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とろけるCheese  作者: KoKoRo
13/156

Cheese13〜秘め事〜

美化委員会でやる朝の当番での出来事。わたし、立川 華は友達の佐藤 雅ちゃんに水をかけてしまった。



そして今、雅ちゃんのジャージを持って超特急で家庭科室に向かっていた。


しかし、わたしはあることに気がついてしまった。



華「鍵っ!?鍵しまってるかもっ!?」



雅「大丈夫。開いてるみたい」



華「よかった〜!とっ、とにかく雅ちゃんは早くジャージに着替えた方がいいよ!?」



雅「うん。ありがとう、華ちゃん」



華「雅ちゃん…。こんなヒドイことしたのに怒りもしないで、優しすぎるよ…」



雅「華ちゃんだから許せるの。それにわたし………」


華「?」



雅「華ちゃんのこと、大好きよ」



華「えぇっ!?本当にっ!?」



雅「あっ、ええと、友達として好きなの」


華「うん!ありがとう!!雅ちゃん」



雅「じゃあ、着替えてくるね」



華「あっ!着替え終わったら呼んで?一緒に教室に帰ろう??」



雅「うん」






そして、佐藤 雅は家庭科室の扉を開け、中へと入っていった。




華(ん?何か忘れてるような??)



華(あっっ!!!タオル持ってきてない!?濡れたままじゃ駄目なのに〜〜〜!?急いで取ってこなきゃっ!)



わたしは全速力で教室へと向かった。







教室に着くと、わたしは急いで自分の席へ行き、鞄の中にあるはずのタオルを探した。




華(あれ?ない、ない、ない〜〜!?)


龍「何がない?」



華「タオル!!!」



龍「おらっ、使え」

…………ヒョイッ

おもむろにタオルを投げる。



……………パシッ

そのタオルを掴むわたし。

華「ありがとう!!…ってあれ??わたし、何か言ったっけ?」


龍「言わなくてもわかんだよ。」



華「鈴木くん…このタオル、濡らしちゃうけど使ってもいい?」


龍「血じゃねーならいいよ」



華「あ、ありがとう!!」



鈴木くんにお礼を言った後わたしは教室を飛び出し、家庭科室へと走った。








家庭科室に着くと……


華(はぁー…はぁー…つ、疲れた…。雅ちゃんまだ着替えてるのかな)




華(………でもタオル渡さなきゃ!?えぇ〜いっ!!)




わたしは一先ず扉をノックし、家庭科室の中へと入った。



華「雅ちゃん!このタオル使っ………」



雅「!?」





華「…………え?」








わたしは目の前にいるはずの雅ちゃんの姿が信じられなかった。



この子はわたしの知っている雅ちゃんではない。

体つきが女の子のものではない。

あるはずの胸がない。

ほのかに筋肉さえついているその身体は……



雅「………見たの?」



華「…………」





……男の子の身体だ。




華「なっ…なんで……?」



雅「騙すつもりなんかなかった。身体が女じゃないだけ……」



華「え……?」



雅「本当はこんな身体、華ちゃんにだけは見られたくなかった。せっかく友達になれたのにっ……」




華「雅ちゃん……」



雅「でも……もう見ちゃったんだよね?気持ち悪いでしょ?本当は男のくせに女の子の振りしてたなんて最低だよ……わたし」



華「雅ちゃん、ごめんね」



雅「なんで謝るの?」



華「わたし、さっきの雅ちゃんの姿をみて、ショックだった。今までずっと騙されてたのかなって思った」


雅「……」



華「でも……違うんだよね?雅ちゃんは女の子…なんだよね」



雅「軽蔑した?わたしのこと……」



華「軽蔑なんかしないよ!男の子でも女の子でも、そんなのどっちだっていい!雅ちゃんがわたしの友達だってことは変わらないもん!!」




雅「…………OK。……合格」



華「え…………?」



雅「合格だよ。華」



華「なに……が?」






…………ガタンッ

座り込んでいた佐藤 雅が急に立ち上がり、立川 華を壁に追いやった。



華「痛いっ…!離して!?雅ちゃん……!」


雅「やだ。」



華「…………っ!!」


雅「叫んでもいいよ?どーせ誰もきやしないから」



華「離して」



雅「何?俺が大人しく離すの信じてんだ?」



華「信じてるもん。絶対離してくれるって……!」



雅「じゃあ、離すから協力してよ」



華「……協力って?」


雅「伊藤 玲撲滅作戦。」



華「!?」



雅「協力……してくれるよね?わたし達、お友達だもんね」




華「……………」





その時、わたしは前に鈴木くんに言われたことを思い出していた。

『利用されてポイ系』





でも、絶対に利用されたりなんかしない。


これから何があろうと絶対に…………








〜秘め事〜 完。



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