Cheese139〜秘密暴露〜
病院で携帯を壊され、先輩には不意打ちにキスをされ…わたしの頭は混乱していた。
翌日、学校にて
玲「やっば〜、遅刻ギリギリ。おっはよ!華」
(華の肩を軽く叩く玲)
華「れ〜い〜…」
玲「あらら…今日は寝癖が多いじゃない?それにいつものあれがない」
華「ボンボン?」
玲「そっ!あれがないと、華じゃないみたいね〜。何かあったの?」
華「今日は地味に目立たず過ごそうと思って…」
玲「いつもの華らしくないって!やっぱり結んでないとさ」
華「うん…」
圭「そっかなぁ?俺は可愛いと思うけどな」
玲「突然でてきて何言い出すのよ…って、あんたの髪の毛どうなってんの!?」
圭「たっちゃんとお揃だね♪」
華「あ…はは…」
玲「華と一緒にしないでよ!シッシッ!」
圭「ちぇ〜」
(席に戻る圭)
華「わたしの寝癖って、そんなにひどい…?」
玲「うん。かなり」
華(鏡を見るのが恐ろしい…)
玲「あたし、ワックス持ってるから、その寝癖、直してあげる」
華「ありがとう、玲」
高橋先生「伊藤〜!立川と仲がいいのはわかるが、席に着け〜!HR始めるぞ〜」
玲「はーい」
華(やっぱり持つべきものは友達だ!)
雅
その日の午後…
玲「次の時間って、全校集会でしょ?だっるいな〜」
華「前期委員会活動の報告と、校長先生のながぁ〜いお話だよね」
玲「校長の話聞くだけでもつらそ…」
高橋先生「立川」
華「はぃっ!?」
高橋先生「佐藤がどこに行ったか知らないか?さっきから見辺らないんだ」
華「え?」
その後、雅ちゃんが戻ってくる気配はなく、私たちは全校集会を行う体育館へと向かった。
――体育館にて
玲「佐藤さん、まさかサボり?」
華「それは違うんじゃないかな?きっと何か理由があるんだと思う」
玲「理由ねぇ…」
浅井「それではこれから前期委員会活動報告を、各委員長より発表お願いします。まずは―…風紀委員会、お願いします」
山田(げろ。なんでトップバッター?)
(渋々、体育館ステージ中央にある教壇に立つ山田)
山田「え〜、我々、風紀委員会は、最終下校時刻を過ぎて学校に残っている者がいないかの確認、およびペナルティー制度の実施を行いました。ちなみにペナルティーってのは、芸人の方じゃないんでよろしく。以上」
シ――ン…
(体育館にいる全員がア然とする)
浅井(空気読め――!?)
華(さすが山さん…。詳しい説明なしでまとめた――!?)
浅井「続いて美化委員会、お願いします」
薄井「は――い」
浅井(しまった!?1番空気読まない奴を呼んじゃった!?)
――ざわざわ
(体育館が一瞬にしてざわつく)
華(なに?なんでこんなにうるさくなるの…?)
薄井「前期美化委員会活動報告書。2年A組、薄井翔」
華(なぜ作文口調――!?)
薄井「美化委員会の顧問は、最近結婚したあげく、奥さんに子供ができたと喜んでいるラッキーボーイT.Tこと、高橋武です」
高橋先生(や…やめてくれ――!?)
薄井「T.Tの指導が行き届かないせいで、三年の先輩方はいつも適当な理由をつけて活動に参加しませ〜ん!」
三年美化委員(あいつ、チクりやがった――!?)
薄井「活動としては花壇の水やりと…草をむしりました♪」
全員(どこのだ――!?)
薄井「そうだ!せっかくの機会だ。浅井くん!」
浅井(こっちを見るな――!!)
薄井「Cheese同好会を正式な部として、受理したま〜〜え!」
……ドカッ
(誰かが薄井を押し飛ばす)
―――グシャッ
(薄井、転倒)
薄井「痛いではないかッ!いきなり突進するとは何事だ!?この無礼者!」
雅「……」
(教壇の前に立つ雅)
華「雅ちゃん?」
玲(なんであいつ、あんなとこにいんのよ…)
「今まで嘘をついて生きていました」
(雅の声だけが体育館に響き渡る)
淳「!」
高橋先生「おい、佐藤…何を言う気だ…!?」
――全校生徒のいる前で……!
華「―――!!」
雅「俺は……」
圭(え?え?これ、ヤバイんじゃね??うーわ!校長、ガン見してるし…)
雅「俺は男です」
――――……
(体育館内が静まり返る)
薄井「な、なにを言ってるんだ?君は…」
雅「信じられないというなら、ここで脱いでも構わない」
(ワイシャツのボタンに手を掛ける雅)
淳「!」
(体育館ステージに向かって走り出す淳)
薄井「落ち着け!全校生徒が君に注目してるんだぞ!?」
雅「俺は落ち着いてるよ」
浅井「そこの一年生!悪い冗談はやめて、早くステージを降りなさい!!」
雅「……」
(なおも脱ぎ続ける雅)
校長「なんなんだ…あの生徒は…。誰か止めさせて下さい」
寺島先生「私が…」
高橋先生「寺島先生、僕が行きます」
寺島先生「高橋先生…」
華(やめて…雅ちゃん。お願いだから、やめて!このままじゃ、雅ちゃんが壊れちゃうよ!!)
淳「やめろ」
(雅の手を掴む淳)
華(淳くん…?)
雅「なにすんだよ!?離せよ!!」
淳「おまえ、馬鹿なんじゃないの?全校生徒の前で裸になって、これが証拠ですとでも言う気?アホすぎて笑えねーよ」
雅「おまえにだけは……言われたくねぇ!!」
―――ボカッ
(淳を殴り飛ばす雅)
薄井「ぐぇ!?」
(飛ばされた淳の下敷きになる薄井)
淳「のやろうッ!」
―――ガッ
(雅を殴る淳)
薄井「ジュ…ジュンジュンまで喧嘩はやめたま……」
(ふらつきながら淳の前に立つ薄井)
雅「効かねぇんだよ!!」
―――ドゴッ
華「―――ゲホッ…」
(雅のパンチが華に直撃する)
雅「は……な…」
華「お願いだから、もう……やめ……て」
―――バタッ
淳「立川さん!!」
薄井「花子ッ!」
あれ?
今、淳くん、わたしのこと「立川さん」って呼んだ…
ショックだなぁ…
男の子に殴られたら、こんなに痛いんだ…
息をするのが苦しい…
わたし、どうなっちゃうのかな………
〜秘密暴露〜 完。