Cheese1〜入学式〜
Cheese1〜入学式〜
わたし、立川 華。
女子高に通う一年生。…のはずだったのだが、近くにある男子高とこの春から合体。そして今日から共学という恐怖が待ち構えていた…。
4月、入学式当日。真新しい校舎の中へ入ると男子がウヨウヨしていた…。
華「あ…、ありえない…。」
わたしは自分のクラスへ行き、入学式の時間になるまで教室で待機をしていた。その時、一人の女の子がわたしに話しかけてきた。
??「あ、あの…」
華「はっはい!?」
??「ごめんなさい…。あの、ここ女子高ですよね?どうして男子がいるんですか…?」
華「えーっと…、今年からこの学校の近くにあった男子高と共学になったみたい…です。」
??「そうなんですか…。わたし、この町に越してきたばかりで何も知らなくて…。」
華「そうなんだ…。」
??「あ、あの、わたし佐藤 雅といいます。これからよろしくお願いしますね。」
華「う、うんっ!もちろん。あ、わたし立川 華です!!よろしくお願いしますっ!」
雅「はい」
彼女はにっこり笑って返事をするとそそくさ自分の席へと戻っていった。
華(可愛い子だったなぁ…。仲良しになりたいなぁ…。)
「♪♪♪♪♪♪♪♪」
華(ひっ…!?な、なに??このうるさい音楽は何処から…?)
隣の席を横目でみると一人の男子が机に足を乗せて音楽を聴いていた…。
華(…うっ、怖いなぁ。ふ、不良??)
??「……。」
華(うわわっ!?目が合っちゃったぁ〜!)
??「ねぇ、そこの男子。うるさいから音楽切ってくんない?」
??「あ゛あ゛?なんだテメェは?」
華(ひぃぃ〜!!喧嘩…?)
??「入学式の日に音楽なんか聴いてんじゃねぇーよ」
………ドガッ………
机を蹴飛ばす。
??「…なんだテメェ、やんのかコラ!?」
華(ヒィィィーー!)
…………ガラガラッ…まさに一触即発のその瞬間、教室に先生が入ってきた。
先生「お、おい!そこ!何をしてるんだ?」
??「……チッ」
先生「え〜っと、そこのー…鈴木と立川!」
華(え゛え゛!?わ、わたし!?)
??「先生。わたし、立川じゃありません。伊藤です。」
先生「あ…、伊藤?」
伊藤「はい。ここにいる鈴木くんの態度がどうしても許せなかったんで注意してたんです。」
先生「そ、そうか…。しかし何も机を倒すほど暴れんでもいいんじゃないのか?鈴木。」
鈴木「倒したのはこの女です。」
先生「…は?倒したのは伊藤…なのか?」
……ガラガラ……
状況がまるで掴めていない先生をよそに、別のクラスの担任らしき先生が教室に入ってきた。
別の先生「高橋先生。そろそろ入学式が始まる時間なので生徒を廊下へ整列させて下さい。」
高橋先生「 あ、す、すいません…。」
華(…なんだか頼りない先生だな…。)
そして入学式が始まった。頼りない担任の高橋先生。隣の席は不良の鈴木くん。おっかないクラスメイトの伊藤さん。
…はやくもわたし、立川 華はこの先の高校生活に不安を抱き始めていた…。
〜入学式〜 完。