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とろけるCheese  作者: KoKoRo
106/156

Cheese106〜土の中に眠るアレ〜

新学期一日目は波乱の幕開けだった。


 謎のイケメン転校生。

ギュウ詰めの廊下。

 そして…


高橋先生「おはよう!皆、元気かな〜?」



クラス全員「……」



相変わらずテンションの高い高橋先生…。



高橋先生「これから始業式だから、暑くてもネクタイとリボンは付けていけよー!それから、放課後に美化委員会は花壇に集合!…ああ、そうだ。立川と堤之原は帰りのHR終了後、図書室に来なさい。例の物を配る」



圭&華(補習テストーー!?)




――その後、始業式も早々と終了し、放課後となってしまった。



華(はぁ〜。憂鬱だぁ…)



淳「華ちゃん!俺、委員会さきに行ってるね」



華「うん!わたしもすぐ行くね」



圭「たっちゃん!図書室まで一緒いこ〜♪」



淳「なんでだよ!?お前一人で行け!」



圭「淳ちゃんってさ…実は結構ヤキモチ妬きなんだね〜?気をつけなよ?たっちゃん」



華「えぇ?そうなの?淳くん」



淳「なっ…」かぁぁ


(真っ赤になる淳)



圭「ほら図星」



淳「馬鹿なこというな!…俺、先に行く」



……スタスタ


(足早に教室を去る淳)



圭「な〜に怒ってんだか」



華「堤之原くん、一つ気になってたことを聞いてもいい?」



圭「いいよ〜。せっかくだから、歩きながら話さない?図書室までさ」



華「うん」




―――――――――――



圭「え?転校生と俺達の関係?」



華「うん。本当は朝聞こうと思ったんだけど、タイミングを逃してしまって」



圭「ドラム」



華「え?」



圭「淳ちゃんがギターで、俺がベース、そいでさっきの転校生がドラムでバンド組んだんだ!すごい進歩っしょ?」



華「あの人がドラムさんだったんだ!すごいすごい!夢に向かってまっしぐらだね!」



圭「あとはもう…頑張るしかないよね」



華「うん!」



圭「とりあえずバンドの中では俺が一番下手っぴだから頑張るぞ〜」



華「堤之原くんならきっと大丈夫だよ」



圭「え?」



華「淳くんが見込んだ人だもん!だから練習頑張ってね」



圭「…なんか淳ちゃんに怒られそう」



華「へ?」



圭「んー?なんでもないよん。よぉ〜し!練習がんばるぞ」



華「???」




――――図書室にて。



高橋先生「補習五人衆、全員揃ったな?」



山田「覚悟はできた」



薄井「早くしたまえ!美化委員顧問と委員長が委員会に遅刻するなど、前代未聞だッ!」



田奈(早く帰りたい…。堤之原さんと顔を合わせられない…)



圭(問10の答え、なんて書いたっけな?X=…いや、Y=…?)



華(どうしよう…もしも赤点だったら…)



高橋先生「皆、よくやった!平均点は71点!全員合格点だな」



山田「は?」



薄井「嘘だ…採点ミスだ!本当は全員留年なんだろう!?」



華「決めつけないで下さい!?」



高橋先生「山田は87点!田奈は92点!堤之原は76点!立川は70点!そして薄井は…」



薄井「僕は…?」



高橋先生「32点だ!」



薄井以外全員(赤点ギリギリーー!?明らかにこの人が平均点下げてるよーー!?)



薄井「僕にしてはいい点だな♪」



山田(どこがだーー!?)



高橋先生「とりあえず現段階で留年する者はいないということだ!以上。薄井、立川!委員会に向かうぞ!」



薄井「よし。T.T!花子!」



華「は、はい…?」



高橋先生「なんだ?」



薄井「花壇まで競争だぁーー♪♪」




……スタタタタッ


(図書室を出て激走する薄井)



華「先輩ズルイですよ!?フライングです!」



高橋先生「こ、コラッ!立川まで廊下を走るな!」



……ドタドタッ


(結局、高橋も廊下を走ってる)





――昇降口前の花壇にて



薄井「僕がいっちば〜ん☆」



華「ま…負けた…」



高橋先生「薄井…お前…早過ぎるぞ?体育会系の部活でもやってるのか?」



薄井「いや?Cheese同好会」



高橋先生「…は?」



華(Cheese同好会って、文化系なのかな?一応…)



野高「…あ。先生!例のごとく、三年生は来てません。今のところ集まってるのは、二年と一年だけですね」



高橋先生「そうか、もういいんだ…。三年生はほっといてあげよう」



薄井「で?今日は何をするんだ?」



高橋先生「花壇の活性化だ!ほら、鉢に入った花が昇降口にあるだろ?それを花壇に植え替えるんだ」



華(楽しそう…♪)



淳「よし。じゃあ、やりますか!」



華「うんっ」




――その後、植え替え作業が始まった。



……ザックザック


(土を掘り進む薄井)



野高「…おい、掘りすぎじゃないか?」



薄井「お」



野高「?」



薄井「花子〜♪いいものみつけたぞ〜」



華「何を見つけたんですか?まさかお宝!?」


(薄井に近づく華)



薄井「似たようなもんだ」



……みょ〜〜ん。


(スコップの上に巨大ミミズが乗る)




華「ギャーーーッッ!!」



薄井「あはは〜♪可愛いだろう?」


(スコップ片手に華を追い掛け回る薄井)



華「こっちに来ないで下さいーー!?」



野高&………



薄井「あはは〜♪…ん?誰かいる」


(校門の方を見て立ち止まる薄井)



華「え?」



野高「マスター!?」



高橋先生「梓さん!?」



梓「あ…」



高橋先生「なんで学校に?」



梓「武さん、私…妊娠…したみたい」



高橋先生「ほ、本当に!?」



梓「あなたの子供が…お腹の中にいます」



高橋先生「バンザーー…」



………バァァンッッ


(突然の爆発音)



高橋「ぎゃひぃっ!?」



薄井「……」


(クラッカーを手に持つ薄井)



野高「どこからそんな物出したんだ!?」



薄井「昨日、僕の誕生日だったから、学校で鳴らしてやろうと思って忘れたんだ。でも、結果オーライだな♪僕の誕生日なんかよりもずっとめでたい!」



梓「ありがとう…。薄井くん」



……




いつも変なことばっかりしてる先輩だけど、この日だけは……




キラキラ輝いてみえた。







〜土の中に眠るアレ〜 完。



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