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とろけるCheese  作者: KoKoRo
114/156

Cheese114〜純情系?〜

 文化祭まであと二週間と迫っていた。


―――放課後の1年C組教室にて。



圭「響け〜〜俺の〜〜ベースプレイ♪」



淳「なんでお前はそんなにテンション高ぇんだよ…」



譲「リーダーがせっかく作詞に集中してんだから、邪魔すんなよ」



圭「すいまちぇんでちた〜…」



譲「コイツ、一発、殴っていいか?」



淳「お好きにどうぞ?」



圭「ワ―――!?スイマセンスイマセン、本当にスイマセン!?」



火護「あの〜、取り込み中のところ悪いんだけど…」



淳「別に取り込んでないよ。何?」



………ドタドタッ


(教室中を逃げ回る圭とそれを追う譲)



火護「……あの転校生と池本くんと堤之原でバンド組んでるんだったよな?」



淳「まぁ、一応」



火護「もちろん文化祭で何かやるんだろ?記事にしたいから、バンドの名前教えてもらえない?」



淳「…え?」



圭「…へ?」



譲「…は?」



火護「いや、バンドの名前…」



圭「俺ら重大なこと、決めてなくね!?」



淳「曲作るので手一杯だったよ…。火護くんさぁ、記事にしてくれるのはありがたいんだけど、もう少し待ってもらえる?」



火護「……わかった」



淳「ごめんね」



火護「締切は明日の朝までね」



淳「早ッ!?」






………その後、淳は作詞活動を続け、圭と譲はバンド名を考えることとなった。



圭「ショッキングバブルズなんてよくね?」



譲「却下だな」



圭「……じゃあ、ゴシックサスペンダラスは!?」



………ガタッ


(急に立ち上がる淳)



淳「お前はパンクにしたいのか!?何なんだよ?そのネーミングセンスのかけらのなさは!!」



圭「何イライラしてんだよ〜?最近、たっちゃんとうまくいってないからってさぁ…」



淳「……そんなんじゃねぇよ」



………ガタ


(席に着く淳)



譲「誰のこと言ってんの?」



圭「淳ちゃんの彼女!今日、茶髪の先輩に横取りされたからイライラしてんの」



………ポカッ


(圭の頭に消しゴムを投げ込む淳)



圭「本当のことだろーー!?……あ゛!!」



譲(彼女ねぇ…)



圭「俺達の下の名前、取って繋げたらすごいぜ!?」



譲「はぁ?何言ってんだよ、お前。頭おかしいんじゃねーか?…いや、元からか」



圭「淳・譲・圭……俺達、純情系じゃん!?」



………ボカッッ


(圭の頭に筆箱を投げ込む淳)



淳「却下。」



圭「ひでぇ!?まだ何にも言ってないじゃんか!?」



淳「そんな妙ちくりんなバンド名にするのは却下だからな!?」



譲「案外イケるんじゃねぇか?」



淳「おいおい…」



圭「なっ?イケてるよな!?」



淳「お前は口を開くな!!」



譲「そのまんまじゃダセェけど、英語にしてみたらバンド名には使えるだろ」



圭「英語にしたら…ウィ〜ハブピュアラブラブ……?」



譲「全体的に違うじゃねぇかッッ!?口縫うぞ、テメェ!!」



圭「ヒィィ〜〜!?」



淳「英語にしたら、One of the naiveだな。あんまりバンド名っぽくないね」



圭「すげぇ〜〜!!淳ちゃん!ちゃっかり英語出来る系?つーか、淳ちゃんがバンド名決めてよ」



譲「そうだな。お前が作ったバンドだろ?」



淳「圭!好きな色は?」



圭「ピンク!!」



淳「ピンクかよ…。まぁ、いいや。譲!嫌いな果物は?」



譲「……レモン」



淳「じゃあ、PINKLEMONで決まりだな」



譲「はぁ!?」



圭「やだよ!そんなガールズバンドみたいな名前!」



淳「お前ら、俺が決めていいって言ったよな?」



譲&圭「……」



淳「よし。決まり!バンド名はPINKLEMON。略してピンレモな」



圭「略したらマシになったね。譲ちゃん」



譲「……まぁな」



淳「バンド名も決まったし、作曲活動手伝えよな?出来る曲次第で、歌詞も変わるから」



圭「じゃあ俺、ベースソロとかやっちゃうよん♪」



淳&譲「お前には無理」



圭「がちょ〜〜ん…」






――そして、翌日になり…



華「へぇ…!バンド名、PINKLEMONにしたんだぁ!」



淳「うん。あんまかっこよくないけどね」



華「そんなことないよ!呼びやすいし、みんなに覚えてもらえそうな感じがして、すごくいいと思う!」



淳「華ちゃんがそう言ってくれるなら、間違いないな」



華「…?」



淳「絶対いいバンドにしてみせる。だからこれからも…」



華「はいっ!応援してます!」



淳「…うん、ありがとう」



華「ふぁ…ふぁ…ハクシュンッッ」


(突然クシャミをする華)



淳「大丈夫?もしかして風邪?」



華「ううん!昨日、ちょっと水被っちゃって…。熱とかなかったから大丈夫だよ」



淳「本当に…?」



華「うん!本当に本当!…あ、予鈴鳴ったから席に戻った方がいいよ?」



淳「うん。じゃあ、また後で」



華「淳くん!!」



淳「え?」



華「今日は一緒に帰ろうね!」



淳「了解。約束ね」



華「うんっ!」



龍「朝からあちぃんだよ…。お前ら」



華「…ヘクシュンッッ!」



龍「色気ねぇクシャミすんな」



華「ずみまぜん……ハックシュン!!」



龍「……」





――その日の放課後…



華「……」ぐたぁ〜


(机に寝そべる華)



龍「おいおい、立川?大丈夫かよ?」



華「平気なのら〜(?)」



玲「全然平気そうじゃないわよ!保健室に連行させるからね!」



雅「なんなら私がおぶっていこうか?」



淳「待って!俺が行く」



玲「…そうね、よろしく頼むわよ」



淳「わかった。華ちゃん、立てる?」



華「…うぅ」


(淳の腕を擦り抜けて倒れそうになる華)



淳「華ちゃ…」



………ガシッ


(誰かが華を抱きとめる)



薄井「ちゃんと支えたまえ」



淳「薄井先輩…」



薄井「Cheese同好会に連行しようと思ったが、こんな状態じゃ無理だな…」



淳「…そんな同好会に華ちゃんを巻き込むのはもう、やめてください」



薄井「行くか行かないかは花子が決めることだ」



淳「………」



玲「…ちょっと龍!この険悪なムード、なんとかしなさいよ!」


(小声)



龍「たりぃ…」





 重い空気を残したまま、薄井は教室を出て行った。





〜純情系?〜 完。



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