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とろけるCheese  作者: KoKoRo
135/156

Cheese135〜人質携帯〜

学校が終わると、玲は部活にいくと言って、すぐに教室を出て行った。

 わたしは結局、玲に何も聞けなかった…。



華「…はぁ」


(鞄の中にあるポテチをみつめる華)



雅「華ちゃん、ちょっと話しがあるんだけど…」



華「ごっ、ごめん!!わたし、用があって…。それじゃあ!」


(足速に教室を出る華)



雅「……」



華(なんでわたし、雅ちゃんから逃げてるんだろう…)



??「後ろの少年、だぁ〜あれぇ〜♪」



華「ギャヒィッ!?」



薄井「色気のない叫び声だね?かわいくないぞッ!」



華「脅かさないで下さい!?薄井先輩!」



薄井「君が驚きすぎなんだよ!…で。これからどこに行くんだい?」



華「今日は帰ります」



薄井「…これからどこに行くんだい?」



華「か、帰ります」



薄井「……これからぁ〜どこに行くのかなぁ〜?」


(不気味な笑みを浮かべる薄井)



華「Cheese同好会です!」



薄井「よし!では行くぞ☆」


―――むんずっ


(華の制服を掴む薄井)



華「なんですか?」



薄井「逃げないように」



華(嫌な予感…)



薄井「薄井でGO――→!!!」


(突然走り出す薄井)



華「それを言うなら、電話でGOです――!?」




―――写真部室にて



優「……」もぐもぐ



――ガラッッ


(勢いよく扉が開く)



優「!!??」



―――ガサッ


(咄嗟に袋を隠す優)



薄井「メダカ〜!花子を捕獲してきたぞ〜♪」



華「先輩!制服が伸びきっているので、離して下さい!?」



薄井「…臭うな」



華「そんなに!?わたしって汗くさい女だったんだ…」



薄井「何を勘違いしてるんだね?花子からはフローラルないい匂いがするよ」



華「なっ!?褒めたって何も出ませんからね!」


………バシィッ


(薄井をど突く華)



薄井「ちっがぁう!今は花子の匂いの話しではなく、マンゴ〜♪のトロピカルな香りの話しだ!」



華「そういえば、甘い匂いがしますね」



優「し、しないんじゃないかなぁ?」



薄井「出したまえ」



優「なんのことかさっぱり…」



薄井「これだぁぁあ!」


(優の手から袋を奪い取る薄井)



優「あ!?俺の夕飯!」



薄井「え゛?」



華「え?」



優「へ?」



薄井「この期間限定のマンゴークリーム入りマシュマロが夕飯…?キミは親から虐待を受けているのかね!?」



優「違うよ。今日、家に誰もいないから…」



華「でも、これだけじゃお腹空きませんか?」



優「うん、空くだろうね…。確実に」



華「ポテチ」



優「ん?」



華「このポテチをあげますから死なないで下さい!」



優「あはは…死なないとは思うけど、気持ちだけ受け取っておくよ。ありがとう。立川さん」



華「いいえ!ダメです!もらってくれないと困ります!」



薄井「まさか…花子!?そのポテチに毒でも盛ったのか!?」



華「盛りません!」



優「あれ…?立川さん、携帯鳴ってるよ?」



〜〜♪


(氣志團の着うたが流れる)



薄井「ふむ。変わった趣味をしているね?花子」



華「薄井先輩の携帯では…?わたしは常にマナーモードに設定してますから」



優「でも、立川さんの鞄から聞こえる…」



華「あれ?な、なぜ??」


鞄から携帯を掴み取ると、髑髏のシールが貼られた黒い携帯が出てきた。



薄井「変わってるね♪花子の携帯」



華(誰のですか――!?)



―――ガサガサッ


(鞄の中を漁る華)



優「どうしたの?」



華「これ、わたしの携帯じゃないんです!わたしの携帯が…ない!?」



薄井「とりあえず電話に出てみたらどうだい?ひょっとしたら、その携帯の持ち主からかもしれない」



華「うぅ…」



―――ピッ


(通話ボタンを押す華)



華「もしもし…」



『あ、やっと出たね?立川チャン』



華(この声は――…氷河真!?)



氷河『今、立川チャンが持ってる携帯、オレのなんだ〜。昨日、キミの携帯とすり替えたんだけど、気付かなかった?』



華「いつですか?!」



氷河『オレが鞄持ってってあげたでしょ?あの時だよ』



華「ヒドイ…。目的はなんなんですか!?まさか、身代金を要求するつもりじゃ…」



氷河『要求ならあるよ。今すぐ病院へ来い。さもなくば、キミの携帯がクラッ〜〜シュ…』



華「行きます!今すぐに行きますから、携帯だけはっ…」



氷河『すぐに来いよ?』



ツー…ツー…


(電話が切れる)



華「……」



薄井「どうした?花子」



優「なんか身代金がどうとか言ってなかった…?」



華「わたし、ちょっと用事ができまして…行ってきます!」


(写真部室を出ようとする華)



薄井「待ちたまえ!!」



華「止めないで下さい!?携帯が人質に取られたんです!助けに行くんです!!」



薄井「僕達も同行しよう」



優「立川さん一人じゃ危険だから」



華「先輩方に迷惑は掛けられません。これはわたしの戦です。決着をつけてきます!」



薄井「花子!健闘を祈る!」



優「…へ?」



華「ハイッ!」


(部室を出る華)



優「やっぱり一人で行くのは危険すぎるよ…。俺、行ってくる」



薄井「待て、メダカ。様子を見よう」



優「……?」





―――山下病院前にて



華(必ず氷河真を討ち取ってみせる…!)



氷河「やっほ〜」



華「!?」


(屋上を見上げる華)



氷河「遅かったね」


(屋上から華の携帯を手元でぶらぶらさせる氷河)



華「返せ!!」



氷河「返してほしけりゃここまでおいで」



華「!!」ムカッ


(屋上に向かう華)






―――屋上にて


華「はぁ…はぁ…」



氷河「お疲れさん」



華「返して下さい!いい加減にしないと怒りますよ!?」



氷河「もう怒ってんじゃん」



華「〜〜!!」



氷河「メモリに入ってた淳くんって彼氏?」



華「勝手に見ないでっ…!」


(氷河から携帯を奪おうとする華)



氷河「おっと、暴れんなよ?携帯、屋上から落とすよ?」



華(やっぱり最低だ…。この人、最低っ…)



氷河「条件をのんだら返してやるよ」



華(どうせお金――…)



氷河「キスして」



華「――え?」









〜人質携帯〜 完。



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