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城跡から、いる筈のない声が聞こえる。

作者: 荒木パカ

高校生の頃、城跡の近くに住んでいる友人がいた。

その城跡は、公園として使用され、高台に位置しており、大変眺めが良い。

立ち入りを管理する人もおらず、いつでも入れるので、夜景を見にカップルがよく来ては騒いでいた。


公園として整えられているとはいえ、城跡なため土地は広く、木々も豊かに生え揃っているため、元々少ない街灯の光を遮ってしまい、夜はかなり薄暗い、不気味な雰囲気も醸し出している。


悪ガキだった私達は、バクチク等で大きな音を出して、カップル達を驚かして遊んでいた。


その日も時間と若さをもて余した私達は、深夜の城跡に向かった。

町一面を見渡せる展望スポットに近くなると、「キャー キャー」と複数人の甲高い女性の楽しそうな笑い声が聞こえてきた。

今回は女性グループが夜景を見に来ているようだ。


大人数でいるなら驚かせたら大騒ぎしてくれるに違いない。

しめしめと私達は心を踊らせながら近づいた。

だが、そこには誰もいなかった。


目の前の展望スポットからは今もなお「キャーキャー ワイワイ」と笑い声が聞こえる。

数多くの色々な声が混ざりあっており、音だけで把握しようとすると10人以上はいるのではないかと思える。


しかし、目の前には誰1人見えず、何もないところから騒いでる声が聞こえてくる


この展望スポットは崖の上にあり、隠れたところで騒いでいるという可能性はない。

私はただただ呆気に取られていたが、友人は肝が座っているタイプだ。

「スピーカーとか置いてあるのか?」

そう言い、声が聞こえる方へ歩いて行った。

スピーカーから出ているような声ではないのは明白だ。しかし、何か原因がある筈だと思っているため、何も言わず友人の動きを見守った。


友人が展望スポットにたどり着いた瞬間、「うわー」も叫びながらこちらに走ってきた。

私も頭真っ白なまま、一緒に城跡を駆け降り、友人の家に逃げ込む。


息が整わず、肩を上下させながら尋ねる。

「何があった?」

友人は顔面蒼白のまま答えた。

「何しに来たんだ!って胸をドンッ!っと押された! 誰もいないのに!」


それ以来城跡に行くことはなくなった。


あの声はいったい何だったのか疑問に思う。

もしも幽霊だったとするなら、城跡なので落武者とかが出るのではないのか。

調べたが女性が大人数亡くなった事件などはない。というか1人も死亡事件はなかった。


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