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とろけるCheese  作者: KoKoRo
125/156

Cheese125〜最高の仲間達〜

文化祭2日目、午後1時。



――――開演――――



…………♪


(ギターの音が体育館に響く)



淳「………」



圭「あれ?幕上げないの?」



譲「初っ端からMCかよ」



『今日は――俺達、ピンクレモン…略してピンレモの初ライブです』



華(淳くんの声だ…)



『曲はぶっちゃけ…1曲しか出来てません』



「えぇ――――!?」


(会場から大ブーイング)



『でも、一生懸命、全員で作り上げた一曲です。聞いて下さい』



(幕が上がる)






――――ピカッ


(ステージにライトの光が降り注ぐ)



譲(うわっ…眩し…)



副会長(チャラチャチャッチャチャ〜ン♪生徒会特別使用のドデカライト〜!)



淳「圭!よそ見すんな。前見ろ、前!」



圭「え?あ、はい…」



淳「One,Two,One,Two,Three…」

(譲と目を合わせる)



譲(OK)




―――――♪♪♪


(ドラム音が響く)



淳「時期外れな曲ですが、聞いて下さい。タイトルは――『桜色』」



―――♪♪――♪


(ギターとベースがドラムと重なる)




―――♪



薄手のコート 袖通して

春の匂いがする 街へ

誰かの家の壁に そっと 花開くタンポポ

そう 今日は 小春日和


見慣れた景色も いつもと違う 君が隣にいるから



桜並木 君を導いて歩く 風に落ちる花びら

弧を描く空に浮かぶ雲

真顔で見つめてまた歩く


なんとなく切なくて 苦くて…


こんな想いをするなら

玄関から足を踏み出さなければよかった




――――♪♪(間奏)



――♪………



譲&圭(!?)



淳「――――」



――――その瞬間、体育館の屋根の上にて。



龍(ギター、音外したな)



―――体育館手前の廊下にて。



雅(あ〜あ、せっかく聞きに来てやったのに、この様かよ)



―――体育館の入口付近にて。



優(演奏が…止まっちゃった…)



薄井(…さぁ、どうする?)



――――体育館内にて。



山田(おいおい、顔真っ青じゃねーか…。大丈夫かよ…)



玲(早く次の演奏しなさいよっ…馬鹿!)






―――ステージ上では…



淳(手が…動かない……なんでこんな時に――――!!)



譲「………」


(ドラムを叩く譲)




――――――♪♪♪♪


(ドラム音に合わせてベース音が重なる)



圭「♪」ニカッ


(淳に向かって微笑む圭)



『そんな顔すんなって』


『俺みたく笑えって!』



淳「!」




『大丈夫だよ。

淳くんなら出来るよ。

心を落ち着けて、深呼吸。深呼吸。

ほら……輝く未来が見えてこない?』




―――ガンバレ―――




龍「池本」



雅「池本クン」



優「池本君」



薄井「ジュンジュン」



山田「淳」



玲「いけもとぉぉぉ」




――自分を信じて――




華「淳くん」


(手拍子をする華)



――パンッ――パンッ

――パンッ――パンッ…


(会場から手拍子の音が響く)




ありがとう…





――――♪♪―♪




誰かが遊ぶ空き地に そっと 花開くタンポポ

そう 今日は 最高日和


見慣れた桜も いつもと

違う 君が隣にいるから



桜並木 君を導いて歩く

風に落ちる花びら

手を繋ぐ幸せな二人

横目で流してまた歩く


なんとなく切なくて 苦くて…


こんな想いをするなら

家の中でねっころがっていればよかった



ふと頭を撫でたら

嫌そうな仕種で空回り


それでも僕が歩き出すと

君は喜んでついて来る


可愛い瞳をしたパピヨン





「犬かよッ!?」


(会場から大ブーイング)




―――――♪―♪♪


圭(そんな歌詞だったのかよ〜?マジ、最高〜!)←演奏しながら笑いっぱなしの圭




田奈(本当に楽しそう。堤之原さん)



桜(変な歌詞。でも、なんだかあったかい…)



茜(これが高校生の演奏…?凄すぎ…)





――――♪―♪♪


(演奏が終わる)






淳「たったひとつしかない曲を聞いてくれてありがとう。また来年出直して、このステージに立てるような演奏をしたいと思ってます。本当にありがとうございました」



譲「ありがとうございました」



圭「以上!ボーカルとギターやってる池本淳と、ドラムの鳴海譲とベースの堤之原圭でした〜!ピンレモをよろしくね☆」




(幕が降りる)




「え?もう終わり?」


「途中止まったけど、演奏は上手かったよね」


「今の曲、もう一回聞きた〜い!」




「アンコール」



「アンコール!アンコール!アンコール!…」






淳「!」



圭「マジで…?」



譲「どーすんの?リーダー」



淳「なぁ、圭。譲」



圭「ん?」



譲「なんだよ?」



淳「もっかい俺にチャンスくれるか…?」



圭「何言ってんの?淳ちゃん」



譲「当たり前じゃん。なぁ?圭」



圭「もち!」



淳「おまえら…」



譲「オラ!ボサッとすんな!行くんだろ?」



淳「おまえら本当、最高だな」


(三人で肩を組む)



圭「さっきみたいな顔すんなよ?淳ちゃん!どんなときも笑顔ね」



淳「おう」



譲「Are you lady?」




    「Yes」











〜最高の仲間達〜 完。



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