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とろけるCheese  作者: KoKoRo
146/156

Cheese146〜君の味方〜

清々しい秋晴れを迎えたこの日、いよいよ体育祭の後半戦がスタートした。



華「よしっ!まずは綱引き頑張るぞ〜!」



??「うはははは♪」



華(むっ?この間の抜けた笑い声の主は……)



薄井「皆の衆、引きたまえ〜〜い♪」


(遠く離れた綱の端を持って応援する薄井)



坪井&優「おまえも引け――――!!!」



浅井『おお〜っと!?青組が一気に黄色組を押しています!?』


(アナウンス中)



薄井「あははは☆そ〜れ、わっしょい♪わっしょい♪)



坪井&優(神輿じゃねぇぇぇえええ!!!)



―――バァンッ


(ピストルが鳴る)



浅井『なんと――!?青組の逆転勝利です!!』



薄井「わっははは〜!当然だ♪」



坪井&優「……」


(薄井の前に立つ二人)



薄井「なんなんだ君達は!?」



優「ちょっと反省会しよっか?」にこぉ〜


(薄井の体操着をつまみ、薄井を引きずる優)



華(連れ去られた――!?)



圭「たっちゃ〜ん!」



華「ほへ?」



圭「なんかポッケから落としたよ?はい!」


(華に紙を渡す圭)



華「ありがとう……」



浅井『続きまして、赤組男子と白組男子の対決です』



圭「やっべ!!出番だにぃ〜」


(配置に戻る圭)



華(なんの紙だろう?)


……ぺら


(渡された紙を開く華)


するとそこには、『好きです。付き合って下さい』と書かれていた。



華(わたしにこれを渡したのは堤之原……くん。じゃあ、堤之原くんがわたしのことを??)



華「えぇええっ!?」



玲「どうしたの華!?突然大声出して!」


(華のもとに駆け寄る玲)



華「ななっ、なんでもないよ!?」


……カサッ


(ポケットの中に紙を隠す華)



玲「そ〜お?じゃあ、男子の応援いこっ」



華「うん……」



わたしのモヤモヤは晴れることなく、時は無常に流れ、いよいよ最終種目である色別対抗リレーが始まろうとしていた。



華(一人でトラック2周も走れるかな)


(列に並ぶ華)



優「立川さん!」



華「のだかせんぱぃ」



薄井「よっ!花子。無事に退院していたのだな♪」



華「はい。その説は色々とご迷惑をお掛けしました」



優「あれ?立川さん、一人?」



華「はぃ」



優「えっ!?だって一人1周なのに、二人分走るなんて無茶だよ!」



華「でも、やるしか―…」



『只今より、最終種目である色別対抗リレーを行います。選手の皆さんは所定の位置について下さい』



優「いくらなんでも立川さんには荷が重過ぎるよ……。俺、寺島先生に言ってくる!」



薄井「待て。メダカ」



優「なんで止めるんだよ!?」



薄井「君を止めているのは花子だ」



優「!?」



華「……」


(優の体操着を掴む華)



華「わたし、頑張るって決めたんです。だから、無茶苦茶だってわかってても、最後まで走りきります!」



優「立川さん……」



薄井「偉いぞ。花子」



華「……」ぽか〜ん


(口を開けて茫然とする華)



薄井「なんだ!?急にやる気がなくなったのか!?」



華「いえ!薄井先輩から褒められるとは思っていなかったので……」



薄井「僕もたまには人を褒めるのだよ。……すごくたまにだ☆感謝したまえ」ニヤリ



華(あ〜…なんか違う!急に褒められた気がしなくなってきた……)



優「俺、なんか余計なことしたみたいでごめんね」



華「そんな!嬉しかったです」



『それではこれより色別対抗リレーを行います』



いよいよだ……



玲「位置について〜、よ――い」



……バンッ


(ピストルを鳴らす玲)



華(そういえば玲がピストル打つ係なんだよね。走る前にちょっとでも話せたらいいな。緊張、少しは解れるかも)


(軽く深呼吸する華)



山田「きぃろぉおお――――!!根性みせたれぇえええ―――い!!!」


(旗を振り回しながらエールを送る山田)



『黄色組の団長は、後ろにさがって下さい。選手の邪魔です』



山田「……チッ」



浅井『舌打ちすんな!?こらぁああ―――!!』



華(会長さんが怒ってる!?)



薄井(恥ずかしいヤツめ。……そんなに山田のことが気になるのかい?)



書記「会長。これマイク入ってるんで、暴言は控えて下さい。皆びびってます」



浅井「わかりましたよッ!フンッ」



書記(子供だ……)




そんなこんなでレースは進み、現在の順位は1位赤組、2位黄色組、3位白組、4位青組となっていた。



華(ヒィィ!?1位で回ってきた―――!?)



玲「華!!落ち着いて!リラックスリラックス!」



華「よしきたっ!ス〜〜はぁぁ〜…」



その頃、華の後方では…



薄井「いよいよ花子の出番だな」



優「うん」



赤組女子「ふがぁあああ!!!」


(もの凄い勢いで華にバトンを渡そうとする)



華(MAX緊張―――!!)

……パシッ


(バトンを受け取る華)



玲(華、あんたはやればできる子よ!!あたし、信じてるからね)



優(頑張れ。立川さん)



華(ふぎぃ―――!!)


(全速力で走る華)



薄井(無茶苦茶だ……。最初からあんなに飛ばして最後まで持つわけない。落ち着け!花子!!)



華(く、苦しい……。あと一周半、走らなくちゃ……)



譲「よぉ、もう力尽きたのか?」


(華の横に並ぶ譲)



華「!!」



譲「ま、のろのろ走ってろよ。これで白組の優勝だな」


(華を抜き去る譲)



華(悔しい……わたしがもっと速ければ!!ここまで一位を繋いで走ってきた赤組の人達に申し訳ない――…)


(黄色を応援する山田の前を通過する華)



山田「……ばれ」



山田「がんばれ――!!立川さ―――ん!!!」



華(山さんの声が聞こえる……。ありがとう、山さん……)



白組に続いて、黄色、青組と、わたしは次々と抜かされていった。



華「ハァ……ハァ……」


(二周目を走る華)



「がんばれ―――!!」



華(なんだか色んな人達の声が聞こえる)



「立川」



華(幻聴――…?だって、この声は……)



龍「よく頑張ったな。後はまかせろ」


(ぽんと華の頭を叩き、華の手からバトンを奪う龍)




わたしはほんの一瞬、この人に好かれている玲がうらやましいと思った。






〜君の味方〜 完。



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