Cheese3〜変化〜
わたし立川 華。高校一年生。女子高に通うはずだったのだが共学になってしまう憐れな自体に今現在、陥っている………。
同じクラスの鈴木くんと高校で初めてできた友達の玲。この二人の喧嘩を止めることが出来なかった自分が今ここにいる。
昼休みが終わり、屋上から一人で教室に帰ると、二人はまだ戻っていなかった……。
華(授業…もう始まってるのに二人共帰ってきてない………。)
高橋先生「…ん?鈴木と伊藤が居ないなぁ…。誰か知ってるか?」
クラス女子「知りませーーん」
クラス男子「つーか、あの二人ぶっちゃけ入学式から険悪だったから今頃マジで殴り合ってんじゃねーの?」
高橋先生「は…はは…。冗談はやめてくれよ…?入学早々から問題だけは………」
…………ガラガラ……教室の扉から玲が静かに入ってきた。
華(玲!?すごい傷だっ……!!)
高橋先生「……お、おい、今まで何処にいた?鈴木はどうした??」
玲「今まで体育館裏にいました。鈴木は……倒しました。」
高橋先生「たたたたたた倒した!?すっ、鈴木は今何処だっ!?」
玲「保健室です。授業に遅れてすいませんでした。」
高橋先生「……先生は保健室に行くからみんなはこれから静かに教室で待機するように…。事情は後で職員室に来て話してもらうからな。…わかったな?伊藤」
玲「……はい」
雅「高橋先生!!」
高橋先生「なっ、なんだ?……えーっと」
雅「佐藤です」
高橋先生「ああ、どうした佐藤」
雅「伊藤さんも保健室に連れていってあげて下さい。酷い怪我です……」
華(佐藤さん……)
高橋先生「そうだな…、伊藤も保健室に行こう」
玲「………はい」
………ガラガラ………先生と玲が出ていくと、教室の中は異様なほど静かになった。
…それはたぶんまだ入学したばかりで気軽に話せる相手がまだいないせいだと思った……
雅「………クラス役員と委員会役員…決めませんか?」
クラス女子「…なんで今決めるの?別に先生が来てからでもよくない?」
雅「もともとこの時間は役員決めの時間ですよね?なら進めていてもいいと思います」
クラス男子「佐藤さんに賛成ーー」
華(佐藤さんってすごいなぁ…。ちゃんと皆の前で思ってること発言できて…)
雅「クラス委員なんですけど……委員長に立候補したいんです。わたし」
クラス男子「佐藤さん美人なんでいいと思いまーーす」
クラス女子「美人でヒイキすんなっ!男子サイテー」
クラス男子「うっせぇ!ブス」
クラス女子「マジでムカツク…大体なんで女子高が共学なんかになったんだよっ」
クラス男子「それはこっちのセリフだよ!あ〜あ、うるさい女っているだけで胸クソわりぃ」
クラス女子「その言葉、そっくりそのままあんたに返すよっ!!」
華(誰か……止めて……)
雅「お願いですから静かにして下さい!わたしがこれからこのクラスの委員長として役員決めの進行をします。異論…ありますか?」
クラス女子「……。」
クラス男子「……。」
雅「異論がないようなのでこれから役員を決めていきたいと思います。」
華(すごい…すごすぎる!!たった一人でクラスをまとめちゃった…!)
その後、佐藤さん進行のもとクラス、委員会、教科係と次々と決まっていった。
わたしは中学の頃からずっとやっていた美化委員会に立候補し、無事に役員決めが終わった。
………ガラガラ………すべての役員決めが終わったところで高橋先生が帰ってきた。
高橋先生「皆、待たせてすまない。」
雅「先生。すべての役員が決まりました。これで決定しましたからよろしくお願いします」
先生はあっけにとられたように黒板をみた。
高橋先生「これ…全部今決めたのか…?」
雅「はい。ちなみにわたしはこのクラスの委員長に立候補しました。精一杯努力しますからよろしくお願いします。」
高橋先生「あ、ああ…、じゃあ、よろしく頼むよ」
雅「はい」
こうしてクラスの委員長は正式に佐藤さんに決定した。
華(佐藤さんって第一印象は大人しい感じだったけど本当はしっかりした人だったんだ…)
その時、わたしは佐藤さんのイメージが変わったとしか思っていなかった。
これから想像もしなかった出来事が起こるとも知らずに……………
〜変化〜 完。