の保健係みたいだなー…)
龍「……おはよ」
華「ふぇっ!?」
勢いよく後ろを振り返ると……
龍「つーか、邪魔。お前、俺の席の前でつっ立ってんじゃねぇ」
華「おはよう……。そしてごめんなさい!!」
龍「もしかして席間違えたとか?お前は隣の席。俺はここ。」
華「わっわかってるよ!それくらい!!」
龍「ならいーけど」
華(うぅ〜…。相変わらず優しさのかけらもない……)
薄井「おはよう。花子。」
華「おはようございます………って何でいるんですか!?薄井先輩!!」
薄井「メダカが腹痛い痛い病にかかって遅刻するんだよ!?それまで一人じゃつまらないからわざわざ来たぞ♪」
龍「そこの金髪先輩」
薄井「?」
龍「俺と腕相撲で勝負してくんない?」
薄井「(?_?)」
華(顔文字で表現してるーーーー!?)
薄井「どうして僕が君のようなあからさまに不良です的な男と勝負しなきゃならんのだ?」
龍「暇つぶし」
薄井「ふーん…」
龍「どう?やる?」
薄井「…いいよ。」
薄井は腕まくりをして構えた。
龍「そうこなくちゃな」
薄井「花子!カウントしたまえ!」
華「はっ、はい!!でわいきますよ〜!せぇ〜のっ……ドンッ!」
薄井「バカーーーーー!!??」
龍「…マジやる気失くす」
華「へ?」
薄井「今のはカウントではなく、かけっこするときの掛け声だっ!?真面目にやりたまえ!」
華「すいません。でわ、あらためて……スリー、ツー、ワンッ、ゴォ〜〜!!」
薄井「ゴーじゃなくてハッスルだーー!?…ってちがあぁぁうっっ!!」
龍「普通にレディーゴーでよくね?立川」
華「ああ!なるほど!レディーゴ〜〜!!」
………ガダンッ
(あっさりと薄井敗北)
薄井「ままま待ちたまえ!?今のは不意打ちすぎやしませんかっ!?」
龍「……弱ぇ」
薄井「がびーーん」
華(今度は声に出して表現してる……)
キーンコーンカーンコーン…
(予鈴が鳴る)
華「薄井先輩!予鈴ですよ」
薄井「このような負け方をしたのは花子!!君のせいだっ!!」
華「えぇ!?」
薄井「特製ブルーチーズを今すぐ食いたまえっ!?」
(鞄からチーズを取出す薄井)
華「ヒィィィッ!?無理ですっ!絶対に無理ですっっ!」
龍「何?その黒い物体」
薄井「……食うかい?」
(龍にチーズを差し延べる薄井)
華「!?ダメーーーー!!!」
龍「………」ぱく
華「あ゛!!??」
龍「□×▼☆£◎★§∞ʼn◯※」
ガターーーンッ
(龍、転倒)
華「すっ、鈴木くん!?しっかりしてーーー!!」
薄井「むーん。品種改良が必要だな」
ぷ〜〜〜ん
(なおも異臭を放つ黒い物体)
華(殺人チーズ……)
その後、薄井先輩は倒れた鈴木くんを担いで保健室に向かったのでした……。
〜殺人チーズ〜 完。