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とろけるCheese  作者: KoKoRo
32/156

Cheese32〜天然で単純系?〜

今日からゴールデンウイーク!


…なのにわたしは学校へと来てしまった。


生徒会室で美味しい紅茶をごちそうになった後、廊下に出ると、微かな音が聞こえた。



わたしはその音色を追い掛けるように階段を上がっていった。




すると……




華(あれ?ここってわたしのクラスの教室……?)




教室の扉は開いていて、中からギターの音が響いてきた。




華(一体誰が…?)



教室の扉に近づいた瞬間、一枚の紙が風に飛ばされて廊下に落ちた。




華(なんだろう?)




わたしはそれを拾い上げた。

拾った紙にはぎっしりと字が書かれていた。




華(なにかのレポートかな?)




紙の一番上を見ると、“死”と書かれていた。




華(………。)





わたしは見てはいけないと思いながらも、そこに書いてある文章を読んでしまった。







書き連なった文章にはいい言葉なんか一つもなくて、はっきり言って荒れた言葉ばかりが並べてあった。



でもなぜか………




悲しくて涙が出た。



??「それ……、読んだの?」



華「!!」





わたしの目の前に池本くんの姿があった。




華「ごっごめんね…。」



池本「………」



華(どうしよう…。怒ってる…よね?勝手に見たからきっと凄く怒ってるんだ……)



池本「それ読んで泣いてる人みたの、初めてだよ」



華「え?」



池本「友達にみせても反応悪いからさ」



華「怒って……ない?」



池本「怒ってないよ。怒るわけないじゃん」


……よかった…


池本「これ、あんまり真に受けないでね?俺が日頃、イラついた時に書いたやつだから」



華「それを読んだら生きてる理由がわからなくなっちゃうよ。人に幸せがないみたい…」



池本「真に受けてるよ…。それ。…ごめん」


華「あっ謝らないで!凄いなって思ったんだよ!?さっきのギターの音も池本くんが弾いてたんだよね?」



池本「凄くなんかないよ。俺より上手い奴なんて世の中にいっぱいいる」



華「でも…それでもこの学校で1番上手いのは池本くんだよ!!わたしが保証するっ!」



池本「立川さん……。ありがとう」






救われる。




そんなことを言ってくれる人は初めてだったから………




池本「ところで立川さんは何で学校に来てるの?」



華「へ?ぶっ…部活だよっ!?」



池本「へ〜。熱心だね」



華「そう言う池本くんは何で学校に??」



池本「俺?俺はー…、ギター同好会の活動中。そしてボーカル担当!」



華「凄いっ!すごーーいっっ!!…あれ?でも他のメンバーは!?」



池本「いない!俺一人!」



華「…………え゛?」




池本「………え?」



華「それじゃ……バンドが組めないよ……?あっ!ソロ活動!?」



池本「いや、メンバーに入れたい人はいる」


華「歌って?」



池本「はい!?」



華「池本くんの歌声が聞いてみたい!!」



池本「………無理。」


華「………ケチ。」



池本「俺の歌は文化祭で披露しますからそれで許して下さい!……OK?」



華「やっぱり…一人で歌う気なんだ…。ソロでも頑張ってね!?」


池本「………立川さんって人の話を聞かない時があるよね……。」


華「ぼへっ!?」




池本「………ぷっ」



華「あ゛!?笑ったな〜〜!!」



池本「なんか…立川さんのその変な反応、好きかも」



華「…え…?」




華(いいい今っ…好きって………???)



池本「やっぱ俺、天然って好きだな〜!友達にもそうゆう奴いっぱいいるし…」



華「天……然……」




池本「うん」



華「〜〜〜〜っ!!」




………バフッ

池本に向かって鞄を投げる華。





…………パシッ

それを受け止める池本。



池本「……おっと」



華「わたしはっっ…」


池本「?」



華「天然じゃなくて単純なのっっ!!!」



池本「自分で言う人初めてみたーーー!?」



華「……ぷっ、あはははははっ!変なツッコミ〜〜!!」



池本「悪かったな…」







なんだか池本くんとはいい友達になれるような気がした……。









〜天然で単純系?〜

完。



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