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とろけるCheese  作者: KoKoRo
113/156

Cheese113〜爆弾発言〜

 なんで俺は、彼女を抱きしめているんだろう…?



 どうしてこんなに彼女を苦しめているんだろう………?




華「野高先輩……離してください……」



優「―――…」



華「先輩…!」



薄井「なにしてんだね?君達」



華「薄井…先輩…」



優「いや、これは……水被っちゃって、寒いからギュ〜…なんちゃって…ね……」


(華から離れる優)



薄井(苦しすぎる言い訳だな…。まったく)



華「今週、水やり当番なんです。だからその、わたしの不注意でこんなびしょ濡れになって…」



薄井「ほう、水やり当番か。やけに回ってくるのが早いな…。誰かサボって次の奴に回してたりするんじゃないのか!?」



華「そんなこと聞かれても、わかりません!!」



薄井「まぁ、花子を責めても仕方あるまい」



優「ところで薄井、お前は何でこんなところに居るんだよ?」



薄井「机の中に妙な紙が入っていてね。何者かに花壇の前に来いと呼び出されたのだ」



華(…薄井先輩が来てくれてよかった…。野高先輩と二人で居る時と全然違う。三人で居ると、ホッとする……)



―――ドタドタドタッ


(前方から誰かが走ってくる)



一年女子「うーすいセンパーーーイッ!!」



薄井「誰だッッ!?」



一年女子「好きです!!付き合ってくださーーーーーい♪」


(薄井に飛びつく)



華(……なっ!?)



薄井「グェッ……この僕にタックルしてくるとはいい度胸だな!?しかぁ〜し!僕は君とは付き合わーーん!!」



優「はっきり言い過ぎだよ…」



一年女子「なんでだよっ!?」



優&華(逆ギレーー!?)



薄井「僕はそんなに軽い男じゃないぞ!?重い男だ!」



優(意味が違ってるよーーー!?)



一年女子「なんで駄目なんですか……?彼女がいるからですかっ!?まさか、その女ですか!?」


(華を指差す)



華「わっ…わたし!?」



薄井「違う」



一年女子「じゃあ、誰なんですか!?」



薄井「彼女はいないよ。でも、好きな人はいる」



優&華「!?」



薄井「大体、僕を好きになるなんて60年早過ぎる!!」



一年女子「……じゃあ、60年経ったら、付き合ってくれるんですか!?」



薄井「60年経ったら、僕はおじいちゃんだ!晩婚する気もないッッ!」



優(なんかとんでもない話になってるような…)



一年女子「わかりました…。先輩の気持ちが地球の裏側にあたるほど、遠く離れているって思い知りました…。潔く諦めます。……サヨナラッ」


(逃走)



華(……思い出した!あの子、E組の美化委員の子だ!!)



薄井「僕って……罪な男だな……」



優「自分で言うな!」



華「薄井先輩のバカッ!」



薄井「なにぃ!?」



華「もっと優しい言い方があるでしょう!?それなのに、60年とか意味不明な例えなんか出して傷つけて…!先輩は60年経ったって、絶対馬鹿ですよ!!」



薄井「馬鹿馬鹿言うな!僕は馬鹿じゃない!!大体、なんでそんなに怒ってんだ!?」



華「怒ってません!!わたし、あの子を追い掛けますから、失礼します!」


(一年女子の後を追う華)



薄井「……この僕が、花子に説教された……?えぇい!どれもそれも全部メダカくんのせいだ!!」



優「なんでだよ!?とばっちりだ!?」



薄井「うっははは!まだ花子が好きなくせに!諦めの悪い男だな?そんなことだから、花子の気分をがいするのだよ!!」



優「……お前だって、好きな人がいるんだろ?俺のこととやかく言う前に、自分の恋愛を進展させたらどうなんだ!?」



薄井「……カピコーーン」



優「……?なんだよ?その擬音……」



薄井「頭にキターーー!!くらえぃッッ!!必殺チーズバズーカァァァーーーー!!!」


(隠しチーズを手に持ち、優に突進する薄井)



優「ひい゛い゛い゛ーーーー※☆■◎♯▽§…」







―――その頃、華は、必死に一年女子の後を追い掛けていた。



華「待ってください!?」



一年女子「………」


(走り続ける)



華「止まってくれたら……薄井先輩の秘密を教えます!」



一年女子「え…?秘密ってなに!?」


(立ち止まる)



…………ガバッ


(一年女子の腕を掴む華)



華「捕まえましたよ!!」



一年女子「ちょっ…離してよ!!薄井先輩の連れの女が、何であたしを追い掛けんのよ!?」



華「連れ!?なっ、なんでわたしが、あんな変な…濃い先輩の連れの女だなんて冗談いうんですか!?笑えません!!」



一年女子「だって……委員会の時だって、二人で楽しそうに追い掛けっこなんかしちゃって……」



華(いつの話ですかーーー!?)



一年女子「先輩と話したくて話したくて……でも!あなたが先輩を占領してるから近づけないのよ!!」



華「目を覚ましてください!?あんな変な先輩の何処がいいんですか!?」



一年女子「何処がって……カッコイイからに決まってるじゃない!!」



華(顔だけーーー!?)



一年女子「薄井先輩、あれで結構人気があるし、早くしないと他の誰かに取られちゃうでしょ!?そんなことになるくらいなら、この想いをぶつけたいじゃない!!好きな人に……!」



華「すごく素敵だと思います」



一年女子「まっ…真顔で言わないでよ!?照れるじゃない…」



華「わたしも一応、好きな人に告白をしたことがあるんです。すごく苦しくて泣いたり、すごく嬉しくて泣いたり……不思議ですね。告白できただけで、世界が変わったような気がする…」



一年女子「……うん。フラれちゃったけど、私もそう思う。勇気出して言えた自分を誇りに思う!」



華「わたしが言うのも変ですけど、元気出してくださいね!」



一年女子「ありがとう…。立川華さん」



華「ひぇ!?なぜわたしの名前を…?」



一年女子「やだなぁ!同じ委員会じゃない!私、樽本繭ってゆーの。よろしくね☆」



華「うん、よろしく」



(握手をかわす二人)



華(あれ?樽本ってどこかで聞いたような名字だなぁ…。ま、いっか…)





―――物覚えの悪い、立川華だった………。






〜爆弾発言〜 完。



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