あってはならない物語
Aqui está o Capítulo 3 traduzido naturalmente para o japonês, formatado para publicação no Narou:
第三章 — 次のページ
煙のせいで、息をするのが苦しかった。
ツキシロはどこへ向かっているのかも分からないまま走っていた。
肺が焼けるように痛んだ。
背後では、村がまだ燃えていた。
木の爆ぜる音、人々の叫び声、崩れ落ちる屋根——それらが混ざり合い、一つの混沌とした轟音になっていた。
少女が隣を走っていた。
手首に繋がれた鎖が、一歩ごとにぶつかり合っていた。
ガチャ。
ガチャ。
ガチャ。
「待って!」彼女は息を切らして言った。
ツキシロは速度を落とした。
もう広場の中心からはかなり離れていた。周囲の家は小さく、火もまだその辺りには届いていなかった。
彼は半ば廃れた納屋の裏で立ち止まった。
二人はしばらく、息を整えようとした。
そこの静けさは妙だった。
遠く感じた。
まるで混乱が遥か後ろに置き去りにされたかのように。
ツキシロは空を見上げた。
文字はまだそこにあった。
でも、今は違っていた。
文字が現れては……消えていった。
途切れた文章。
中断された行。
「魔女は村から逃げるだろう……」
文章は終わる前に消えた。
別の文が現れた。
「よそ者は捕らえられるだろう……」
これも消えた。
ツキシロは眉をひそめた。
「本が自分を修正しようとしている。」
少女も空を見ていた。
「違う。」
彼は彼女に顔を向けた。
「違う?」
彼女は首を振った。
「何が起きるかを、決めようとしているの。」
家々の間を風が吹き抜けた。
灰が空気に舞い上がった。
しばらく、二人はただ空を見つめていた。
まるで見えない書き手が、書き損じた物語を直そうとしているのを眺めているように。
ツキシロは手の中の栞を強く握った。
木はまだ温かかった。
「お前は文字が見えると言った」と彼は言った。
「見える。」
「いつからだ?」
彼女は躊躇した。
一瞬、答えるべきかどうか考えるように見えた。
それから、ため息をついた。
「生まれたときから。」
ツキシロは目を瞬かせた。
「……それはややこしいな。」
彼女は小さく笑った。
「私にとってもそう。」
遠くで叫び声が村に響いた。
群衆はまだパニックになっていた。
でも今は、もっと混乱しているように見えた。
方向性もなく。
何をすべきかも分からずに。
少女はようやく彼を真っ直ぐ見た。
「あなたは何者?」
「ツキシロと呼んでくれ。」
「変わった名前ね……この辺りの名前じゃない。」
「分かってる。」
彼女は腕を組んだ。鎖がチャリと鳴った。
「じゃあ、どこから来たの?」
ツキシロは図書館のことを思った。
終わりのない本棚。
黒い服を着た女。
彼女が本を手渡したあの瞬間。
彼は栞を持ち上げた。
「図書館から。」
少女は数秒間、黙っていた。
それから頷いた。
まるでそれが……当然のことのように。
「そうよね。」
ツキシロは眉を上げた。
「受け入れるのが早すぎる。」
「空に物語が書かれているのが、ずっと見えてるんだから。」
「……それもそうだ。」
彼女が一歩近づいた。
目が鋭くなった。
栞を観察している。
「その物は……逃げるための鍵でしょ?」
ツキシロは木片を見つめた。
刻まれた文字は、今は少し輝いているように見えた。
「しおりだと思う。」
「しおり?」
「ページの。」
彼女は眉をひそめた。
「何も説明になってない。」
「分かってる。」
ツキシロは再び空を見た。
文字が落ち着いてきていた。
新しい文章がゆっくりと形を成していた。
「よそ者と魔女は森へと逃げるだろう。」
少女もその文章を見た。
「じゃあ、それが次の章ね。」
ツキシロは周囲の家を見渡した。
村はまだ燃えていた。
これ以上ここにいたら……
いずれ誰かに見つかる。
彼はため息をついた。
「どうやら物語が決めたらしい。」
少女は視線を村の最後の家々の向こうの闇に向けた。
高い木々のシルエットが、炎に照らされた空に浮かんでいた。
森。
「物語に従わなかったら?」と彼女は聞いた。
ツキシロは栞を持ち上げた。
木が淡く光った。
「もう試した。」
彼は空を指差した。
文章が揺れていた。
不安定に。
「本ごと壊しかけた。」
彼女は黙った。
それから肩をすくめた。
「じゃあ従う。」
ツキシロは森に向かって歩き始めた。
でも数歩進んだところで、立ち止まった。
空の何かが変わっていた。
新しい一行が書かれていた。
より遅く。
より重く。
まるで一語一語に力が要るかのように。
「だが、誰かが見ていた。」
風が冷たくなった。
少女もその文章を見た。
「これ……さっきはなかった。」
ツキシロは栞を握り締めた。
あの世界に来てから初めて……
彼は何か違うものを感じた。
恐怖ではなかった。
見られているという、奇妙な感覚。
本の中のキャラクターみたいに。
彼は再び見上げた。
でも新しい文章は現れなかった。
物語が止まっていた。
文章そのものが、何かを待っていた。
ツキシロは小さくため息をついた。
「最高だ。」
少女が彼を見た。
「何が?」
彼は空を指差した。
「これが物語だって、俺たちが知ってることを、今度は物語が知った。」
彼女はしばらく黙った。
それから笑った。
「それは危なそう。」
ツキシロは再び歩き始めた。
暗い森に向かって。
「危ない。とても。」
背後では、村が燃え続けていた。
そして頭上では……
この物語の次のページは、まだ書き始めてすらいなかった。




