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とろけるCheese  作者: KoKoRo
36/156

Cheese36〜幸せ者〜

コーヒーカフェのマスターさんの正体は、雅ちゃんのお姉さん。



そして婚約者は……



あの高橋先生だった。



高橋先生「みっ…雅ちゃんが男?なにを言ったてるんだ?立川…」


華「本当なんです」



マスター「…武さん。その子の言ってることは本当です」



高橋先生「え?」



マスター「雅は……わたしの妹ではなくて、弟です」



高橋先生「…どうして隠してたんですか…?梓さん……」



梓「……それは……」


高橋先生「雅ちゃんは梓さんのたった一人の兄弟でしょう…?本当のことを言って欲しかった…」



梓「だって…本当のことを言ったら………雅が退学にされるんじゃないかと心配でっ…」


高橋先生「確かに男であるのに女子の制服を着用していることは……よくないことだ…。しかし!僕はその事実を知っても校長には決して言わない!!口は堅いんだ!」



山田(そーゆー問題じゃないだろ……)



野高(駄目な発言に聞こえる…)



薄井……アホだな


華(高橋先生……カッコ悪い………。)



梓「ありがとう……。あなたがそう言ってくれて嬉しい…。本当のことを隠していてごめんなさい…」



高橋先生「いいんだ!君がついたささいな嘘は全て僕が受け止めるよ…!」



梓「武さん…」



高橋先生「梓さん…」



薄井「うざーーーーーーーーっい!!これはコントなのかっ!?」



野高「言い過ぎだよ…。薄井……」



梓「コントなんかじゃないわ!?…愛よ!」



華(…さすが高橋先生の婚約者さんだ……)







そんなこんなで、わたしは高橋先生とマスターの佐藤 梓さんから色々な話しを聞いた。



二人の出会いについても梓さんは話してくれた………。









―――三年前―――



高橋(はー……。今日から女子高の先生か……。緊張するなぁ…)



…三年前の四月、

僕は志間織高校という女子高の教師として学校に向かっていた。



行く途中、一人の女の人が大きな看板を持って扉から出てくるのが見えた……。



??「………っ!」




高橋(なんか重そうな看板運んでるな…。一人で大丈夫なんだろうか?)



…………グラッ

段差に躓き、倒れそうになる。



??「きゃ……っ!」



高橋「!」






………バタンッ

看板が地面に叩き落ちた。





僕は無我夢中で彼女を抱えていた……。



高橋「ほら……言わんこっちゃない…」



??「……誰?」



高橋「あっ…、すいません。あなたが倒れそうだったのでつい…」


??「ありがとうございます……」



高橋「あー…、看板の方は倒れちゃいましたね。…よいしょっと」


倒れた看板を持ち上げてみると、そこにはコーヒーやケーキのセットなどのメニューが書かれていた。



高橋「なにかお店をやってるんですか?」



??「はい…。今日からオープンするんです。…もしよかったら一度いらして下さいね」



高橋「ええ。是非」





看板を起こした後、僕は彼女の名前も聞かずに学校へと向かった。







――数日後、

学校からの帰り道、ふと彼女のことを思い出していた……。



高橋(そういえばまだあの店に寄ってなかったな……。まだやってるといいけど…)



腕時計を見ると、時刻は20:00を指していた。



高橋(あちゃ〜…。やっぱり今日は無理か…)







こんな遅くにやっているはずがないと思いながら、お店の方へ歩を進めた…。




すると………




高橋(あれ?まだ明かりがついてる…)




店の玄関で立ち止まり、中を覗いてみた。



??「いらっしゃいませ」



高橋「わあっっ!?」


??「ごめんなさい!脅かすつもりはなかったんですけど……」



高橋「いや、僕が勝手に驚いただけです…」


??「……。」



高橋「こんな時間まで営業してるんですね…。他に店員はいないんですか?」



??「…いません。今はわたし一人で営業をしています」



高橋「物騒だなー…。こんな時間まで一人でやるなんて…」



??「…あなたが…」


高橋(…え?僕が物騒な奴……??)



??「…あなたが来てくれたからもう…安心です」



高橋「!」



??「名前を伺ってもいいですか…?」



高橋「たっ!高橋です!高橋 武……。ああっ、あなたは?」



??「佐藤 梓といいます」




高橋「佐藤さん……。…じゃあ、コーヒーを一杯いただけますか?」



梓「はい。喜んで」




これが僕たちの出会いだった………。







華「へぇ〜!なんだかロマンチック的ですね〜…」



高橋先生(立川…。ロマンチック的ってなんだ……?的って……)



梓「それから武さんが毎日のようにカフェに来てくれて嬉しかったなぁ…」



薄井「騙されていませんか!?T.Tに!?」



高橋先生「そのT.Tって僕のことかーーー!?」



薄井「今頃気付いたのかね!?」



梓「…ねぇ、立川さん?」



華「はいっ!」



梓「武さんって頼りないところがあると思う。だけど、いいところもたくさんあるから彼を支えてあげてね」



華「努力…します!」


梓「うん。よろしくね」



華「………。」







高橋先生は幸せ者だなと思った。




…だって、こんなに綺麗で優しい人に愛されているから……。





わたしもいつか……



こんな幸せな結婚ができたらいいな……。







〜幸せ者〜 完。



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