表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とろけるCheese  作者: KoKoRo
133/156

Cheese133〜謎の青年現る〜

 体育祭まで残り一週間。わたし、立川華は、なぜか最終種目であり、体育祭の華でもある色別リレーに参加することになってしまい…



寺島先生「コラァ!?立川!やる気を出さんかっ!」



華「これでも精一杯走ってるんです――!!」


(グランドのトラックを走る華)



 そしてなぜかわたしは、放課後に練習(色別リレー参加者強制練習)をやるはめになってしまった…。



寺島先生「たちかわぁぁ!しゃきっと走れ――!」



華「走ってます――!」


(ようやく走り終える華)



寺島先生「立川、お前は俺と同じ赤組なんだからな。覚悟しろよ?」



華(なにをですか――!?)



寺島先生「よーし!次は二年走るぞ―!アキレス腱伸ばしとけ〜」



華「ぜーはーぜーはー…」



優「お疲れ様。立川さん」



華「野高先輩!?」



優「いきなりトラック5週はキツイよね…。立川さん、よく頑張ったと思うよ」



華「先輩も色別リレーに出るんですか?」



優「うん。なんかね、成り行きで…」


(後ろを振り向く優)



華「?」



―――ズドドドドッ


(後方から足音)



薄井「わはは〜♪僕より前を行く者は、アリ一匹許さ〜〜ん!!」



華(無茶苦茶――!?)



薄井「お?花子。ビバッ!」



華「薄井先輩も参加者なんですか?あれ?でも、クラスから出る人は男女一人ずつのはずじゃ…」



優「二年からは三人走るんだ。男子二人、女子一人で、三年からは確か四人…だったよな?薄井」



薄井「知らん」



優「…さて、インコースでも取りに行こうかな」


(スタート地点に向かう優)



薄井「メダカ――!!僕を置いて行くんじゃなぁ〜〜いっ!」



華「薄井先輩ッ!」



薄井「んがっ!?なんだ?花子」



華「先輩、後夜祭の日に保健室から突然消えましたよね?どこに行ってたんですか?」



薄井「…なんで?」



華「気になるからです!」



薄井「花子…そのままモヤモヤしていたまえ♪わっははは〜♪♪」



華(…投げたい。今すぐモヤっとボールを投げ付けたい!!)



寺島先生「おい、そこの金髪!無駄口をたたいてないで早く準備しろ!」



薄井「テラテラは相も変わらずにうるさいね」



テラテラ「誰がテラテラだ(怒)」



華(そういえば雅ちゃん、遅いな…。練習サボるのかな…)



寺島先生「じゃあ、二年いくぞ!よーい、スタート」



………ズドドドドッ



薄井「うはははははははははは―――!!」


(スタートダッシュする薄井)



寺島&華(バカがいる――!?)



優(薄井はほっといて、自分のペースで走ろう…)


(華をみる優)



優(…よし!頑張ろっかな)



高橋先生「たーーちーーかーーわーー!」


(グランドから見える窓から顔を出して叫ぶ高橋)



華(見ないフリ…見ないフリ…)



高橋先生「ちょっと頼みたいことがあるんだ――!ちょっとこーーい!」



華「…はひ」


(とぼとぼ歩き出す華)



……






―――職員室にて



華「先生、わたしに頼みたいことってなんでしょう?」



高橋先生「数学の課題だ」


(山積みの課題を机の上に置く高橋)



華「これ全部ですか!?」



高橋先生「悪いんだが…立川!これを鈴木が入院している病院まで運んでくれないか?」



華「えぇ!?」



高橋先生「本来ならば先生が行くべきだろう。しかし!僕にはやらなければならない仕事が、この課題よりも山のようにあり―…」



華(用するにパシリにされている!?)



高橋先生「と、いうことで立川。これを山下病院まで運んでくれ。確か…立川の家の近くだったよな!」



華(やっぱりパシリなんだ――!?)



高橋先生「頼んだぞ〜」



華「…はいぃ」



重い荷物を持ちながら、わたしは山下病院へと向かった。






―――山下病院にて



華(やっと着いた…。鈴木くんはどこの病室にいるんだろう?)


(辺りをキョロキョロと見渡す華)



「どいてどいて――!!」



華(ん?)



―――ドカッ


(車椅子に乗った誰かが華に激突)



華「びゃっ!?」



「だからどいてって言ったじゃ〜ん」



華「ムッキー!そっちが勝手にぶつかってきたんでしょう!?」



「ごめんごめん!大丈夫?」


(華に手を差し延べる)



華「平気です!一人で立てますから」



「なんか落としたよ?…うわっ!?数学の問題ばっかじゃん!」



華「拾ったものを勝手に見ないで下さい!?」



「へ〜、高校でこんな問題習うんだ」



華(?)



「君、病人じゃなさそうだし、誰かのお見舞い?」



華「はい。鈴木龍っていう人に届けものがあって来たんです。でも病室がわからなくて…」



「鈴木?オレと同じ病室だからよく知ってる。案内するよ」



華(よかった。助かったかも。それにしても、この人、車椅子に乗ってるけど、そんなに悪い病気なのかな?)



「チョコ好き?」



華「へ?あ、はい」



「ポッケに入ってたからあげるよ」


(華に向かってチョコを投げる)



華「ありがとう…」



「看護師さんがいつもくれんだけど、オレ甘いもん嫌いだし」



華「苦手だって言えばいいのでは?」



「なんかさー、悪いじゃん?断んの」



華(耳にピアス三つもつけてる…!痛くないのかなぁ?)



「鈴木クンの病室、ここだよ」



華(本当だ…。鈴木龍って書いてある)


(中を覗く華)



―――ザァァ…


(窓から風が吹き付ける)



華「!!」



龍「……」


(開いている窓の外をみつめる龍)



華「……」ドキッ



龍「よぉ、立川じゃねーか」



華「うん、立川…です」



龍「相変わらず変な奴」



華「鈴木くん、怪我は大丈夫?」



龍「二週間すりゃあ治るとか言ってたな」



華「そっか…」



「鈴木クン、飴いるー?」



龍「いらねぇっつてんだろ!タコ」



「通りすがりの看護師さんがくれたんだよ」



龍「立川、そいつとはあんま関わんねぇほうがいいぜ?」



華「なんで…?」



龍「氷河真。一年前までこの町内シメてたヤンキーだ」



華「え゛?」



氷河「よろしくね?立川チャン」



華「……」





早くも嵐の予感です…。








〜謎の青年現る〜 完。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ