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とろけるCheese  作者: KoKoRo
31/156

Cheese31〜意地悪な男〜

−チーズフォンデュ−作り方→カマンベールチーズをくり抜いてレンジで温めるだけの簡単な料理。それを薄井先輩に渡して、わたしは写真部室を出た。




華(野高先輩…一体誰のお墓参りをしてるんだろう。でも、関係のないわたしが知る資格ないよね…)




そんなことを考えながら校内を歩いていると、どこからかいい匂いがした。



華(むむっ!?)



くんくん……

匂いを嗅ぐ華。




華(紅茶の香りだぁ!どこからだろう?)




匂いのする方をみるとそこには生徒会室があった。



華(ドアが開いてる!ちょっとだけ覗いてみようかな!?)




…………ひょこっ

中を覗く華。




??「誰?」



華「ぎゃあっっ!?」


??「あのさぁ、そんなビビんないでよ?鼓膜破れそう」



華「すすすすいませんっ!!」



浅井「あら〜♪可愛い子☆ちょっと!書記の分際でその子をいじめないでくれる?」



書記「うっさいなぁ。いじめてないよ」



華「しっ、失礼しましたっっ!!!」



浅井「待って!美味しい紅茶、飲みたくなぁ〜い?」



華「飲みたいです!!………あっ」



浅井「はい!決まり!どうぞ〜♪中へ入りなさいな?」



華「えっと…お邪魔します……。」







紅茶の匂いにつられて生徒会室を訪れたわたしは……




華「おいし〜です」



紅茶をすすりながら、すっかりお世話になっていた。



浅井「紅茶飲んだだけでそんなに幸せそうな顔してくれると、こっちまで嬉しくなるわ〜」



華「本当に美味しいですよ!?」



書記「生徒会室で紅茶飲んでること自体おかしいと思うだろ?普通…」



浅井「書記は黙りなさい!?しっかしまぁ、ゴールデンウイーク中に学校来るなんてあなたも大変ね〜?部活か何か?」



華「へっ!?…ええ、まぁ…」




浅井「何部なの?」



華「え…えっと……、Cheese同好会…です」


書記「はぁ?」



浅井「そんな同好会あったかしら?」


華「先輩が勝手に作っただけでっ…趣味の集まりみたいなものです!!」



書記「けど勝手に作って活動するなんて異例じゃね?いいんですかね〜?会長?」



浅井「その同好会を作った人物は誰?」



華「う…薄井先輩という人です…。」



浅井「ブーーーッッ」


書記「きたねぇっ!?紅茶を吐くなっ!?」


浅井「薄井…翔…?」


華「はい!金髪の変な人です!!」



浅井「それ以上言わないでーぇーえーー…」


華「???」



浅井「あの男の名前を聞くだけで虫ずが走るわい。」



華「薄井先輩のこと、知ってるんですか?」


浅井「あの男はわたしの疫病神よ…。忘れもしない。あの時のことを………」







それはわたしが小学生の頃……




薄井 翔とは家が隣り同士だったため、自然と小学校低学年までは仲良くしていた……ような気がする。





わたしがあの男を嫌う前までは普通に公園で遊んだり、学校で遊んだりしていた……ような気がする。




あの事件が起こる前までは………








わたしが小学六年生の頃、休み時間にそれは起こった。




浅井の友人「不幸の手紙が届いたって本当!?」



浅井「うん…。家のポストに入ってたの」



友人「なんて書いてあったの?」



浅井「この手紙を100人に回さなければお前は明日、地獄に落ちる…って」



友人「なにそれ〜?イタズラだよ〜!きっと!」



浅井「誰がこんな手紙書いたんだろ…」




友人と不幸の手紙について話しをしていると、突然薄井が教室に入ってきた。



薄井「浅井くん!」



浅井「あ、あんた…五年のくせに、よくノコノコ六年の教室に入って来れるわね!?」



薄井「好きだ!付き合ってくれ!」



浅井「えぇえ!?急にななななに言ってんの!?そんなこと言われても困るしっ!!」



薄井「王様ゲームの罰ゲームだよ。本気にしないでくれたまえ」



浅井「はぁ!?だったら最初からそう言いなさいよ!?」



薄井「言わなくても気付くだろう?誰が君みたいな野蛮な女と付き合いたいと思うんだい?」



浅井「今……野蛮って言った?」




薄井「あ、それとその机の上にある不幸の手紙、早く100人に回したほうがいいよ〜?」



浅井(まさかコイツが犯人!?)



薄井「地獄に落ちちゃうよ☆」



浅井「お……おめぇが地獄に落ちやがれーーーーーー!?!?」






こうしてわたしは薄井翔を嫌いなまま、中学に上がる前に引っ越しをした。





浅井「…というわけでわたしはアイツが大嫌いなの!」



華「でもそれって…」


浅井「あ゛〜!?思い出しただけで腹が立つ!!うが〜〜っっ!」

………バサバサバサッ生徒会重要資料をバラまく浅井。



書記「おい、一年。被害を受けたくなかったら早くこの場を離れたほうがいいぞ…」



華「あ…ありがとうございます!書記さん!あと紅茶、ごちそうさまでした!!」




そそくさと生徒会室を出たわたしは、さっきの話を思い出した。



華(やっぱりさっきの話での薄井先輩の行動って……好きな人だから意地悪なことしちゃったんじゃないのかな…?)





……………♪



華(…?今何か音がしたような??)




………………♪……



華(微かだけど聞こえる…。どこからだろう……?)




わたしはゆっくりと音色を辿りながら歩き出した。






〜意地悪な男〜 完。



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