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とろけるCheese  作者: KoKoRo
23/156

Cheese23〜消毒させて?〜

ある日学校の帰り道。わたしは偶然会った鈴木くんと別れ、電車を降りて家へ帰ると……



華(今日は色々あって疲れたなぁ…)



…………ガチャ

玄関を開ける。



華の弟「返せよっ!?俺のたくあん!?」



華の母「食べちまったもんはどうしようもないよっ!?」




いつものようにわたしの弟と母が戦争をしていた。




弟「姉ちゃんからも言ってやってよ!この白髪バ〜に!」



母「白髪!?母さんに白髪なんかないよ!?」



弟「隠したって出てくんだよっ!?」



華「もういい加減にしなよ?葵…」



葵「俺のたくあん…」



このたくあんを恋しがっているのがわたしの弟、立川 葵。中学二年生。ただいま反抗期中……?



母「…まったく。若いくせにたくあん好きだなんて変わった子ね」



こちらで嘆いているのがわたしの母。料理上手でわたしの自慢のお母さんです。




葵「ふんふん…」



………トコトコ

華に近づく葵。



葵「ふんふんふん…」


………トコトコトコ

さらに華に近寄る葵。


華「なっ、なに?」


葵「姉ちゃん香水くせぇ〜!?しかも俺が欲しい香水の匂いに似てるし!!」


華(香水?あ…。鈴木くんが寄りかかってきた時についたのかな?)



葵「間違いない…。これ男もんの香水の匂いだっ!?姉ちゃん、やったな!!」



華「なにが?」



葵「かぁさぁぁーーーんっ!!姉ちゃんに男ができたーーー!?」


華「なに言ってんの!?バカバカバカバカバカーーーッ!!」



母「よくやった!!華!相手はどんな人なの?真面目な人?」



華「だから違ーーうっ!!」



葵「もしかして相手は…学校の先生とかだったりして!?」



母「ぎゃ〜!?先生との禁断の愛ね!?昼ドラチックで燃えるわぁ〜♪」



華(話しが勝手に膨らんでいる…!?もうこの二人にはついていけないっ)



葵「で?相手はどんな奴??」



華「う゛〜〜だからちがぁーーうっっ!!」



結局、二人の誤解を解くのに一晩かかってしまった。






次の日、学校に向かう通学路を歩いていると後ろから怪しい人影が近づいてきた。



華(まさか……ストーカー!?)



……………バッ

わたしは思い切って後ろを振り返った。



薄井「あ…。バレた」


華「薄井先輩!?後ろにいるなら声を掛けてくれてもいいんじゃないですかっ!?」


薄井「花子」



華(なに?いつになく真剣な眼差し…?)



薄井「きぃーたぁーまぁーえぇーーいっ!」



叫んだ薄井は華の腕を掴み、特急電車のごとく学校に向かって走った。




華(ひょ〜〜!?早過ぎてなにがなんだかわからないーー!?)




…………ガラガラ



気がつくとある場所に辿り着いていた。



華「ここは…保健室ですか?」



薄井「ああ。そうだよ」



華「あっ!?わたしまだ靴を履いたままですよ」



薄井「じゃあ靴をぬいでそこに座っていなさい」



薄井はそう言い残し、部屋の奥へ行った。


華「??」



わたしは言われた通り椅子に座った。しばらくすると薄井先輩が消毒液とガーゼ、ピンセットを持ってやって来た。



華「怪我でもしたんですか?薄井先輩」


薄井「君は…山田が好きかい?」



華「…!なんでそんなこと聞くんですか?」



薄井「花子。正直に話してくれ。君は昨日カフェを出てから泣いていたね?山田に何かされたんじゃないのかい?」



華「それは……ただちょっと不意をつかれただけです……。」



華(山さんにキスされたなんて言えないよ……)



薄井「不意をつかれてキスをされたんだねっ!!??」



華「知ってるなら聞かないで下さいーー!?」



薄井「何処だっ!?何処にされたんだ!?首かっ?口かっ?ほっぺかっ?それとも足かぁぁぁーーー!?!?」



華「おでこですよっ!!」



薄井「そうか!」




……………べちゃっ

薄井は消毒液をたっぷり染み込ませたガーゼを華の額に押し当てた。



華「うぇ〜…なにするんですかー…」



薄井「消毒だ」



華「……え?」



薄井「山田もそこまで悪い奴ではないと思うんだがな…。まぁ、とりあえずこれで山田との接吻はなかったことになるぞ☆」



華「薄井先輩……」



薄井「大体君は隙が多すぎる!すきっ腹のようなもんだ!!」



華「先輩、例えがわかりずらいです。」


薄井「ほ〜ら。また隙だらけだぞ?花子」




薄井は華に顔を近づけた。



華「!!」ドキッ



華(あれ?今、妙な感情が??)



薄井「…ん?花子、意外とまつ毛が長いね?まるで…」



華(まるで…なに?)



薄井「イソギンチャクのようだね☆」



華「例えが悪いですよーーーー!?」



薄井「あはっ…あはははは〜〜♪」



………べちゃべちゃっ笑いながら消毒液を華に塗りたくる薄井。



華「薄井先輩……つけすぎですよーーっ!?」



薄井「……臭うな。花子」



華「だ……誰のせいだと思ってるんですかぁぁぁーー!?」



薄井「……僕は透明人間……。」








その後、保健室から出て、教室に帰ると……



龍「立川」



華「はい…?」



龍「………くせぇ」




華(やっぱりにおうんだ〜〜〜……)





その日、立川華から消毒液の臭いが消えることはなかった……。






〜消毒させて?〜完。



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