Cheese2〜友達〜
入学式が終わったその翌日…。わたしはついに6時間もこの不安要素タラタラのクラスメイトと共に授業を受けなければならない。
華(………恐怖。)
雅「立川さん」
華「はっ、ハイッ!」
雅「お、おはよう。」
華「おっ…オハヨー!」
雅「………。」
華「あ、あれ?どうしたの?佐藤さん…」
雅「あの…ね、よかったらわたしと……」
華「??」
伊藤「立川さん!」
華(えっ…!?おっかない人がこっちにキターーー!?)
雅「……あ、わたし、席に戻るね…。」
華「え…、う、うん」
伊藤「あ、ごめん、邪魔しちゃった?」
華「いいえ、大丈夫…ですよ?」
伊藤「そ?よかった!」
華(おっかないから怒らせないようにしなきゃ…。怒らせないように…)
伊藤「ねぇ、あたし、あなたが好き!」
華「なっっっ!?」
伊藤「ああ、変な意味で取らないでよ?あたしが好きなのはあなたのその髪形だから☆」
華「髪…?」
伊藤「そう。そのボンボリ。今時そんなボンボリ付けてる人みないからさぁ〜!なんか小学生みたいで可愛い」
華(小学生………)
伊藤「ねぇ!あたしとお昼一緒に食べない?」
華「えっええぇ!?」
伊藤「ダメ?」
華「いえっ!滅相もないデス!!!」
伊藤「じゃあ決まりね!昼、屋上集合ってことでよろしくぅ♪」
華「いっ伊藤さん!!あの、屋上って……開いてるんでしょうか?」
伊藤「開いてるよ?昨日行って調べたから」
華「そうですか…。」
伊藤「…ねぇ、あたしのこと怖い?」
華「ななななななぜですか!?」
伊藤「だって敬語だし、それに伊藤サンって…。」
華「すいません…」
伊藤「これからは敬語使わなくていいし、それに名前で呼んでくれていいから」
華「……名前って?」
伊藤「玲。覚えてよ?」
華「ハイッ!玲…さん」
玲「…呼び捨てでいーって…。じゃあね、立川 華サン?」
華「う、うんっ!」
華(玲…さんって意外といい人だぁ…!!)
雅「……………。」
そして昼休み………
華(ふぅ〜、やっと午前の部、終了…っと!購買でパンを買って…屋上へ行こう!)
購買にて……。
華(うわぁ…!すごい人だなぁ…ちゃんと買えるかな?)
??「どぉ〜けえぇぇぇぇ!!!!」
華(ヒィィィ!?)
??「あ、おばさ〜ん、チーズパンってありますか?」
おばさん「ハイハイ、あと3つ残ってるよ」
??「じゃあ、それ全部、僕に下さい。」
華(チーズパン!?うそっ!!食べたい!)
おばさん「はいよ〜」
??「あはっ、ありがとう!おねぇさん♪」
華
??「よぉ〜し、Breakfastゲットだ☆帰るぞ!ユウ!!」
優「あのさ…、Breakfastって朝食って意味じゃないっけ?」
??「………そんなことはどっちでもいい。帰るぞえ〜〜!」
優「はぁー…。」
華(今の人って……二年生?変わった先輩だなぁ……)
………屋上にて。
華(すっかり遅くなっちゃった…玲さん怒ってないといいな…。)
玲「………。」
華「あっ、玲さ…」
鈴木「………。」
華(あれ…?鈴木…くん??)
鈴木「まさかお前とこんなところで会うとはな…」
玲「ようやく思い出したか…。泣き虫龍。」
龍「うっせぇ。もう俺はガキの頃とはちげぇーんだよ」
玲「ふん。そのセリフ、あたしに勝ってからいいな」
龍「…望むところだ」
華(この二人って…知り合い……??)
玲「……華?」
華(あ…どうしよう、見つかった…)
龍「…立川」
華「へっ……?」
龍「わりぃ。この女、少し借りてくぜ」
華「…え?え?」
玲「ちょっと用事できちゃったから先に食べてて?…ごめん。華」
華「…ふっ、二人ともこれから何処にいくの??」
玲「…内緒。」
華「…喧嘩ならやめて!!!」
玲「!」
龍「…なんだ、わかってんじゃん。立川」
華「お願いだから喧嘩は…」
玲「…あたしの友達なら見守って?」
華「とも…だち」
玲「…ね?」
華「…うん。わかった。…わかったよ、玲」
玲「……サンキュー」
そう言って笑った玲は鈴木くんと共に屋上から出て行った…。
独りぼっちになったわたしはなぜだか悲しくなってお昼を食べることなんて忘れてしまっていた………。
〜友達〜 完。