Cheese118〜女装と鬼ごっこ〜
淳達のバンド活動が進まない一方、Cheese同好会は…
薄井「ケーキ1個の売値は、580円だな♪」
優「……高」
薄井「馬鹿者!僕が作ったケーキは神の賜物だと言われるほどの芸術作品なんだぞ!?そんじょそこらの料理下手が作った代物とは訳が違うのだ!」
優「誰が神の賜物なんて言ったんだよ?…とりあえず、一つ200円が妥当かな」
薄井「安ッ!?」
優「値がつくだけでもありがたいことだと思えよ?ケチ薄井」
薄井「うはは〜?誰がケチだと〜?」
優「じゃあ、200円で決定」
薄井「グビッ!?ま、まぁいいだろう。…ところでメダカくん。なぜ花子を連れて来なかったのかな〜?今日、一緒に水やり当番してきたんだろ〜う?」
優「……一度も話さなかったから」
薄井「会話をしてない?君達は無口だね」
優「目も合わせてくれなかったから、話しかけられなかった…。嫌われてるのかな。俺」
薄井「だろうね」
優「………」
薄井「しょげないでくれたまえ。僕達が避けられていることは事実だろう?」
優「…そうだね。薄井の言う通りだよ」
薄井「でも、原因は君にあると僕は思うがな」
優「………」
薄井「だからしょげるなってば♪」
優「俺の反応みて、楽しんでないか?…薄井」
薄井「うはは〜?なんのことかなぁ?」
優(絶対楽しんでる!?間違いないッ!!)
―――それから、華がCheese同好会に顔を出さなくなって数日が過ぎていった…。
華「……はぁ」
雅「元気ないね?華ちゃん」
華「そんなことないよ!?元気モリモリだよ!」
雅「そか。……で、何にするか決めた?」
華「何が?」
雅「何がって…クラスでやる文化祭の出し物!次の授業までに決めないと、間に合わないんだって。お兄様ったら文化祭一週間前になって、アタフタするんだもの♪見てて楽しいったらありゃしない」
高橋先生「佐藤!その呼び方はやめてくれ!!」
雅「あら〜?いらっしゃったの〜?ごきげんよう」
高橋先生「………」
華「先生も苦労しますね…」
高橋先生「他人事のように言わないでくれ…。立川」
龍「バトルロワイヤルなんてどうだ?」
華「……何ですか?それ…」
龍「来た奴とタイマンして、勝ったら褒美に菓子でもあげとけ」
華(それって……単純に喧嘩ーーー!?)
雅「暴力はんたーい。なんかお店っぽいことして、儲けたいな〜。あ、男子が女装して売るってのはどう?」
華(それって……雅ちゃんのことーーー!?)
玲「そんな馬鹿なことやるより、来た人と鬼ごっこなんてどう?結構スリルがあって楽しそうじゃない?」
華(あ…。なんか面白そう…)
高橋先生「そうか…。みんな、そうゆうことがしたいのか。よし、じゃあこうしよう!男子が女装しながら校内を逃げ回って、それをお客が捕まえたら景品を渡す…で決定!」
クラス全員「エェーーーーー!!??」
高橋先生「文化祭まであと一週間しかないぞ〜!次の時間、早速分担決めるぞ〜」
―――その後、高橋先生が無理矢理話しを進め、結果……「鬼バトロワイヤル」という妙なタイトルでクラスの出し物は決まってしまった…。
華「……はぁぁ〜」
高橋先生「どうした?立川。お前は教室の外飾担当に決まったんだから、早速今日の放課後から頼んだぞ!!ギラギラにして構わんからな〜」
華「先生……わたし、先生にはついていけないです!!」
高橋先生
雅「そんなこと言わずにやろうよ、装飾。華ちゃんは花づくりしてね♪」
華「うぅ……はい…」
(花を作りに、しぶしぶ席へと戻る華)
高橋先生「ありがとう、佐藤」
雅「……何が?高橋先生、もっとちゃんと先生らしいことしないと、いつか生徒に見離されるよ?」
高橋先生「……佐藤は、僕を見離しているか?」
雅「最初から見離してるよ」
高橋先生「………」
―――その頃、2年A組では…
女子「クラスTシャツのデザイン、どーするー?今日中に決めないとダメみたいでさぁ〜」
坪井「俺、断然赤T!後ろに「闘魂」って字を入れて下さいッッ!」
女子「却下。ねぇねぇ、野高く〜ん!野高くんはどんなデザイン希望?」
優「え?俺は何でも…。任せるよ」
薄井「メダカくんが僕に任せると言ったからには、Tシャツなんて地味なものはやめたまえ」
優「薄井に頼んだわけじゃ…」
薄井「このクラスの出し物は何だッッ!?」
優&女子「チーズINタコ焼き」
薄井「ならばこれでどうだぁぁ〜〜〜!!!」
…………バァン!
(机の上に薄井直筆のデザインが書かれた紙を乗せる)
優&女子「!?」
坪井「オ・オォ〜!!斬新かつ大胆!これぞ、THE祭り…!!」
―――同じ頃、華のクラスでは…
龍「何で俺が女装しなきゃなんねぇんだよ!?ぜってぇーやらねぇ!!」
玲「あんたがジャンケンに負けたのが悪いんでしょ?!とびきりのドレス作ったげるから、大人しくサイズ計らせなさい!」
龍「ぐふぇっ!?どこ触りやがる!?てめぇ!」
玲「へ?どこって……はは〜ん?あんた、ワキに弱いんだ〜?」
(龍のワキをくすぐる玲)
龍「ヒヒャヒャッ!?やめろ!あほう!!」
華(仲いいなぁ…。鈴木くん、楽しそう…)
………ガタッ
(立ち上がる華)
雅「どこ行くの?」
華「う゛……トイレです!」
雅「あ、ごめ〜ん」
華(うぅ…。雅ちゃんの無神経!)
―――その後、トイレから出た華は…
華(……ふぅ。そういえば、Cheese同好会の方はどうなってるのかな…。少し、気になるな…)
………トントン
(突然肩を叩かれる華)
華「!?」
譲「立川華さん…だよね?少し話しがあるんだけど、今いい?」
華「―――」
〜女装と鬼ごっこ〜 完。