表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とろけるCheese  作者: KoKoRo
34/156

Cheese34〜仲、よい?〜

ゴールデンウイークが開け、学校が始まった…。



わたしは朝の登校時、珍しく雅ちゃんを発見した。



華「おはよう!雅ちゃん!」



雅「朝から元気だね?うるさい女は嫌われるよ?」



華「雅ちゃんの嫌味にはもう慣れましたよー!」


雅「その『ちゃん』って言うのやめない?」


華「雅ちゃんこそ、高橋先生に本当のこと言わなくていいの?」


雅「アイツが男だって知らないのは姉さんがわたしのことを話してない証拠」



華「え?」



雅「姉さんがわたしを『妹』だって高橋に紹介したのよ」



華「それって…」



雅「ええ」



華「つっ…つまり、お姉さんは雅ちゃんを女の子だと思い込んでるんじゃ!?」




雅「華って馬鹿〜?」


華「うぅ…違うの?」



雅「わたしが弟だと紹介したくないのよ。こんな格好してるからでしょうね。まぁ、当然か」


華「でも高橋先生にはちゃんと言ったほうがいいよ?義理だけど雅ちゃんのお兄さん…になるわけだし」


雅「やめて…。あの男がわたしの兄になるなんて認めたくない」


華「あはは…。やっぱりそう…だよね…」




雅ちゃんとそんな話しをしながら教室に入ると……




薄井「やあ。花子」



華「なんでいるんですか?」



薄井「ジュンジュンを誘拐しにきたんだ〜♪」



華「誘拐!?」



薄井「おーーい!ジュンジュン!今日から僕と君は水やり当番だよ〜〜?」



池本「そうなんですかーー?今行きます」



薄井「早く来ないと花子を誘拐するよー?」



……シュタタタタッ

物凄い勢いで席から離れ、薄井に向かって走る池本。



池本「そんな大声で犯罪宣言しないで下さい!?」



薄井「君も冗談が通じないね…。まぁいい!行くぞ〜〜☆」




…………ガシッ

薄井は池本を脇に抱え、教室を出て行った。



「離してくれ〜〜!?」





華(遠くから池本くんの叫び声が……。あれじゃ本当に誘拐……)


雅「変わった先輩ね…」



華「…たぶん、今ここにいるクラスの人全員がそう思ってると思う」







その頃、薄井と池本は……



薄井「花〜に、花水を〜〜♪」



池本(……鼻水!?)


薄井「お?こんなところにてんとう虫が☆」


池本「…薄井先輩って立川さんと仲いいですね」



薄井「やはりそう見えるかい!?実は僕達はー…」



池本(………え?)



薄井「毎日同好会で会っているのだよ〜ん♪わははははっ!」



池本「……。」



薄井「でも何でそんなことを聞くんだい?」


池本「いえ、別に…」




変だな…?



一瞬、ホッとしたような……??




薄井「そんなことより君のそのダサいメガネはなんとかならないのかっ!?趣味悪いぞっ!?」



池本「げげ!?何すんですか!?」



…………カチャンッ

池本のメガネが地面に落下。



池本「あ゛ーーー!?俺のメガネ…」



薄井「……いい」



池本「はい?」



薄井「かわいいぞ!?ジュンジュン☆」



池本「その呼び方やめてくださーーい!?」




結果、今朝の水やりは全然進まずに終わった。






…退屈な授業を終え、時刻はお昼となった。



華「玲ー!天気がいいから屋上で食べよう?」



玲「よし!そうしますか〜♪」



龍「うぜぇくらい仲いいな?お前ら」



玲「あんたは友達少なすぎよっ!べ〜っだ」


龍「……うざ」



華「……」




わたしは玲と教室を出てから、なんとなく気になっていたことを聞いてみた。



華「玲と鈴木くんって仲いいよね」



玲「え〜?仲いいどころか昔から喧嘩ばっかりしてたけど??」



華「鈴木くんは何で玲に喧嘩を…?あと雅ちゃんも!」



玲「あたし、嫌われてるのかな〜?強いから!」



華「むむ〜…。今度でもいいから教えてね!」



玲「あはは!はいはい!」




…………ガチャ

屋上の扉を開けると…



野高「………」



フェンスに手を掛けて紙パックの牛乳を飲んでいる野高先輩がみえた。




………



玲「あれって確か…美化委員の人じゃない?」



華「う、うん」



玲「声掛けたら〜?」


華「え!?で…でもっ、何を話していいかわからないよ」



野高「…あれ?立川さん?」



華「はいっ!?」




野高「こんにちは」



華「ここっ、こんにちは!」



野高「…と、伊藤さん…だよね?こんにちは」


玲「こんにちは…って、一度しか会ってないのに名前覚えてたんですか!?」



野高「うん。人の顔と名前だけは覚えるの得意なんだ」



華(野高先輩は絵になるなぁ…。それに身長も高いし、スラッとしてる…)



野高「………」



華「野高先輩…?さっきから何を眺めてるんですか?」



野高「雲。」



華「雲?」



野高「うん。毎日違う雲の形を見るのが好きなんだ。…あ。撮るのも好きかな」



華「先輩が撮った写真、見たいなぁ…」



野高「本当?じゃあ…今日、部室に来たときにでも見ていいよ」



華「本当ですか!?」


玲「華〜?ず〜っと先輩と話してないでご飯食べよ〜」



華「わわっ!?ごめんね!!玲っ!」




……………バンッ

勢いよく屋上の扉が開いた。



薄井「購買の新製品☆メロンチーズパン、ゲェ〜ト♪」



華「あ゛ーー!?少し下さい!?」



薄井「花子にやる餌はなぁ〜〜〜いっっ!」


華「むきーーっ!!」



玲「仲いいな〜。先輩もそう思いません?」


野高「そう……だね」




結局、わたしは餌を与えてもらえなかった。あと、一つ発見したこと。薄井先輩がドケチなことです!!




〜仲、よい?〜 完。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ