Cheese40〜気になる音楽〜
女子トイレで水を被り、少しだけ寒い思いをしながら家へ帰った。
お母さんと葵にも心配をかけてしまったので申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
母「本当に大丈夫なの?」
華「タオルでちゃんと拭いたから平気だよ」
葵「そのタオル…姉ちゃんのじゃないよね?」
華「これは…借りたの!友達に」
葵「…ふーん」
母「とにかくお風呂に入りなさい。そのままじゃ風邪ひくから…」
華「うん。…あ!お母さん!このタオル洗ってもらってもいい?」
母「はいはい。明日忘れずに返すのよ?」
華「うん!」
次の日、借りたままのタオルを返そうと思い、鈴木くんに声を掛けた。
華「あの…鈴木くん!」
龍「なに?」
華「こっ、これ!借りたままでごめんね!ちゃんと洗ったよ!」
龍「ああ…。別に急いで返さなくてもいーのに」
華「でも……借りたままじゃよくないもん」
龍「立川って変なとこ律義だよな」
華「普通…だよ」
龍「ま、いーや。わざわざ洗ってくれてサンキューな」
華(ちゃんと私が洗って返せばよかったなぁ…。そしたら今の言葉はきっと嬉しいのに…)
クラス男子「鈴木〜!ちょっといいかーー?」
龍「なんだよ?こっちに来て話せ」
クラス男子「…いや、そっちじゃちょっと…。相談なんだよ〜。頼むよ〜。」
龍「…ったく、たりぃな」
………ガタンッ
鈴木は渋々席を立ち、呼んだ相手のもとへ行った。
華(行っちゃった…。)
玲「華ー!おはよ〜!」
華「あ!玲、おはよう」
玲「あら〜?妙な組み合わせね〜」
華「なにが?」
玲「ほら〜、あそこ!龍と辻森が一緒にいるなんて変じゃない?」
華「そうかなぁ?でも最近、仲いいよね」
玲「最近?全然知らなかった…。よくみてるわね〜!華」
華「へ……?」
玲「え?違うの?」
華「…ううん。人間観察好きだから!」
玲「あはは!なるほどね〜」
華「………。」
………よく見てる?
わたしが…
鈴木くんを………?
…………ガタッ
席に着く龍。
玲「龍にもやっと友達ができたってわけだ!」
龍「そんなんじゃねーよ。つーかお前、立川にベタベタしすぎ。」
玲「あら〜?ヤキモチ?」
………だきっ
華に抱きつく玲。
華「れっ玲!?」
龍「……キモ」
玲「なんだって〜?」
雅「おはよう。華ちゃん☆」
……………だきっ
華に抱きつく雅。
龍&玲「!?」
華「みみっ雅ちゃん!?」
雅「これでも妬かないの〜?」
池本「あれ?佐藤さんと立川さんってそんなに仲良かったけ?」
龍「…あいつ、誰だ?」
玲「確かー…あれ?名前が出てこない…」
池本「池本だよ!?なんで同じクラスなのに名前覚えてくれないんだ!?」
雅「存在が薄いからじゃな〜い?」
池本(きっつ〜!?つーか、佐藤さんってこんな性格だったっけ??)
「♪♪♪♪♪♪♪」
玲「…ってゆうか、龍!人と話す時ぐらい音楽聴くのやめたら?」
龍「んなこと気にすんなよ…。俺、耳は良いから。ちゃんと聞き分けてるし」
玲「そーゆー問題じゃないっ………!」
池本「前から気になってたんだけど、鈴木くんっていつも何聴いてんの?」
龍「SOUL'd OUTだけど?」
華(あ…。そういえば前にも言ってたなぁ…。う〜ん、謎のグループ、そーるどあうと……)
池本「マジで!?俺もそれ聴く聴く!じゃあ、最近出たアルバムも聴いた!?」
華(ありゃりゃ…?池本くん、急に元気になっちゃった??)
龍「アルバムは聴いてない。買う金ねーし」
池本「じゃあ今度貸すよ!むっちゃイイからさ!」
龍「マジ?サンキュ」
玲「女にはわからん会話になってきてるわね……」
華「そっ…そうだね」
雅「話しに交ざりたいんだけど……駄目?」
玲「あんたは学校じゃ女なんだからこっちサイドにいなさい!?」
雅「はーーい」
華「でも……わたしもそーるどあうと、聴いてみたいかも…」
玲「えぇ!?ちょっ…華!?」
華「池本くん!!わたしもそーるどあうと、聴いてみたい!」
池本「うん!全然OK!今度、立川さんにもCD持ってくるよ」
華「!!ありがとう…!池本くん!」
池本「い、いや…、別にたいしたことじゃないから…」
………ガラガラ……
前の扉が開き、高橋先生が教室に入った。
高橋先生「HR始めるから席に着いて〜!それから寺島先生からの連絡で1時間目の体育の授業は雨が降ってるから体育館でやるみたいだぞー」
龍(うわ、たりぃ…)
華(やったー!体育館♪)
高橋先生「それから2年A組と合同でやるそうだ」
池本(2年…A組?)
華&池本(薄井先輩のクラスだーーー!?)
その頃、2年A組の教室では……
先生「一時間目の体育は1年C組と合同で体育館でやるから忘れずになー」
野高(C組……?立川さんのクラスか…)
薄井(CはT.Tのクラスだったな…。おもしろくなりそうだ…)
〜気になる音楽〜
完。