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3人のヒロインとシェアハウス生活、告白は観覧車のてっぺんで  作者: iron-bow


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【第03話-07】何度負けても、あなたを好きでいた ― 千紗が選んだ愛のかたち

【Scene18:窓際の約束】


東京スカイツリーの入り口に到着したのは、ちょうど予約時間の15時30分ぴったり。


「前に来たのって、1年ちょっと前だっけ?」

「うん、確か去年の秋、晴道の誕生日のあと」


そう、その時は優香と晴道の関係がぎくしゃくし始めていて、何とかしようと武を交えての4人デートを企画したんだった。


あの時、クラスの男子だった武が──幼稚園時代に放ったあのセリフを思い出す。


『なんだよ、なよっちいな。おんな みたいじゃねーか!』


当時の“たけし”は、“はるみち”をしょっちゅうからかっては、私に蹴飛ばされていた。けれど、小学校に上がると不思議と親友になっていた。男の子同士のことなんて、女には分からない。


晴道と最も長い時間を過ごしてきたのは、私と優香を除けば、間違いなく武だ。


武はずっと優香が好きで、それを隠す気もない。

体育会系の爽やかイケメンで、よく告白されているけど、いつも「好きな人がいる」と断ってる。


優香だって、まんざらじゃないと思ってる。

以前、女子だけの恋バナで「今の好きな人に出会わなかったら、誰と付き合う?」って話題が出たとき、私が「誰とも付き合わない」と宣言したあとに、優香は「晴道と出会わなかったら、武かな」と呟いて、場をざわつかせた。


「晴道と出会わない世界線なんて存在しないから!」と誤魔化していたけど、あれは本音だったのかも。


4人で出かけると、「美男美女のダブルデート」として注目の的になる。そして一番人気は、なぜか“晴道×武”という組み合わせらしい。それを武に伝えたら、「いや〜、なんだかなぁ〜」と照れながらもまんざらじゃなさそうだった。


武は、いいやつだ。

去年のダブルデートも、晴道と優香の仲を取り持つ目的だと伝えた上で、全面的に協力してくれた。本来なら、2人が自然消滅してくれた方が都合がよかったはずなのに。


――そんな思い出話を振り返っているうちに、私たちはエレベーターで展望台へ。

時間帯を狙っての予約だったおかげで、フロアはそれほど混んでいない。


展望台を一周し、下のフロア340にある「SKYTREE CAFE 340」へ。

今日の目的地はここ。展望を楽しみながらティータイム、というわけ。


受付に並びながら、私たちはささやく。


「思ったより並んでないね」

「問題は窓際に座れるかだな」


店員さんが来たタイミングを見計らって、私は全力ぶりっ子モードで可愛らしく頼み込む。


「彼氏と窓際に座りたいの、だめですか?」

「本日は混雑のため、座席指定はご遠慮いただいております」

「そこをなんとかなりませんか……?」


涙目で訴えると、その女性店員さんは一瞬ためらったあと、「少々お待ちください」と下がっていった。そして、少しして男性スタッフが現れた。


今度は、しっかり胸元を強調してみる。


「お願い……せっかくのクリスマスデートなの」

「……内側と窓際の席が同時に空いた場合に限り、窓際にご案内します。その程度でよろしければ」


よっしゃ。ロリ巨乳千紗ちゃん、最強です。


しばらくして、私たちの順番が来たところで

内側の席に準備でき、窓際の席は空いているがまだ準備中だった


先程の男性スタッフが、私たちの後ろにいたカップルを先に内側の席へ案内しようとした。

名前はヒロシさんとヒロコさん社会人の社内恋愛らしい

先ほどから二人でいちゃいちゃ話してたから名前は聞こえちゃった


「ちょっと、どういうこと? 今日は席選べないって言ってたじゃない!」


ヒロコさんが声を上げる。


まずい、これはこっちが悪く見える流れ。


「ごめんなさい、お姉さん。私が悪いんです……どうしても彼氏と窓際に座りたくて、わがまま言っちゃって……」


か弱く、控えめな声で謝りながら、胸元をさりげなくヒロシさんの視界に入るように


……ヒロシさん、顔を赤くして視線を逸らした。いい人だ。ガン見せず、ちゃんと彼女を大切にしてるタイプ。


「ヒロコ、ちょっと大人げないよ」

「でも……!」


そのとき、ようやく状況を理解した晴道が立ち上がり、はっきりと言った。


「ごめんなさい、彼女は悪くないんです。俺が綺麗な夕日を見たいって言ったから……」


まっすぐヒロコさんの目を見て、一気に伝えて深々と頭を下げた晴道の姿に、場の空気が変わる。


イケメンの真摯な姿にヒロコさんの顔が赤くなった。


「……いいわよ。こちらが大人げなかったわ。特に窓際にこだわってたわけじゃないし……あなたたち、どうぞ」


そう言って彼女は、私の耳元でそっと囁く。


「最高の彼氏じゃない。お幸せにね」


私は――胸がいっぱいで、言葉も出なかった。


「千紗、ごめん……彼女なんて言っちゃって」

「ううん、いいの。彼氏だとか、付き合ってるとか関係ないの。貴方は私にとって、最高の人だから」


そのまま、私たちは静かに窓際の席へと向かった。



【Scene19:サイドA ―プレゼントの意味と、ひとつの約束―】


ヒロコさんたちがさっきの男性スタッフに案内されていった直後、私たちも女性店員さんに呼ばれて席へと案内された。


なんだか、店中から注目されてる気がする……ちょっと目立ちすぎちゃったかも。


案内されたのは、窓際の特等席。目の前に遮るものは何もなくて、空と街とがまっすぐ続いてる。


(……ヒロコさん、ほんとにありがとう)


案内してくれた女性スタッフが、私の耳元でそっとささやく。


「彼氏との仲、進めてくださいね。応援してます」


……彼氏。


私は告白されたことはある。でも「付き合ってください」と言われたことは、まだ一度もない。

でも、そんな言葉がなくても、晴道の気持ちはちゃんと伝わってる。


その考えがぐるぐるしてるところに、晴道がのぞき込んでくる。


「千紗、どうしたの?」

「ううん、なんでもない」


それだけで、さっきまでの注目とか緊張とか、全部どこかへ吹き飛んでしまった。


時計を見ると、午後4時10分。ちょうど日が傾きはじめて、夕焼けが街を染めはじめていた。


「ねぇ晴道、今日は楽しい?」

「当然じゃないか。こんなに幸せな一日は、今までなかったよ。だって──」


そこまで言いかけて、晴道の顔に少し陰が落ちた。


──きっと、『大好きな千紗と一緒だから』って、言おうとしたんだろう。


「うん、大丈夫。わかってる。伝わってるから」


私は晴れやかに笑って、話を変えた。


「ね、プレゼント交換しよっか!」


空はもう赤くて、晴道の顔もその色に照らされてる。

私の顔も、きっと真っ赤になってると思う。


そこへ、注文していたドリンクが届いた。


せーの、で交換。


「俺から開けてもいい?」

「もちろん!」


晴道が私の渡したプレゼントを開ける。


「……へぇ、すごい。今使ってる財布、ちょうど古くなってきたところだったし、ちょっと子供っぽいかなって思ってたから……すごく嬉しいよ」


私からのプレゼントは、本革のロングウォレット。


沙織お母様からもらったお金と、美優お母様から預かっていた食費を工夫して、浮いた分で買ったもの。


あずかった食費分は返そうとしたけど、美優お母様は笑って受け取ってくれなかった。


「千紗の花嫁修業にかかるお金と思えば、むしろ安いくらいよ」って。


自分の手で、晴道のために選んだ。

それだけで、胸がいっぱいになる。


ちなみに、女性が男性に財布を贈る意味って、知ってる?


「長く使うものだから、永く愛してって意味がある」とか。

でも、もっと直接的なのもある。


──『あなたのお金を管理させて』


もう、ほとんどプロポーズじゃない!


「ははっ、俺の財産、千紗に管理されていそうだな」


うわ、また思考読まれた!


周りからも、「プロポーズだよね」とか「お似合いすぎる」なんて声が聞こえたけど、私たちは完全に二人だけの世界にいた。


「じゃあ、私も開けていい?」

「うん、どうぞ」


包みを開けると、出てきたのは銀色のネックレス。


「……きれい。これ、雪の結晶?」


「うん、そう聞いてる」


「聞いてる?」


「手作りの一品ものを、工房に頼んだんだ」


──えっ……?


今日はファーマフラーをつけてたから、首元には何もつけてなかった。


「ねえ、つけてくれる?」


晴道が静かに立ち上がって、私の後ろに回る。私は髪を持ち上げる。


そっと、ネックレスが首元に触れた。


……冷たくて、あったかい。


「似合ってるかな?」


顔が夕日に照らされてる以上に、真っ赤になってるのが分かる。


「うん、よく似合ってる」


晴道は静かに言葉を続けた。


「雪の結晶って、同じ形のものは二つとないんだ。

 このネックレスも手作りで、二度と同じものはできない。

 ……だから、俺にとって千紗は、唯一無二だって意味を込めた」


──ああ、もう。


限界。こんなの、正気じゃいられない。


思わず窓の外を向くと、一面がオレンジ色に染まっていた。


「……綺麗」


「そうだね」


でも、晴道は外じゃなく、私をまっすぐ見つめて言った。


「千紗が、綺麗だよ」


ば、ばか……。


晴道がネックレスに指をかけて、そっと引き寄せる。

私も身を乗り出して、テーブル越しに──キスをした。


「千紗、俺はまだ、ちゃんとした言葉にはできないけど……」


「うん」


「ずっと、一緒にいてくれるかい?」


「ばか。もちろんよ。離れるわけないでしょ」


『キャー!』『成功してる!』『プロポーズじゃん!』


──え? なに? なんか、さっきより騒がしくない?


『ドラマの撮影?』『でもカメラ見えなくない?』

『あれよあれ、最近のはスマホや一眼カメラでも撮るらしいよ』

 

……え、なに? どういうこと?


ふと我に返って、あたりを見回す。


──店内のお客さんも、スタッフも、全員がこっちを見てる!?


そして、すぐ隣の席で──


知紗ちゃんがあの大きなカメラでバシャバシャ撮ってて

理沙ちゃんがスマホで動画回してた。


(……なっ、なにそれ!? いつからいたの~~~!!?)



【Scene20:サイドB ―プロポーズ、その瞬間をカメラに収めた少女の記録】


私の名前は、高村知紗。

東京郊外に住んでいる中学3年生。


今日はクリスマスイブ。

なのに、私は双子の妹・理沙と、ふたりで東京スカイツリーに来ている。しかもカップルだらけのこの場所に、だ。


なぜかって?

――先週、フラれたからだよっ!!


ほんとは今日、付き合ってた男の子と来る予定だったのに……。

もう、悔しいから詳細は省くけど、まったく! 男って見かけだけの優男ばっかり!


でも――


ここに来て、ちょっとだけ思ったんだ。

「来てよかったな」って。


だって、如月千紗お姉様に出会えたから。


私と同じ“ちさ”という名前の、最高に可愛くて、しかも強くて優しいお姉様。

いつかまた、絶対に会いたい。



あれから私たちは水族館をまわって、展望台も一周して、さすがに疲れたので展望台内のカフェに入ることにした。

待ちは4組目。まぁまぁの混雑。


それにしても……やたら騒がしいカップルがいるなぁ。大きな声でイチャイチャしちゃって。


「ねぇ理沙、千紗お姉様って本当に素敵だったよねぇ……♡」

「知紗お姉ちゃん、そのセリフ、今日だけで6回目」


そんなふうに話してたら、前方でトラブルの声が聞こえた。


『ちょっと、どういうこと? 今日は席選べないって言ってたじゃない!』

「ごめんなさい、お姉さん。私が悪いんです……どうしても彼氏と窓際に座りたくて、わがまま言っちゃって……」


――っ!


お姉様っ!?


でも……今は声を掛けられる空気じゃない。

悔しいけど、じっと見守るしかなかった。


「……席の位置わかってるんでしょ。あとでこっそり挨拶すればいいじゃん」

理沙は、やっぱり頼りになる。



やがて、私たちも席に案内された。

――ラッキー! お姉様たちの真横!


そして、目の前に広がるのは――最高の瞬間。


千紗お姉様と、彼氏さんがドリンクで乾杯しようとしてる。


思わず私は、カバンから相棒・Canon EOS R5を取り出して構えた。

プロ仕様の大きなミラーレス一眼。電子シャッターなら完全無音、シャッター音すら鳴らない。


……これはもう、撮るしかないでしょ。


だけど――


「お客様、そのような撮影はご遠慮いただけますか?」


うわ、バレた! 完全に盗撮でしたっ!


でもすかさず理沙がテーブルに身を隠してフォローに入る。

右手の指を唇に当てて「しーっ」、左手で店員さんを「ちょっと来て」とジェスチャー。


そして、小声で言った。


「私たち、三姉妹」


――からの、スマホの待ち受け画面を見せる。

そこには今朝撮った、3人が並んだ満面の笑顔の写真。

撮影者はお姉様の彼氏さん。嘘だけれども、これを見せれば説得力は完璧。


「お姉様に、今日プロポーズされるかもしれないから、こっそり記録してって頼まれたの」


――強すぎる、パワーワード。


店員さんは一瞬「えっ?」と戸惑ってたけど、すぐに微笑んだ。


「やっぱりそうだったんですね。私、案内した時“彼氏との仲、進めてくださいね”ってお声掛けしたんです。しっかり見守りましょう!」


……なんか、話が一気に加速してる?



気づけば他の店員さんたちも「プロポーズですって!」とざわつき始め、

理沙はちゃっかり動画撮影を開始。


私も腹を括って、シャッターを切りまくった。


「ははっ、俺の財産、千紗に管理されていそうだな」

『プロポーズだよね』

『お似合いすぎる〜!』


――そう、お姉様たちは今、奇跡の中心にいる。


「……これ、雪の結晶?」

「手作りの一品ものを、工房に頼んだんだ」


彼氏さん、ヤバすぎ。外見も中身もイケメンって、反則でしょ。


『……見た目も中身も完璧って、反則では?』

『ハイスペ男子、爆誕』


周囲の女子たちもざわざわし始める。


そして――


「千紗が、綺麗だよ」


きたきたきたきたーーーー!!


彼氏さんがネックレスを引いて、お姉様が身を乗り出す。


これはもう、私が撮らなきゃ誰が撮るの。


私は、相棒の設定を一気に切り替えた。

フルオートからマニュアルへ。電子シャッターから機械式へ。


頭に浮かぶのは、今朝お姉様が言ってた言葉。


『“どうすればなれますか?”って受け身だったり、“やっぱり私なんか”なんて言ってるうちは、可愛くなれないのよ』


写真も、同じ。


――自分で、撮るんだ。


絞り、構図、ピント。

そして、“今”を、私の手で切り取る。


彼氏さんとお姉様が、テーブル越しに――キスをした。


私はその瞬間を、迷いなくシャッターに込めた。


「……ずっと、一緒にいてくれるかい?」

「ばか。もちろんよ。離れるわけないでしょ」


そして――

『キャー!』『成功してる!』『プロポーズじゃん!』


場が一気に華やぐ。


『ドラマの撮影?』『でもカメラが見えない?』

『あれよあれ、最近のはスマホや一眼カメラでも撮るらしいよ』


ざわめきと祝福の渦。


その中心にいるお姉様たちは、たぶんまだ自分たちが見られていることに気づいていない。


でも、直後に気づいた。


お姉様はきっと、こう思ったに違いない。


(……なっ、なにそれ!? いつからいたの~~~!!?)


で――

めちゃくちゃ怒られました……。



【Scene21:奇跡の後、ふたりの家へ】


(……なっ、なにそれ!? いつからいたの~~~!!?)


衝撃と恥ずかしさで頭が真っ白になった私は、

気づけば知紗ちゃんと理沙ちゃんを――とっ捕まえていた。


その間にも、カフェのあちこちから聞こえてくる。


『おめでとう!』『末永くお幸せに!』

『えっ、リアルだったの!?』『まるでドラマじゃん!』


まったく……!


「ふむふむ……つまりこういうことね」


私は腕を組んで、落ち着いてるふりして状況を整理した。


「このカフェに偶然入って、席がたまたま隣になって、

 そしたら私たちがいい雰囲気だったから、思わず写真を撮ってしまった。

 それを店員さんに注意されたので、理沙ちゃんがとっさに

 “姉妹です”“プロポーズの記念撮影なんです”って、嘘ついちゃった……」


はい、犯人たち確保です。

――って、全部あなたたちのせいじゃないの!プンプン!


「写真、全部提出!……あ、LINEで送ったらキリないから?

 ……共有アルバム? 作ってくれるの?」


知紗ちゃんいわく、カメラからスマホに自動転送される設定だから、

そこからまとめてアルバムにアップするのが一番早いとのこと。


さすが現代っ子……!


そして、共有アルバムにアップされた写真たちを見て、

私は思わず言葉を失った。


めっちゃ可愛いじゃん、私。


ぶりっ子で甘えん坊で、ロリ巨乳な絶世美少女・千紗ちゃんが、

まさに世界一幸せな顔して写ってる。


……キャラ作ってテンション上げないと、このカフェ中の人から『おめでとう〜!』なんて祝福されてる今の状況に、精神が保てません。


隣を見ると、晴道は魂抜けた顔で放心してる。

どこ行った、私の彼氏。


理沙ちゃんは、こっそり撮ってた動画を

「このままはさすがに見せられない、編集してから送る」って言ってくれた。


うん、それがいい。

全部そのまま見せられたら、恥ずかしすぎて地面にめり込むところだった。


そんなこんなで、知紗ちゃんと理沙ちゃんにはお礼を言って、

「また絶対会おうね」と約束して別れた。


カフェを出た頃には、少し落ち着きを取り戻していた晴道がぽつりと言った。


「……千紗。今日はありがとう。ほんと、楽しかったよ」


私は彼の手をギュッと握って、ちょっと得意げに笑う。


「なに言ってるの。ここからが本番でしょ?

 こんな美少女と、ふたりっきりで、クリスマスイブのディナーだよ。

 ……“間違い、起こしちゃうんだから”ね?」


「……そっか。そうなんだよな」


晴道はふっと笑って、それから少し真剣な表情になった。


「俺も、覚悟決めないとな」


その目が、あまりにもまっすぐで。

その声が、あまりにも真剣で。


胸がキュッとなった。


……この顔を、ずっと見ていたい。


やがて、電車に揺られて――

私たちは、帰ってきた。


いつも通りの道。見慣れたマンション。


でも、今日は違う。


玄関のドアを前に立ち止まり、私はそっと深呼吸をした。


今、ふたりの“運命の扉”が開かれる。


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