表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とろけるCheese  作者: KoKoRo
105/156

Cheese105〜人間渦潮〜

長いようで短かった夏休みが終わり、新学期を迎えた。



玲「華ーーッ!!」



華「玲ーーッ!!」




………ひしっ


(抱き合う二人)



龍「朝からキモいんだよ。おめぇら」



華「あ、鈴木くん、おはよう!久しぶりだねぇ」



龍「よぉ、立川。お前、少し太ったんじゃね?幸せ太りってやつか?」



華(がーーん!バレてる!?確かに、制服のファスナーがキツくなったんだよね…)



雅「おはよ〜。みんな元気そうね〜♪」



玲「あら〜?佐藤さん、今日も見事な天パねぇ〜?」



雅「ほほほ♪…そりゃどーも…」



華(相変わらず仲悪いなぁ…。まるで見えない火花が散ってるみたい…)



雅「そういえば、隣のクラスが騒いでるわよ〜?イケメン転校生が来たって」



圭「なになに?それ、俺のこと?」



淳「どう考えてもお前じゃないだろ…」



華「あ!淳くん、堤之原くん、おはよう」



淳&圭「おはよう」



玲「あんた達、二人で登校して来たの?ずいぶん仲いいじゃない」



淳「いや、たまたま廊下で…」



圭「そうそう!夏休みの間に親密な関係になっちゃってさぁ〜。もう大変!」



淳「なにがだ!?」



華(ちょっと複雑…)




「キャーーーッ!」



玲「…何なのよ?今の叫び声は…」



雅「言ったでしょう?イケメン転校生が来たって。早速、黄色い歓声ってやつじゃない?」



華「そんなにかっこいいの?」



雅「さぁ?顔まで見てないけど、ジャニーズ系とかなんとか…」



淳「華ちゃん、もしかして気になるとか?」



華「全然そんなことないよ!ただ、どんな顔してるのかな〜って思っただけ!」



淳(ちょっと複雑…)



龍「んじゃ、俺、ちょっくら見てくるわ」



圭「あ!俺も俺も〜!」



淳「じゃあ、俺も」



華「淳くんも!?」



淳「うん…」



玲「めんどくさいから全員で行かない?ほら、華も佐藤さんも行くよっ」



華「ふぇっ!?」



雅(なんでわざわざ男の転校生を見に行かなきゃならんわけ…?)





―――そんなこんなで隣なクラスに行こうとしたのですが、廊下に出た瞬間…



玲「げっ!?」



龍「んだこれは…?」



華「すごいね〜!大名行列みたい!」




廊下には人、人、人で溢れていた。



龍「あー…、うぜぇ―…。ぎゃーぴーぎゃーぴーうっせぇんだよッッ!!」



………ドンッ


(教室の壁を殴る龍)



華(ヒィィーーッ!!)



………ザザザッ


(龍の周りにいた女子の固まりが、一斉にどく)



龍「道、開いたぞ」



圭(こ、こえぇぇ〜!)



玲「さぁ〜て、どれどれー?早速、お顔を拝見っと!」


(教室を覗く)



華(……あ!あの人、昨日、廊下でぶつかった人…?)



淳&圭「譲!?」



華「へ?」



譲「なんだぁ?お前ら、この学校の奴だったのかよ?」



圭「つーか…女の子みーんな、お前のこと見てるよ!モテモテじゃん!」



玲「え…?あんた達、知り合いなわけ?」



圭「あっ!?やべぇよ!淳ちゃん、俺、謎が解けちゃったっぽい!」



玲「質問に答えんかっ!」



圭「ほら、夏休みのいつかにファミレスで譲のこと、オダギリジョーって言ったじゃん!あれで店内にいた女の子が一斉にこっち見たような気がしてたけど、あれってオダギリジョーに反応したんじゃなくて、譲自体が注目の的だったってことじゃねぇ!?」



淳「そうかもね」



圭「えぇ!?コメント、それだけぇ!?俺、あんなに力説したのにっ…!」



??「どぉーきぃーたぁーまぁーえぇーーーいっ!!」



華(遠くの方で聞き覚えのある声がするような…?気のせいかな)



野高「ちょっとごめんね、通してくれるかな?」



華「あ!野高先輩!」



野高「あ、おぉーーい!薄井ーー!立川さんいたよーー!」



「キャーーーーッ」


(黄色い歓声、二倍増加中)



薄井「押すな!バカッ!」



華「薄井先輩!?」



薄井「花子!なんなんだ?これは!?なぜ人がうじゃうじゃ君なんだ!?……コラッ!誰だ!?どさくさに紛れて制服を掴む奴はッ!?」



華「おはようございます。先輩!なぜこんなところに…?」



薄井「美化委員会が本日放課後………にぃいい〜〜!?」


(女子に囲まれ、もみくちゃになる薄井)



華「先輩…」



野高「放課後に美化の活動があるみたいだから、昇降口前の花壇に集合だって。たぶん高橋先生からも連絡あると思うけど、よろしくね」



華「わざわざすみません。こんなところまではるばると…」



野高「じゃあ、俺達はこれで。池本くんにも伝えてくれるかな?」



華「淳くんならそこに…ってあれ?いない…!皆もいない!?」



野高「早く教室に逃げた方がいいんじゃないかな…?はぐれるほど人がたくさん集まってるから」



華「…ですね。野高先輩も無事に帰れることを祈ってます!」



野高「祈るってほどでも………へ?へえぇぇぇぇ!?」


(女子の固まりの中へ野高は吸い込まれた)



華(なんだかさっきよりも状況が悪化してるような…)



玲「あ!?いたいた!華〜!」



華「玲!!大丈夫?髪がぐちゃぐちゃになってるよ!?一体何が…」



玲「あの二人のせいよ!ほら、金髪の人と茶髪の先輩!」



華「薄井先輩と野高先輩のこと?」



玲「そう!あの二人って、かなりモテてるのね〜!ちょっと意外…」



華「えっ!?あの二人が来たからこんなに人が増加したの!?」



玲「たぶんね…。龍なんてキレてどっか行っちゃったわよ。変な奴よね」



華(知らなかった…。先輩達がこんなに人気者だったなんて…)



薄井「ははは、はなっ…こぉぉ……」



華「ぎゃーー!?よよっ妖怪!?」



薄井「誰が妖怪だ!?実は今日の放課後…」



華「美化委員会ですね。さっき野高先輩に聞きましたよ」



薄井「ちっがーう!」



華「へ?」



薄井「必ず来るんだぞ。それだけだ」



華「は、はい…」



薄井「では、サラバッ!」



華(………え?……………………それだけ?)




そして薄井先輩は、人込みの中へと消えていった…。




〜人間渦潮〜 完。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ