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とろけるCheese  作者: KoKoRo
44/156

Cheese44〜Little Love〜

気づいてしまった…。



自分の気持ちをわかってしまった……。





葵「姉ちゃん?つーか、部屋から出てこーーいっ!!」



…………ガチャ

わたしは部屋の扉を開けた。



葵「うぉっ!?なんだよ!姉ちゃん!開けるなら開けるって言えよなー」



華「……お腹空いた」



葵「は?」



華「うん。悩んだってしょうがないよね。」



葵「何の話し?」



華「なんでもないよ!」



葵「??」



華「………」




わたしは鈴木くんが……好き。



それがわかっただけで、今までモヤモヤしてた気持ちが穏やかになった気がした。








―――翌日―――



池本「おはよう!鈴木くん!」



龍「……キモ。」



池本「ひどっ!?俺のどの辺がキモいの?メガネだから!?それ、差別だからな!?」



龍「『くん』付けんのやめね?俺もお前のこと池本って呼ぶし」



池本「…お、おう!」



龍「んで?何?」



池本「ほら、前に言ったじゃん。SOUL'd OUTのアルバム貸すって!だから持ってきた」



龍「マジで?うわ、嬉しーんだけど」



池本「鈴木ってさ…」


龍「なに?」



池本「いやっ!なんでもない」



華(いいなぁ…。池本くん。鈴木くんと普通に話せて……)



池本「そーだ!立川さんにも、はいこれ」



華「あ!!そーるどあうとのCD!?」



池本「テスト後にでもゆっくり聴いてみてよ」



華「うん!ありがとう!」



龍「つーか立川。お前、昨日数字のノート忘れただろ?」



華「え……」ドキッ



龍「お前さぁ、もうちっとうまくノート取ったほうがいいんじゃね?」



華「……見たの?」



龍「ああ、わりぃ。少し見たけど全部じゃねーし」



華「かっ…勝手に見ないで下さい!!」



龍「だからわりぃって言ってんじゃん」



華(もう……嫌だ)



華「……こんなの嫌だ……」



龍「は?」



華「鈴木くん、全然優しくないし!!隣にいるだけで…いっ居ずらいし……」



龍「何言ってんの?お前」



華「……うぅ…」



池本「立川さん…?泣いてる……?」



華「うぅっ!?お腹…痛い……」



池本「へ?」



華「うびぃっ!!ほ……保健室に行って……きます」



池本「一人で大丈夫?俺、付き添うよ」



華「一人で大丈夫だよ…。行ってきます」



池本「………」



ワケわかんね…







教室を出たわたしは保健室に向かって歩いていた。

お腹は本当に痛かった。

でも鈴木くんの側にいたいのに……素直になれない自分が許せなかった…。




だから……



逃げたのかもしれない……。




………ガラガラッ

わたしは保健室の扉を開けた。




華(あれ?田中先生、いないのかな……)


………シャッ

奥のベッドのカーテンが開いた。



野高「田中先生なら今、いませんよ……ってあれ?立川さん?」



華「野高先輩……」



野高「どうしたの?立川さん…、目が赤いよ……?」



華「なっ…なんでもないんです」



野高「……うん。じゃあ、何も聞かない」



華「…………」



野高「どこか具合悪いの?俺、だいぶ良くなったからベッド使っても大丈夫だよ」



華「もう…痛くなくなりました……」



野高「え?」



華「さっきまでお腹が痛かったんですけど……治ったみたいです」



野高「なんか…辛そうだね。立川さん」



華「!」



野高「元気出して。俺、元気な立川さんが好きだから」



華「野高…先輩…」





泣きそうになった。






声をあげて泣きたい。




野高「……」




野高は黙って華のもとに近寄り、華の頬に手をあてた。



野高「………」



華「……っ」








泣いている君をほっておけない。








俺が守ってあげたいと思ったんだ………。








〜Little Love〜

完。



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