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とろけるCheese  作者: KoKoRo
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Cheese4〜保健室〜

玲と鈴木くんが喧嘩したその日の放課後、わたし立川 華は保健室に向かっていた…。二人の怪我が心配で様子を見に行こうと思ったからだ。




華(二人とも大丈夫なのかな…。)





保健室前の扉まで来た。…すると中で話し声がした。




??「イタタタタ…」


??「えーっと…二年A組の野高くんね?確か昨日もお腹壊して保健室に来たわよねぇ?」




野高「はい…。すいません。迷惑かけます、田中先生…イタタタッ」



華(どうしよう…。誰か別の人が保健室にいる…。中に入りずらいな…)





田中先生「まったく。顔はいいくせに身体は弱いのねぇー…。」




野高「は…はは…、お腹の具合だけいつも悪いんですよ…。」




田中先生「そうねぇ。…で、どうするの?薬飲んで少し休む?」




野高「はい…。そのつもりで来ましたから…。そうじゃなかったらすぐに帰ってますよ…田中先生。」



田中先生「あぁ…。もう放課後だしねぇ…」


野高「…俺よりマイペースですね…。先生」


田中先生「…そう?」




………ガラガラ………わたしは思い切って保健室の扉をゆっくり開けた。




華「しっ、失礼しますっ!!」



田中先生「あら?どうしたの?あなたも腹痛?」



華「いっ、いえっ…」


野高「先生…。決め付けるのはどうかと…」


田中先生「あら、ごめんなさいねぇ…」


華「…あのっ、ここに伊藤さんと鈴木くんって人が怪我をして来たと思うんですけど居ますか…?」




田中先生「あ〜…、鈴木くんならそこのベッドで寝てるわよ?」



華「…伊藤さんは?」


田中先生「伊藤さんは学年主任の寺島先生に呼ばれて出て行ったわよ」



華「怒られてるんですか…?」



田中先生「いいえ〜?寺島先生ったら伊藤さんのこと褒めてたわ。女のくせにてぇ〜したもんだ!…ですって」


華「寺島先生って…一体…??」



野高「……せ、せんせい……薬を……くだっ…さい………。」



田中先生「あらやだっ!!野高くんの存在忘れてたわよ〜。あなた、もっと自分の存在をアピールしなさいよ」


野高「………。」




華(なんだかあの先輩がとてつもなく可哀相に見えるのはなぜ…?)








その後、保健室を出ようと扉に手を掛けた時、奥にあるベッドのカーテンがゆっくりと開いたのが見えた。




龍「立川」



華「…?」



龍「悪かったな。伊藤のこと傷つけちまって」



華「?どうしてわたしに謝るの?玲に謝ったほうが…」



龍「ばか。なんであいつにボコられた俺が謝んなきゃなんねぇーんだよ?」



華「そっか…、ごめんなさい…。」



龍「おまえ…、あいつの友達なんだろ?ダチ傷つけて悪かったって言ってんだよ」



華「鈴木くん…。」



龍「…用はそんだけだからもう帰れば?」



華「うん…じゃあ、また明日」




野高「鈴木くんって…結構優しいんだね」



龍「!!??しらねぇ奴にそんなこと言われる筋合いはねぇっ!」



野高「あ、ご…ごめん」




華「………」









不良系(?)の鈴木くんとほんの少しだけ会話をした後、保健室を出た。そしてまっすぐ教室へ向かった。自分の鞄と…それから玲の鞄を持って。





気がつくと走っていた。玲に会って話しがしたかった。




……走って走って、やっと玲をみつけた。





わたしは嬉しくて玲に駆け寄った。




あの時、わたしが玲に言いたかった言葉はたくさんあって…、一言じゃ話し切れないほどあって……




………だから、




玲「……華?」




華「一緒に帰ろう」








帰り道、二人並んでみた夕日は、まぶしいほど綺麗だった………





〜保健室〜 完。



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