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とろけるCheese  作者: KoKoRo
129/156

Cheese129〜ハプニング大賞〜

文化祭が無事に終わり、後夜祭が始まろうとしていた。



――1年C組教室にて



華(玲…どこに行ったんだろう?後夜祭、一緒に行こうって誘おうと思ったのに…)



雅「はーなちゃん!」



華「雅ちゃん…。そうだ!玲、見なかった?」



雅「見てないけど…なんで?」



華「後夜祭に誘おうと思ったんだけど、いないんじゃしょうがないよね」


(鞄を持つ華)



雅「帰るの?」



華「うん…」



雅「じゃあ、私と一緒に行こうよ?後夜祭」



華「え?」



雅「いいから早く!」


(華の手を取る雅)



華「雅ちゃん!?」






――体育館裏にて



書記「おぉ〜。自由参加なのに、結構人集まってますよ!会長」



浅井「ああ、そう」



書記「カップルばっかですけど」



浅井「ああ…、そう…?」



書記「俺達、司会進行なんですから、もっとテンション上げてくれません?」



浅井「あ〜あ、なんでこんな企画立ち上げちゃったんだろ。本当っ最悪」



書記「一緒に踊る相手がいないから?」



浅井「そうそう、相手がね…って余計なお世話よ!」





その頃、体育館では…



1年女子「先輩!一緒に踊って下さい!」



優「誘ってくれてありがとう。でも俺はただ見に来ただけだから。…ごめんね」



1年女子「わかりました…。突然お誘いしてすみませんでした」


(走り去る)



優(あの子、知らない子だったな…)



薄井「罪な男だな。メダカくん」



優「見てたのか…。薄井」



薄井「それとも花子がいないか探しているのかな〜?」



優「なっ、なに言ってんだよ!そんな訳ないだろ?」



薄井「プフッ♪何をそんなに慌ててるんだね?」



優「う、うるさいな!」



薄井「さてと。僕もお姫様を探すとしよう」



優「おまえが誘う相手って…誰なんだ?」



薄井「それはヒミツ〜ヒミツヒミツ、ヒミツのあんこちゃ〜ん♪だよ」



優「…アッコだろ」






―――体育館前にて



雅「ちょっと準備してくるから、ここで待っててくれる?」



華「準備って?」



雅「ちょっと…ね。あ、体育館の中には入るなよ?誰かに取られちゃ嫌だから」



華「取られないよ…」



雅「と・に・か・く!そこを動かないでね?すぐ戻る」


(走り去る雅)



華「……」



華(後夜祭、確かダンスを踊るんだよね…。わたしには向いてないかも。カップルばっかりなんだろうな…)



樽本「ほ〜ら!坪井くん、早く!早く!」



坪井「待っててば!…ったく、はりきりすぎでしょ〜」



樽本「あ!あの子、見たことある!」


(華を指差す樽本)



華「どうも」



坪井「ああ!いつぞやの後輩!確か薄井と知り合いの子だよね?」



華「はい…。あの、いいですね」



坪井「へ?何が?」



華「後夜祭、二人で踊るんですよね?素敵だなって思って」



樽本「あなたは…誰かと踊らないの?」



華「わたしは――…」



??「行こ」


(帽子を深く被った男が華の手を取り、体育館の中へと入る)



華(――え?誰…?)



坪井「な〜んだ!相手いるんじゃん」



樽本「すっごい美少年…!ジャニーズ系だったよ!?」


(坪井の顔を見る樽本)



樽本「…月とスッポン」



坪井「悪かったね!」





――体育館内では…



〜〜♪〜〜♪


(ゆったりとした音楽が流れる)



??「華、ワルツは踊れる?」



―――この声は…



華「雅ちゃん…なの?どうして男子の制服着てるの?」



雅「あそこにいる奴にヤキモチ妬かせようと思って」


(体育館の端を見る雅)



淳「……」



華(――淳くん!?)



雅「ごめんね?華。俺、そうとうヤな奴」



華「雅ちゃん、わたし、淳くんとは別れたの。…別れたんだよ」



雅「何言ってんの…?冗談でしょ?」



華「冗談でこんなこと言わないよ」



――――ギリッ


(華の手を強く握る雅)



華「痛っ…」



雅「いい気味」



華「――!」



雅「池本には俺達がどんな風に見えてんのかなぁ?別れた彼女が他の男と踊ってんの見たら、気分悪いだろうね」



華「……離して」



雅「やだね」



華「!!」



………ガッ


(誰かが雅の手を掴む)



薄井「嫌がってるじゃないか。離したまえ」



華「薄井先輩…」



雅「あんたには関係ないだろ?それに、あんたは彼女のなんなわけ?」



薄井「花子は僕の大切な―…」



―――バターーンッ


(体育館の天井から騒音)



薄井「……だ」



華(先輩、今なんて言ったの…?)



坪井「なんだ!?今の音は!?」



優「隕石落下だね」



坪井「真顔でとんでもないこと言わないで下さい!?」




――バタバタバタッ


(誰かが体育館の中にもの凄い勢いで走り込む)



玲「ぜーはーぜーはー…」



華「玲!?」



玲「は、華…」



華「どうしたの?顔が真っ青…」



玲「華、たすけて!!あたし、あたしっ…」



―――パタッ


(その場に倒れる玲)



華「玲――!?」





その後、玲は薄井先輩に担がれて、保健室へ運ばれた…



―――保健室にて



田中先生「文化祭の日に限って倒れるなんて、困った子ねぇ」



華「先生!玲は大丈夫なんですか!?」



田中先生「大丈夫。熱出して倒れただけよ。ほら、38度もあるわ」



華「玲に熱があるなんて気付かなかった…。なのにわたし、文化祭だからって、玲のこと連れ回して…」



薄井「花子、あまり自分を責めるのはよくないよ?…じゃあ、僕は戻るから」



華「薄井先輩!」



薄井「なんだ!?保健室ではお静かに!」



田中先生(おまえがそれを言える立場か!?)



華「玲のこと、ここまで運んで下さってありがとうございました」



薄井「まったく、花子の傍にいるとハプニングの連続だな」



華「す、すみません」



薄井「――でも、退屈しないよ」



華「!」




―――ガラッ


(保健室の扉が開く)



田中先生「あらあら、またお客さ―…」



華「ヒィィッ!?」



薄井「ハプニング大賞だ…」




そこには血まみれの鈴木くんが立っていた……









〜ハプニング大賞〜 完。



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