悟くんの日常。
私のクラスに、悟くんという男の子がいる。
悟くんは、繊細でよく周りを見ている子。
きっと、繊細過ぎるゆえに生きにくいのが辛いと思う。
悟くんは、相手が言葉や行動を起こす前に先に気づい
てさり気なく対応してくれる子。
自分の気持ちを押し殺して生きているじゃないかと私は
悟くんを気にして見るようになった。
何故なら? 私は、悟くんがいるクラスの担任の先生だからだ。
悟くんは、普段は物静かで一人で本を読んでいるような大人しい
男の子なのだけど、、、?
たまに、自分をコントロールできなくなるのか?
問題を起こす事もたまにあった。
クラスの誰かに何か言われて、悟くんが起こって取っ組み合いの
喧嘩になったとか。
悟くんと喧嘩した相手の男の子のお母さんは、凄い剣幕で悟くん
のお母さんに怒鳴りつけた。
『お宅のお子さんは? いきなりうちの子に殴りかかるような
教育をされてるのかしら? 何度もうちの子を殴るから顔が腫
れてしまったじゃないの! どうしてくれるのよ!』
『・・・本当に、申し訳ありません。』
『しかも? まだこの子から謝ってももらえてないっていうし!
どういう躾を家でされてるのか? ホント、神経を疑いますわ!』
『本当に、すみませんでした。悟! 貴方も謝りなさい!』
『・・・・・・』
『いいから、謝るの!』
『・・・もう、いいわ! 担任の先生からも、何か言ってください!』
『まあ、子供の喧嘩ですので、ちょっとした事で喧嘩にもなります。
これからは、二人共仲良くするように!』
【・・・はい、】
『・・・うん、次またこんな事があったら? 警察に届けますから!』
『・・・あぁ、ははい。』
・・・一応は、その時は丸く収まった。
ただ、悟くんのお母さんには、私からちゃんと話している事があったの。
『悟くんのお母さん! 悟くんは、他の子達と少し違っています。
“繊細”なんです! だから、いつもは他の子達に気を遣って自分
から先に、何かする事はありません! でも時々、自分をコントロール
出来なくなる時があって、問題を起こしてしまうんです。一度!
悟くんとお母さんとで、精神科で診てもらった方がいいのかと? 何か
解決方法があるはずです。』
『・・・でも、悟には普通の子達と同じ学校生活を送ってほしんです。』
『分かります! うちの子が他の子達と違う事を認められないのも!
でも、悟くんの為にも是非! 1度でいいんです、診てもらってほしい
んです! どうか、悟くんのお母さん! よろしくお願いします!』
『・・・先生が、そこまで言うなら。』
『ありがとうございます!』
私は、悟くんのお母さんに私の知り合いの精神科で働く女性を紹介した。
何故? ここまで、悟くんの事が気になるかと言えば...。
私は以前、受け持っていたクラスに一紀くんという男の子がいた。
彼も、悟くんのように繊細な男の子で。
その子は、自分をコントロール出来ず親も知らないところで亡くなって
しまったからだ。
一紀くんのお母さんは、一紀くんの“繊細さを”を知らなかったのだ。
後悔しても、亡くなってからじゃもう遅い。
私も、一紀くんの異変に全く気付くことが出来なかった。
担任の先生としては、“失格”なのだろう。
私は、その件があり【先生】を辞めようとした。
でも、ベテランの先生に引き留められて今も先生をやってる。
今度こそは、必ず助けると! 私は強く心に決めていたからだ。
最後までお読みいただきありがとうございます。




