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とろけるCheese  作者: KoKoRo
45/156

Cheese45〜Cross Heart〜

保健室で思わず泣いてしまった。


野高先輩の前でみっともないと思った。




華「ごめんなさい。急に泣いたりして……」



野高「少し元気になったみたいでよかったよ。もう大丈夫だよね?」



華「はい」



野高「じゃあ、俺行くね」



華「あっ、わたしも戻ります。ご迷惑おかけしました…」



野高「ううん、全然だよ。途中まで一緒に行こうか」



華「…はい」




華(優しいなぁ…。野高先輩……)





しばらく先輩と二人で廊下を歩いた。

わたしは少し野高先輩の後ろを歩いた。

なんにも会話はしなかった。



でも……先輩といるだけで心の傷が癒えていくように感じた。




野高「あ、予鈴鳴っちゃったね」



華「え?今、鳴りましたか?」



野高「こらこら。いつまでもぼーっとしてるなよ?」



華「ハイッ!!」



野高「じゃあ……またね」



華「色々とありがとうございました!!それじゃあ、失礼します」



野高「………。」




野高は走る華の後ろ姿をずっと見続けていた。





華の姿が見えなくなった後、野高はゆっくりと階段を上ろうとした。



??「なにやってんだ?」



野高「!薄井…」



薄井「腹の具合はよくなったのか?」



野高「横になったらすぐ治ったよ。もしかして迎えに来てくれた?」



薄井「だぁーれがメダカの迎えになんかくるものかっ!」



野高「あはは!素直じゃないな」



薄井「……ほっとけ」





その頃、華は教室に戻っていた。



玲「あっ!華!!昨日はどうしたの!?急に帰っちゃったから心配したんだからね!そうだっ!メアド教えて?じゃなきゃ連絡とれないし…」



華「玲、ごめんね。でも今は…鈴木くんに謝りたいんだ……」



玲「え?龍?」




華は恐る恐る鈴木に近づいた。



龍「立川」



華「!!??」ビクッ


龍「お前、俺に喧嘩売ってんの?」



華「〜〜〜っ!」ムッ


クラス男子「なんだ?なんだ?立川さんと鈴木が喧嘩か〜?」



クラス女子「誰か止めなよ〜」



クラス男子「そーゆうお前が止めろよ!」



クラス女子「無理だから!鈴木くんカッコイイけど怖いしー」



華「………いでよ」



龍「?」



華「人が話そうとしてるのにイヤホンなんかしないでよっ!!」



…………ガッ

華は龍の耳から無理矢理イヤホンを外した。


龍「立……川?」



華「さっきは…変なこと言ってごめんなさい」



龍「………」



華「許してください!それから…とっ、友達になってください!!」



龍「別に謝るほど怒ってねーよ。それに俺、お前のこと嫌いじゃねーし」



華「……へ?」



玲「ちょっと龍!あんた華に何かしたの!?なんで華があんたみたいなペーペー男に謝るのよ!?」



龍「誰がペーペーだよ!?ブス」



玲「あんたはあたしと喧嘩したいようねぇ…?」



華(嫌いじゃないって言ってくれて…嬉しい。いつか……わたしのことを好きになってくれたらいいな…)




池本「………」



クラス男子「なぁ!池本ー!立川さんって鈴木くんのこと好きそうじゃね?」



池本「……そうか?」



クラス男子「だって友達になって下さい!だぞ?んなこと普通言わないじゃん!ぜってぇー好きだって」



池本「……だよなぁ!俺も少しそう思ってたんだよ」



クラス男子「やっぱそうだよな〜」



池本「………」






困る……。





非常に困る………。





なんだか知らんが




………嫌だ………









そんなこんなで中間テストが始まった。

わたしは珍しく徹夜で勉強をし、テストに望んだ。


頭のいい鈴木くんに少しでも追いつきたかった。





好きな人がいるだけでこんなに頑張れるんだ。




恋ってすごい……。







中間テスト最終日の放課後、なぜか美化委員会は高橋先生に呼び出された。



華「やっとテストが終わったのになぜ委員会…?」



池本「いいじゃん。俺は久々で嬉しいけど」



華「凄いなぁ…。池本くん。疲れ知らずだね」



池本「いや、俺より疲れ知らずな人がもう一人……」



薄井「花子ーーー☆ジュンジュンーーー☆」



池本&華(出たーーーーー!?)



野高「あぁあ……、あんまりでかい声出さないでくれる?頭に響くから……」



華「野高先輩……どうしたんですか?」



薄井「気にするな!ただの老化現象だ♪」



野高「冗談言ってないでせめて頭痛と言ってくれ……」



薄井「目が怖いよ。メダカくん……」




その時、前から高橋先生がやって来た。



高橋先生「お〜い、みんな〜!集まってるか〜?」



薄井「見りゃわかるでしょう?三年生が来てませんよ」



高橋先生「よぉ〜し!全員揃ってるなー!」



華(先生……、もう三年生をカウントしてない……)



高橋先生「今日はみんなに校内全部ワックスかけてもらうから気合いでやってくれー!!ハッスルハッスル〜」



……し〜〜ん



高橋「あ、あれ?」



薄井「………」イラッ



野高「………」プチッ



池本「………」ムカ



華「………」ムッ




高橋「ななななんだ、どうしたー?みんな顔が怖いぞ〜?」




美化委員全員「いい加減にしろーーー!?」


高橋先生「ひえぇぇ〜〜〜!?」





その後、高橋先生がどうなったかはあえてここでは書かないことにする。







〜Cross Heart〜

完。



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