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とろけるCheese  作者: KoKoRo
103/156

Cheese103〜和解〜

とうとう夏休み最後の日を迎えてしまった。

 そしてなぜかこの日、最後の補習が行われた。



――図書室にて。



高橋先生「おはよう!諸君。そして明日から新学期が始まるぞ〜!気合いを入れ直して補習を始めよう!」



山田「だから朝からそのテンションやめろ。頭にガン響くし」



華(がんひびく…?)



圭「はーーい!明日から頑張りまぁ〜す!」



高橋先生「お、堤之原!さすが僕の生徒だ!よく言った!」



圭「言うのは簡単なんで」



高橋先生「どうゆう意味かな…?」



薄井「で?今日は何をするんだね?T.T」



高橋先生「テストだ」



田奈「聞いてません!!」



高橋先生「言ってないもん。じゃあ、隣の人と少し席を離れて座ってくれー!テスト、配るぞ〜」



山田「おい、まさか、そのテストで赤点取ったら…留年!?」



高橋先生「ありえるな〜。でもま!なんとかなるだろ?今までやってきたことの復習だから」



全員(今までやってきたことって……なんだ!?)




わけもわからず、テストは突然始まった…。



華(ひぃぃ!?全っ然わからない…。数学なんて嫌い嫌い嫌い〜〜!!)



山田(んだこれ?さっぱりわからん。つーかこれ、ぜってぇー習ったことねぇ!!)



圭(……X=Y!ん?なんでYは存在するんだ?Xだけでよくないか?そもそも、なんでX??)



田奈(夏目漱石の代表作は、猫に小判…じゃなくて、猫猫猫猫……猫ひろし!(?))



薄井(ドーナツ化現象を説明せよ、ね。…もう駄目だ。落第だ…)



高橋先生(皆…頑張れ!!)






――高橋の祈り虚しく、全員、手応えを感じぬまま、テストは終了した。




圭「たっちゃん!問10の答えってわかった?」



華「えぇと…√3!堤之原くんは?」



圭「……あれ?なんて書いたんだっけ?俺…」



華(わたしに聞くなーー!?)



田奈(仲いいなぁ…。堤之原さんと立川さん…)



高橋先生「結果は明日の放課後に教えるから、楽しみに待ってろ〜!」



山田「明日かよ!?さっさと採点しろっつーの!」



高橋先生「すぐには無理だ。色々とゴタゴタしていて忙しいんだよ…。今日はテストだけだから、もう解散していいぞ。最後の夏休みだしな」



圭「やりぃ〜!かーえろっと」



田奈「ダメですっ!!」



圭「へ?なんで?」



田奈「なっ…なんでもありません…。独り言です…」



山田「おいおい、田奈。ずいぶんとでかい独り言だな」



田奈「……」



華(どうしたんだろう、田奈さん。元気ないみたい…)



薄井「花子」



華「はいっ!?」



薄井「今日はジュンジュンと帰る約束してるかい?」



華「いえ…」



薄井「そうか。なら写真部室に来たまえ。Cheese同好会を再開する」



華「え……」







――――その後、薄井先輩と共に写真部室へと向かった。



華「突然ですね。夏休み中にやるとは思いませんでした」



薄井「今日じゃなきゃ駄目なんだ」



華「……?」





――――ガラガラッ


(写真部室の扉を開ける薄井)



野高「あ、遅かったな。うす……」



華「野高先輩…」



野高「……」


(華から目を反らす野高)



華(先輩には…会いたくなかったな…)



薄井「さてと、僕はちょっと化学室に用があるから、花子はメダカの目の前に座って待ちたまえ!」



華「化学室に用って…一体なんなんですかっ??」



薄井「いいから座りたまえ!」


(無理矢理、華を野高の前に座らせる薄井)



華(気まずい……)



薄井「じゃ。数分で戻る」



………ガラッ


(写真部室を出る薄井)



華(数分も!?10秒で戻って来て下さい〜!!)



野高「……」



華(先輩、目も合わせてくれない…。突然だよね…。わたし、ひどいことした…)






――――数分後。



薄井「いやぁ、待たせてすまな――…」



野高「……」



華「……」



薄井「空気が重いのは気のせいかな…?」




…………コトッ


(野高と華の座る机の上に、アルコールランプと網を乗せる薄井)



華(なぜアルコールランプ……?)



薄井「間違えて冷凍庫にチーズケーキを冷やしてしまったんだ。これで解凍しようかと思ってね」



(網にカチカチのチーズケーキを乗せる薄井)



野高「……」



華「……」



(黙ってみつめる二人)



……………プス


(カチカチのチーズケーキの上に無理矢理、ろうそくを突き刺す薄井)



薄井「……ハッピバースデ〜〜ぼぉ〜くぅ〜、ハッピバースデー…僕〜」



野高「まさかお前、今日……」



華「誕生日だったんですか!?」



薄井「今頃気付いたのか!?この愚民どもがッ!!」



野高「やり方が回りくどいんだよ!?はっきり言えーー!!」



華「先輩の誕生日なんて聞いたことないです!?と…とりあえずっ…おめでとうございます!」



薄井「その様子だと、プレゼントはない…か」



野高「ごめん、ない」



薄井「ならば今ここで二人が仲直りをしたまえ!それが僕へのプレゼントとして受け取ろう」



野高&華「……」



薄井「ほら!なにを恥じらってんだ?君達はモジモジ君か!?」



野高「意味わかんないよ!?」



薄井「ほら!握手で和解だ!」



(野高と華の手を繋げる薄井)



野高「……ごめん、立川さん」



華「…え」



野高「これからもよろしくね。チーズ同好会の……幽霊部員として」



薄井「……は?」



華「あはは!なんですか、それ…。わたしの方こそ、よろしくお願いします。野高先輩」



野高「うん」



薄井「よし!メダ花和解成立…だな?ちょうどチーズケーキが焼けたから、食うぞ〜〜!」



華「わ〜い♪」



野高(だからチーズ嫌いなんだよっ……)






――――こうして、野高先輩と少しづつ話せるようになった。先輩達が卒業するまで、ずっと、この同好会で楽しく過ごせたらいいな……。







〜和解〜 完。



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