夜空の星々を結ぶ光
今からおよそ三千年ほども昔のこと。
働き者で容姿端麗な織姫と、
これまた働き者で眉目秀麗な彦星の、
ふたりの男と女がいた。
ふたりは愛し合い、織姫の父親である神の許しを得て、
結婚し世帯を持つことになった。
しかし、結婚した織姫と彦星は愛に溺れ、一切の役割を放棄し、
やがて神の怒りに触れてしまった。
織姫と彦星は、罰として、
それぞれが選んだ大事なものを一つ奪われ、
遠く遠く別々の星に封印されることになった。
それから遙かな時が過ぎ去って、現在。
地球から遠く離れた星々で、
織姫と彦星の封印が解かれようとしていた。
ある地方、小さな村に、一人の男子生徒がいた。
その男子生徒は高校三年生で、
両親とともにその小さな村で生活をしている。
その男子生徒は、産まれて間もなく、
すぐに言葉を話すようになったと、
両親がそう伝えるほどに多才で、
高校生の今では眉目秀麗、文武両道。
村の外に通う町の学校でも一番の秀才だった。
しかし、そんな優秀なその男子生徒にも、無いものがある。
それは、友達。
その男子生徒が暮らす村は、かつて二十年ほど前には、
村で生まれる子供が一人もいなくなったほどに寂れていた。
しかし、その後、外部に出ていった人々が村に戻ってくるなどして、やや改善。
今ではそこそこに賑やかな、しかし依然として小さな村だった。
そんな寂れた村から町の学校に通う生徒など、そういるはずもなく、
その男子生徒は町の学校では異物扱い。
成績が良いことも逆に仇となって、
他の生徒たちからは近寄りがたい存在とみなされていた。
学校から家が遠いこともあって、部活動などにも参加できず、
ますます孤独な学校生活。
もう高校三年生にもなったのに、その男子生徒には友達と呼べる人はいなかった。
だから、その男子生徒は気まぐれに、七夕の日の夜空の星に祈った。
「神さま、お星さま。
どうか、こんな僕にも友達ができますように。」
その男子生徒は夜空を見上げて、輝く星々に祈っていた。
すると、夜空に輝く星が、その祈りに応えた。
星の一つが傾いて、夜空に一筋の軌跡を残して落ちていく。
軌跡が向かう先には森があって、真っ暗な森にパッと光が上がって星が消えた。
その一部始終をその男子生徒は目の当たりにしていた。
「何だ?今のは。
もしかして隕石か?いや、流れ星かも。
あれは近くの森だ。見に行ってみよう。」
そうしてその男子生徒は、落ちた星を探すため、
自宅から近所の森へと出かけていった。
見慣れた近所の森は、夜の闇で真っ暗で、
そこには木々がなぎ倒された穴、クレーターができていた。
クレーターの中心には鈍く輝く塊が落ちている。
「あれが、落ちてきた流れ星か?
熱くはなさそうだし、拾っても大丈夫かな。」
その男子生徒は、おっかなびっくり、クレーターを下っていく。
下っていって、鈍く輝く塊を見て仰天。
「あれ、流れ星じゃない、人だ!」
クレーターの中央にいたのは、隕石などではない、人。
玉のような赤ん坊が寝転がって、鈍く輝きを発していたのだった。
その男子生徒が近付くと、赤ん坊の発光が静かに止んだ。
赤ん坊はつぶっていた目を開き、その男子生徒を眺めて口を開いた。
「そこの男子、妾の頼みを聞いてはくれまいか。」
夜空の星が落ちた森の中には、星ではなく赤ん坊が落ちていた。
赤ん坊は、おぎゃあおぎゃあと元気な鳴き声を上げるでもなく、
その男子生徒の姿を見るなり、流暢な言葉で話しかけた。
至って平然とする赤ん坊とは逆に、その男子生徒は大慌て。
文字通りに泡を吹き出しながら口を開いた。
「あ、あ、赤ちゃんがしゃべった!?
お前、神さまか何かか!?」
その男子生徒の慌てように、赤ん坊は肩を揺らしながら応えた。
「ふふ、妾は神ではないが、神の娘だ。
妾の名は織姫。神の娘であり、彦星の妻でもある。」
「おっ、おっ、織姫!?織姫って、あの七夕の?」
「そうだ。
妾と彦星は、妾の父である神の怒りに触れ、
遙か遠くの星に別々に封印されていたのだ。
それから遙かな時が過ぎて、封印の期間を終えて、
こうしてこの星に戻ってきたというわけだ。」
「そんなまさか。」
自分は織姫だと名乗る赤ん坊。
まともな人間なら、そんなことを信じることができるはずもない。
流れ星が落ちた先に赤ん坊が転がっていたのは事実。
森にクレーターを作り、光る赤ん坊を置いておき、
さらには赤ん坊に言葉をしゃべらせるなど、
なんて手の込んだいたずらだろう。
その男子生徒はそう思ったのだが、
それを見透かしたかのように赤ん坊は言った。
「お主、星に祈っていたな。
願いは、友達が欲しい、だったか?」
「どっ、どうしてそれを・・・」
「こう見えても、妾は神の娘だぞ。
遠く離れてはいても、人の念を読むことくらいはできる。
そこで折り入って相談がある。
妾は、先にこの星に戻ったはずの彦星の行方を探している。
それを手伝ってはくれまいか?
もしも彦星を見つけてくれたら、お主の願いを叶えてやれるかもしれん。」
相手の悩みを言い当てて信頼を得るというやり方は、占いのそれに似ている。
しかし、織姫の力は、まやかしなどではなく純然たる事実。実在する力。
いくらかのやり取りの後に、その男子生徒は、
織姫の手伝いをすることになったのだった。
織姫の彦星探しを手伝うとは決めたものの、問題はその後すぐに起こった。
その男子生徒が、赤ん坊の姿の織姫を連れて家に帰ると、
両親は腰を抜かすほどに驚いた。
「そっ、その赤ん坊は何!?あなた、まさか!」
「誰の子だ!?母親は誰だ!答えなさい!」
泡を食って喚く両親を落ち着かせてから、その男子生徒は事情を説明した。
「父さんも母さんも落ち着いて!
僕、まだ高校生だよ?僕の子供じゃないよ。
ちょっと知り合いから預かったんだ。
何日かうちにいさせてあげて欲しい。」
もちろん、森で赤ん坊の姿の織姫を拾ったなどとは言えないので、
両親に説明した話の内容は嘘。
しかし両親は、息子であるその男子生徒の話をすっかり信じたのか、
いくらか落ち着きを取り戻して受け入れてくれた。
「なあんだ、そうだったの。」
「まったく、驚いたじゃないか。
でもそういうことなら、うちにしばらくいさせてあげなさい。」
一人息子に甘い両親の弱みに付け込むことになって、
その男子生徒は密かに罪悪感を感じていた。
翌日。
その男子生徒は、織姫を両親に預けて学校に登校した。
一日の授業が終わって、放課後。
すぐに家に帰ると、織姫と合流。
早速、織姫を背負って彦星探しに出かけることにした。
再び家を出て間もなく、その男子生徒は、
母親に巻いてもらったおんぶ紐を解くと、
赤ん坊の織姫もろとも鞄に詰め込んでしまった。
「わっぷ、何をする!」
「いくら父さんと母さんは納得してくれても、
赤ちゃんを背負って外を歩くなんてできないよ。
しばらくは鞄の中で我慢してくれ。」
「まったく、神の娘に向かって無礼な。
こういうのを幼児虐待と言うのではないのか?」
「そんな言葉、どこで覚えたんだ。
お前は空から落ちても平気なくらいなんだから大丈夫だろう。
とにかく彦星を探しに行こう。
ところで、彦星も赤ちゃんの姿になってるんだよな?」
「うむ、そのはずだ。
最後に見た時は、妾と同じ赤子の姿だったからな。
ただ、妾よりもいくらか先にこの星に落ちるのが見えたから、
この星にたどり着いたのは今よりも少し前のはずだ。
だが、到着時間に差はあれど、この村にいるのは確かだ。
彦星の気配を感じるからな。」
「じゃあ、村役場に行ってみようか。
この村に住んでる人は、ほとんどが顔見知りだから、
役場で聞けば教えてくれると思う。
赤ちゃんがいる家って、この村ではそんなに多くないし、
男の赤ちゃんがいる家を全部当たっても、きっとすぐ終わるよ。」
そうしてその男子生徒は村役場へ向かった。
村役場は、新しいがこじんまりとした建物で、
その男子生徒が急に尋ねることになっても、
役場の職員である女は、書類も見ること無く気さくに答えてくれた。
「この村で男の赤ちゃんがいる家ね。
今、0歳の男の赤ちゃんがいるのは、全部で10軒よ。」
「あれ、意外と多いんですね。」
「そうね。
あなたが生まれた頃は村の子供が少なかったけど、
今は少し持ち直してるから。
全部この近所だから、必要なら直接行ってみたら?」
「はい。ありがとうございます。」
そうしてその男子生徒は、織姫を連れて、
メモを片手に0歳の男の赤ん坊がいる家を順に尋ねていった。
家の呼び鈴を鳴らし、出てきた家の人に事情を説明する。
「今、親戚の赤ちゃんを預かっていて、
人見知りだから、他所の家の赤ちゃんで慣れさせて欲しいんです。」
「あら、そうなの?
うちの子で良かったら、会わせてあげて。
もしかしたら友達になってくれるかしら。」
またしても嘘の説明をして、その男子生徒の良心が疼く。
そうして現れた赤ん坊を織姫が調べて、その男子生徒に耳打ちする。
「・・・違うな。この子は妾の好みではない。」
「そういう話じゃないだろう。
でも、彦星と別人で間違いないんだな?」
「うむ、この子は彦星ではない。」
丁寧にお礼を言って、次の家へ。
赤ん坊を見せてもらって、しかし織姫が首を横に振る。
「違う。この子は妾好みの男子だが、彦星はもっと美男子だ。」
そんなやり取りを繰り返すこと10回。
村役場で教えてもらった10軒全てを回ったが、
しかし彦星を見つけることはできなかった。
村の0歳の男の赤ん坊を全て調べたが、結果は外れ。
彦星と思しき赤ん坊を見つけることはできなかった。
その男子生徒は休憩がてら、鞄の中の織姫に向かって相談している。
「おっかしいなぁ。
村の男の赤ちゃんはもう全員調べたよ。
でも彦星は見つからない。何か間違ってるのかな。
織姫。もう一度、事情を聞かせてくれるか?」
「うむ、わかった。
妾と彦星は、神から罰を与えられ、
遠く別々の星に封印されることになった。
今から三千年ほど前の事になるか。
妾と彦星は、罰としてそれぞれ自分の大事なものを一つ奪われ、
それから赤ん坊の姿にされて、それぞれの星に飛ばされた。」
「大事なものって?」
「失うものは自己申告だった。
ただの罰なので、内容は問われない。
妾が差し出したのは、時間感覚だ。
時間の感覚がなくなれば、長い封印生活の苦も和らぐというもの。
どうだ?賢いだろう。」
「どっちかと言うと、ずる賢いかな。
彦星が差し出した大事なものは何だったんだ?」
「それはわからん。教えてもらえなかった。
ただ、別れ際に、我のことは諦めてと言っていたな。
もちろん、妾が彦星を諦めるわけがないがな。」
からからと笑う織姫に、その男子生徒は少し思案した。
その僅かな時間だけで、その優秀な頭脳はすぐに手がかりを見つけた。
「織姫と彦星が赤ちゃんの姿にされたのは、この地球でってことだよな。
地球で神に赤ちゃんの姿にされて、遠くの星に飛ばされた。
それから三千年も封印されてたのに、年は取らなかったのか?」
「封印中は体が老化しない術をかけられた。
老化して罰の途中で死んで楽になる、なんてことがないようにな。
ただ感覚としての時間だけがある。」
「行き帰りはどうしてたんだ?」
「光の姿になって移動するので、時間は流れない。」
「封印はいつから始まるんだ?星に着いてから?」
「それぞれが目的地の星に着けば、即座に始まる。
神が事前にそう仕掛けておいたらしい。
罰が終われば、今度は即座に光の姿になってこの星に戻る。
帰りももちろん、移動中は時間が流れない。」
「わかった、それだよ。」
「・・・何だと?」
「移動中も、罰の最中も、時間は流れない。
でも、地球にいる時は、織姫と彦星も時間が流れている。
彦星は織姫よりも先に地球にたどり着いているから、
今は0歳の赤ちゃんの姿ではないんだ。
知ってるか?
織姫と彦星の星って、地球から見ると同じような星だけど、
実は地球との距離がけっこう違うんだよ。
織姫の星はベガ、地球までの距離はおよそ25光年。
彦星の星はアルタイル、地球までの距離はおよそ16光年。
1光年は、光が1年で進む距離のこと。」
「ということは、彦星は妾よりも9年先に、この星に到着していた?」
「いいや、違う。
確かに、地球への帰り道は、彦星の方が9年早く着いてる。
でも、それだと、行きの距離の違いを考慮してないだろう?
ベガとアルタイルの距離の違いは、もちろん行きにもあるはず。
地球からそれぞれの星に行くのに9年ずれて、
それぞれの星から地球に帰るのにも9年ずれる。
つまり、今の彦星は、0歳でも9歳でもなく、18歳のはずだ。
まったく、何が少し先、だよ。
彦星はお前よりも18年も先に地球にたどり着いてるぞ。
織姫はちょっと時間にいい加減すぎるんじゃないか?」
「それはすまぬ。
何せ妾は、時間感覚を失っているのでな。
9年だの18年だのは、些細な時間でしかない。
・・・どうした?」
織姫がその男子生徒の様子に気が付いて話を止めた。
どうしたことか、その男子生徒は、顔が真っ青に青ざめていた。
鞄の中の織姫が心配そうに首を傾げながら尋ねる。
「どうかしたのか?」
「い、いや、何でも無いよ。
とにかく、もう一度、村役場に行ってみよう。」
織姫と彦星がいた星と地球までの距離の差を考慮すると、
彦星は織姫よりも行き帰りで9年ずつ、合計18年早く地球に着いているはず。
その計算から導き出されるさらなる答えを、
その男子生徒は既に予期していたようだった。
その男子生徒は、織姫を連れて、もう一度村役場にやってきた。
今度は0歳の男の赤ん坊ではなく18歳の男の子を探して。
すると応対した役場の職員の女の答えは、こうだった。
「この村で18歳の男の子?
嫌ねぇ、そんなの決まってるじゃない。
あなた1人だけよ。
18年前って言うと、この村の子供が少なかった時期でね、
大人も少なくなって大変だったのよ。
子供どころか、子供を産む大人がいないようなありさまで、
あなたのご両親が出生届を持ってきた時のことは、
今でも覚えてるのよ・・・あら、どうしたの?」
とても話を聞いている気分にはなれず、
その男子生徒は話の途中で村役場から出て行ってしまった。
ただならぬ様子を察したのか、鞄の中の織姫は大人しかった。
18年前、彦星が落ちてきたはずのこの村で、
産まれた男の赤ちゃんはただ1人、その男子生徒だけ。
それが何を意味するのか、
その男子生徒は確認せずにはいられない。
村役場から家に帰って、両親に向かって、その男子生徒は問う。
「父さん、母さん。
18年前、何があったのか教えて欲しい。
もうだいたいのことは予想がついてるから。」
すると、両親は顔を見合わせ、真摯に答えてくれた。
「そうか、お前にこの話をする時がやってきたか。」
「いつまでも子供だと思っていたのに、成長したのね。」
「そうだな。・・・よく聞きなさい。
お前は、私たち夫婦の本当の子供ではない。」
「そう。
わたしたち夫婦は、結婚してすぐに、
子供を授かることはできないとわかってしまった。
でも、どうしても子供が欲しくて、
18年前の七夕の日の夜に、お星さまに祈ったの。
どうか、赤ちゃんをくださいって。
そうしたら、願いが叶ったのよ。」
「近所の森に星が落ちて、そこには玉のような赤ん坊がいた。
きっと、神さまが私たち夫婦の願いを叶えてくれたに違いない。
だから、私たちはその赤ん坊を拾って、
我が子として育てることにしたんだ。
拾ったのは男の赤ん坊だった。それがお前だよ。」
「賢い子でしたよ。
生まれて間もないのに、わたしたちの顔を見るなり、
もう人の言葉を話したんですもの。」
そうしてその男子生徒は、
自分の出生と、彦星の現在とを知ったのだった。
ちょっと一人で考え事がしたい。
その男子生徒は両親にそう言って家を出た。
今は夜の静かな森の中にいる。
一人で、とは言ったものの、
担いでいる鞄の中には、織姫である赤ん坊が入っていた。
どうしても連れていけと言って聞かなかったからだ。
「どうした?
お主が彦星だと、まだ信じられないか?」
そう語りかける織姫に、その男子生徒は静かに答えた。
「いいや、思い当たる節があると思って。
僕は優秀すぎると学校で言われていたけど、それもそのはずだ。
だって僕は神さまの娘婿だったんだもの。
18年前、僕は空からここに落ちてきたんだね。君と同じように。
どうして僕は、自分が彦星であることを忘れていたんだろう。
でも、その理由が、今ならわかる。
きっと彦星は、大事なものとして、記憶を奪われることを選んだんだろう。」
「それは、妾のことを忘れたかったからか?
妾との楽しい記憶を消すなんて、なんと薄情な男子か。」
「いや、違うよ。自分のことだからわかる。
彦星が記憶を捨てたのは、罪悪感からだ。
自分のせいで織姫を巻き込んで、
父親である神の怒りに触れて一緒に罰せられてしまったのだから。
本当は織姫から自分に関する記憶を消したかったけど、
大事なものとして選べるのは自分のものだけ。
織姫の中の僕の記憶は選べない。
だから、自分の記憶を消して、織姫と他人になろうとしたんだ。
そうすれば、織姫は自分のことを諦めてくれるかもしれないから。」
「なるほど。しかしそれは無駄だった。
こうして妾は、彦星であるお主を探し当てた。
もうジタバタせぬだろう?
妾ともう一度、夫婦になってもらうぞ。」
そう話す今の織姫は、生まれたての赤ん坊の姿。
その男子生徒は苦笑するしかなかった。
「それ本気で言ってるの?僕は君より18歳も年を取ってるんだよ。」
「18年くらい、気にすることはない。
なにせ、妾とお主は、
生まれてから3000年以上も経っているのだからな。」
それももっともだ。
その男子生徒はそう思う。
でも今は、ついと顔を背けて、それからこう答えるのだった。
「そうだなぁ。
君と僕と、もう一度夫婦になれるかはわからないけど、
まずは、友達から始めよう。」
終わり。
今年ももう7月、七夕の話を書きました。
織姫と彦星がいるとされる星は、地球からの距離がかなり違うようです。
もしも、光の速さで移動できるとしても、その差はおよそ9年ほど。
光の速さで移動する物体は時間が止まるので、
先に目的地に着いた方が9年分、先に年を取ってしまう。
それでは織姫と彦星は随分と年の差婚になってしまうだろうな。
そんなことを考えていたら、この話が出来上がりました。
織姫と彦星が年の差を作らずに一緒になる方法。
それは、お勤めを終えた織姫と彦星が、バラバラに地球に向かわず、
まずはお互いの中間地点で合流してから一緒に地球に向かう、
というのが正解でした。そんなことが可能ならという話ですが。
お読み頂きありがとうございました。