表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とろけるCheese  作者: KoKoRo
121/156

Cheese121〜わたしにできること〜

 時間はあっという間に流れ、気がつくと文化祭当日になっていた。



――1年C組 教室にて


玲「お〜、似合ってる!似合ってる!」



龍「似合ってねぇ!つーか、この恰好で校内逃げ回れってのかよ!?」←(ヒラヒラのドレスを着させられた龍)



雅「ついでにカツラでも被ったらどう?あ、これ私物なんだけど、特別に貸してあげる♪」



龍「金髪のタテロールじゃねぇか!?死んでも被るか!!」



高橋先生「男子が女装すると気持ち悪いなぁ〜!まぁ、捕まらないようにがんばれ」



華「今日は校内だけでやる文化祭だけど、明日は一般公開なんだよね?」



龍「一般ピーポーにこの女装姿見せろってのかよ…?」



華「鈴木くん、ファイトー!」



龍「立川…てめぇ…」


(華の頬をつねる龍)



華「い゛だいぃ〜!?玲ーー!!助けてーー!」



玲「あんた華に何しとんのじゃいっ!?」



雅(なーんか、華の奴…空元気って感じなんだよなー)



淳「華ちゃん」



華「淳くん…?」



淳「今ちょっといい?渡したいものがあるんだけど」



華「…うん」



――――ガラガラ


(廊下に出る華と淳)



華「渡したいものって何かな…?」



淳「明日の午後1時から体育館貸し切りでライブやるんだ。これ、チケット」



華「…!1番前の席?いいの…?」



淳「その席は華ちゃんだけの席。他の誰かには座って欲しくないんだ」



華「淳くん…」



淳「とかいって、チケットもまだたくさん残ってるけどね。生徒会の方に頼んで配ってもらってるけど、全然だし」



華「きっと満員のお客さんでいっぱいになる!大丈夫。わたしが保証するよ」



淳「…ありがとう」



華「最高の演奏をしてね」



淳「努力はする。今の自分が出来る演奏を、ただがむしゃらにやるよ。それが例え人に受け入れてもらえなかったとしても、俺は…」



華「きっと大丈夫だよ。淳くんの音楽に対する思いがどれだけ強いか、わたしは知ってるもん」



淳「華ちゃんがいてくれたからここまで頑張れた。悔いだけは残さない。絶対に」



―――それはちがうよ。



華「うん。…あ!チケットの残りって淳くん、持ってる?」



淳「ああ…持ってるよ。まだいっぱい余ってるから」



―――わたしは貴方の邪魔をしていただけ…。



華「そのチケット、わたしにちょうだい!ねっ?」



淳「いいけど、どうするの?結構余ってるけど」



華「えへへ〜。内緒」




―――淳くん



わたし、決めたんだ…。




せめてずっと、貴方を応援するって……。





―――そして、文化祭が幕を開けた。



玲「お客様二名入りま〜す☆」



女子A「パンフレット見て来たんですけど、ここって校内にいるオカマを捕まえてくればいいんですよね…?」



圭「イエ〜ス、ザッツライト♪」



玲「あんたは引っ込んでなさいよ!転校生!」



圭「え〜!?だって明日のライブまで暇なんだも〜ん。それに俺、今受付当番だし。仲良くやりましょーよ?アネキ」



玲「やめんかっ!?その呼び方ッ!!」



女子B「あの〜、もし捕まえてきたら景品が貰えるって書いてあるんですけど、景品ってなんですか?」



玲「ああ、それはー…」



雅「女の子への景品は、手作りのテディベアでーす。みんな、頑張って捕まえてきてね」



女子A&B(キレイな人ーー!!)



玲(なーにが「頑張って捕まえてきてね☆」よ。営業スマイルもろバレだっつーの!)



圭「あれ…?佐藤さんも受付だったっけ?」



雅「いいえ〜?」



圭「……じゃあ、なんでいんの?」



雅「暇だから☆」



玲&圭(文化祭、一緒に回る奴がいないんだーーーー!?)



華「これ、よかったら受け取って下さい!明日の午後1時から体育館でやるので、来てみてね」



女子A&B「ありがとうございます」



玲「華!?あんたもこんなところで何やってんの?」



圭「あ…それ、俺達のライブチケット…」



華「うんっ!ここに来てくれた人達に配ろうと思って」



圭「たっちゃん、俺達のためにそこまでしてくれんの…?マジ感動なんですけど!!」



玲「泣くな!バカ」



華「わたしにはこれくらいしか出来ないから…」



玲(華…)




――――その頃、3年G組では…



「ギャアアアーーー!」


(教室から悲鳴の嵐)



山田「いやぁ〜、大盛況!大盛況!」



浅井「ヒッ!?その恰好でこっちに来ないでよ!?」



山田「はぁ?ヅラ被ってるから前が見えねーんだよ。つーか、なんなんだよ?このヅラ!」



浅井「何って…去年の体育祭で使ったカツラよ。言ったでしょ?」



山田「こんな貞子みたいなヅラ、体育祭で使ったわけ?」



浅井「そうよ?借り物競争でね」



山田「誰が被ったんだ?」



浅井「寺島先生」



山田「………プッ、てらじまぁ?あの生徒指導の?」



浅井「そうよ」



山田「ハハハッ!最高傑作だな?それ!」



浅井「………」



山田「ひぃ〜!腹いてぇ〜!」



浅井「ねぇ、山田…」



??「うはははは〜い♪弱小お化け屋敷め!そんな脅かし方では僕は倒せんぞ〜?」



三年男子「くそぉ〜!なんなんだよ!?この金髪はッ!」



浅井(このバカみたいな声出してる奴って…)



山田「お?金髪くんじゃん。つーか、先輩様にダメ出したぁ、いい度胸してるねぇ?」



薄井「ダメ出しではなく、冷やかしだ」



山田(……うわっ。今すっげーイラッとした)



浅井「うちのクラスにケチつける気?薄井翔」



薄井「よっ!」



浅井「よ…よう…?」



薄井「これ、うちのクラスで出してるチーズINタコ焼きだ♪お昼に買いに来たまえ」


(山田と浅井にビラを配る薄井)



山田「へぇ〜、うまそうじゃん。…って、お前、クラスTシャツ作らなかったのか?制服のままじゃん」



薄井「クラスで統一した衣装なら、この下にしっかり着込んでいるぞ☆」



…………バッッ


(ブレザーを脱ぐ薄井)



山田&浅井「げ」







やがてこの文化祭が、運命の歯車を狂わす――…






〜わたしにできること〜

完。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ