Cheese39〜ナイトな二人〜
雅ちゃんがグループに入って数日が過ぎたあるお昼での出来事。
雅「いただきます。」
玲「………。」
華「どうしたの?玲、食べないの?」
玲「食べる……食べるけどコイツ、あたし達に馴染み過ぎてない!?」
雅「あら〜?これがいわゆる女同士のグループ交際でしょう?」
玲「つーかアンタ、気付いてないだろうけど前にいたグループの子に散々言われてんだからね!?」
雅「……好きで仲良くしてたわけじゃない。単に昼一緒に食ってただけだし。」
華「でも……謝った方がいいかもしれないよ?」
雅「謝る?悪いことなんてしてないじゃない。」
玲「女を甘くみてると後で痛いめ見るわよ。段々エスカレートしていったりして……」
雅「お〜怖。くわばらくわばら。」
玲「……ったく」
華「全然関係ない話になるんだけど、玲と雅ちゃんはどうして仲が悪いの??」
雅「……柔道で勝てなかったからだよ」
玲「まだそんなこと根に持ってんの!?」
雅「女のくせに柔道部ででしゃばんな」
華「みっ…雅ちゃん!言葉使いは気をつけた方がいいよ?ここ教室だし……」
雅「ありがと。華ちゃん」にこっ
華(つ…作り笑いにみえるのはなぜ?)
玲「まぁ、佐藤さんがあたしより弱かったもんだから勝手に目の敵にされてるってわけ!」
雅「その言い方ムカツクわ〜?」
玲「そりゃどうも」
華(本当に仲悪いんだなぁ……)
その日の放課後、女子トイレにて最悪な事件が起きてしまった。
雅「……」
一人で女子トイレに向かう雅。
雅(相変わらず女子トイレっつーもんは落ち着かねぇな…。洋式のトイレしか使えねぇし…)
雅が個室のトイレに入っていると、何人かの話し声と共にトイレの中へと入ってきた。
雅(この声は……前まで仲良くしてた菊地?)
菊地「あれ〜?洋式のトイレ、誰か使ってるみたいよ〜」
女子A「え〜?もしかして……あれやってんのかな〜?」
女子B「やだ〜!」
雅
その頃、華もトイレに向かっていた。
華(……?話し声がする…。混んでるのかなぁ??)
トイレを覗くと……
華(!菊地…さん?)
菊地「なかなか出て来ないね〜。佐藤さん」
華「!!」
女子A「水でもかけちゃう?」
菊地「それ、いい考えかも〜!」
雅(はぁ!?マジかよ?)
華(どうしよう…。止めなきゃ……!でも、菊地さん……怖い)
…………バシャッ
バケツに大量の水をくみ、それを持ち上げる菊地。
女子B「ドア押さえてるから早く早く!」
菊地「わかってるよ〜」
華「だっ…ダメッ!!」
菊地に突進する華。
菊地「ちょっ…何!?」
華「水をかけるなんてダメだよ!!そんなことしたらかわいそうだよ!!」
菊地「うっさいな!!」
……………ガシャンッ
雅「!?」
菊地「……やば」
華「…………」
菊地がバケツを手から滑らせ、大量の水が華にかかった。
女子A「なんで立川さんが水かぶんの〜?」
女子B「つーか、コイツなんかのために水かぶることないじゃん」
雅(……コイツ?つい最近まで“雅ちゃん”とか馴れ馴れしく呼んでた奴がコイツ……?)
………バタンッ
個室トイレから雅は出て行った。
華「……雅ちゃん…」
雅「……てめぇっ」
………ガッ
菊地の胸倉を掴む雅。
菊地「ひっ……」
??「止めとけ。佐藤」
華「……!」
女子A「鈴木くん!?」
龍「女子トイレ覗く趣味じゃねーけど、お前ら声でかすぎ。外に響いてんだよ」
菊地「ご…ごめんなさい……。」
龍「わかってんならさっさと消えろ。今度その二人になんかしたら許さねぇからな」
菊地「……早く…行こう」
女子B「う、うん…」
華「ありがとう…。鈴木くん」
雅「ごめん…。華ちゃん…。大丈夫?」
華「うん。大丈夫だよ」
龍「大丈夫じゃねーんだよ」
………バサッ
華の頭にタオルをかける龍。
華「…………っ」
雅「華……ちゃん?」
華「……あはは。安心したら涙が出てきちゃった……」
龍「…バーカ。」
華「………」
なんだろう…?
二人がすごく格好よくみえた……。
心配してくれる人がいるって……幸せなことなんだなぁって思った。
わたしの勘違いかもしれないけど、嬉しかったんだ……。
〜ナイトな二人〜
完。